東京には、人気の高い街が数多くあります。
ただし、「人気の街=資産価値が落ちにくい」とは限りません。
不動産の価値は、交通利便性や人口動態、再開発、住宅供給など、さまざまな要素で決まります。
では、どのような条件が揃うエリアなら、将来も資産価値が維持されやすいのでしょうか。
この記事では、東京23区を中心に価格推移や人口動態、再開発などのデータをもとに、資産価値が落ちにくいエリアの共通点を解説します。
単なる「おすすめエリア」の紹介ではなく、自宅周辺や購入を検討しているエリアの将来性を判断するための視点を身につけることが目的です。
東京の不動産市場をデータから読み解きながら、自宅の将来性を考えてみましょう。
- 1 資産価値が落ちにくいエリアには共通点がある
- 2 東京23区の価格推移から見る「資産価値が維持されているエリア」
- 3 再開発は資産価値をどこまで押し上げるのか
- 3.1 価格が上がりやすい再開発には共通点がある
- 3.2 成功例① 六本木ヒルズは「街全体」をつくった
- 3.3 成功例② 渋谷駅周辺は「交通」と「都市機能」を同時に更新
- 3.4 成功例③ 虎ノ門は「働く場所」の需要が資産価値を支える
- 3.5 再開発があっても「期待ほど上がらない」ことがある
- 3.6 再開発があっても価格が伸び悩むケース
- 3.7 事例① 中野:再開発への期待と「計画そのものの不確実性」
- 3.8 事例② 小岩:再開発の「期待先行」に注意
- 3.9 事例③ 北千住:再開発だけではなく「街そのものの需要」が重要
- 3.10 3つの事例から分かる「再開発を見るときの注意点」
- 3.11 資産価値を左右するのは「再開発の規模」より需要と供給
- 3.12 今後注目される再開発エリアは「完成後」まで見る
- 4 人口動態・供給戸数・交通利便性から将来性を読み解く
- 5 将来性が期待される東京のエリア
- 6 自宅周辺の資産価値を調べる方法
- 7 まとめ
資産価値が落ちにくいエリアには共通点がある

「資産価値が落ちにくいエリア」とは、単に現在の不動産価格が高い街ではありません。
将来も「ここに住みたい」と考える人が一定数いる街ほど、住宅需要が維持されやすく、資産価値も落ちにくくなります。
「住みたい街ランキング」で上位に入るエリアでも、人口が減少していたり、住宅が過剰に供給されていたりすれば、価格が下落する可能性があります。
逆に、知名度がそれほど高くなくても、交通利便性が高く、人口や世帯数が増え、生活環境が整っているエリアなら、住宅需要が長く続く可能性があります。
資産価値を左右する主な要素は、次の6つです。
- 都心へのアクセス・交通利便性
- 人口流入・世帯数の増加
- 再開発やインフラ整備の状況
- 商業施設・教育・医療などの生活利便性
- 新築マンションの供給状況と希少性
- 災害リスクや地盤などの安全性
これらは別々に見るのではなく、複数の条件が揃っているかを確認することが大切です。
都心へのアクセス・交通利便性
まず確認したいのが、通勤・通学のしやすさです。
東京では、都心の主要駅へ短時間で移動できるエリアほど、住宅を探す人の選択肢に入りやすくなります。
複数路線が利用できる駅や、駅から徒歩圏内の住宅は、交通利便性という点で強みがあります。
ただし、「駅に近ければ資産価値が落ちない」とは限りません。
駅周辺にスーパーや飲食店、病院などが揃っているか、主要エリアへ乗り換えなしで移動できるかなど、駅を起点とした暮らしやすさも重要です。
駅徒歩5分の物件でも、日常の買い物に不便な街なら、駅近だけを理由に購入希望者が増えるとは限りません。
人口流入・世帯数の増加
不動産価格を支える基本は、住宅を買いたい人がいることです。
そのため、人口や世帯数が増えているエリアは、住宅需要が拡大している可能性があります。
特に注目したいのが、若年層やファミリー世帯の流入です。
これらの世帯が増えている地域では、住宅だけでなく、学校や保育施設、商業施設などへの需要も生まれます。
一方で、人口が増えていても、その大半が一時的な流入であれば、長期的な住宅需要につながらないケースもあります。
人口の「増減」だけでなく、どの世代・どのような世帯が増えているのかを見ることが大切です。
再開発やインフラ整備の状況
駅前の再開発や新しい交通インフラの整備も、エリアの将来性を左右します。
商業施設やオフィスが整備されれば、街の利便性が高まります。
新駅の開業や鉄道路線の整備によって、都心へのアクセスが改善するケースもあります。
こうした変化によって「この街に住みたい」と考える人が増えれば、住宅需要が高まり、不動産価格にも影響する可能性があります。
ただし、再開発があるから必ず価格が上がるわけではありません。
大規模な住宅開発によって新築マンションが大量に供給されれば、既存物件との競争が激しくなることもあります。
再開発を見るときは、「何ができるのか」だけでなく、それによって住む人の利便性や住宅需要がどう変わるのかまで確認しましょう。
商業施設・教育・医療などの生活利便性
住宅は、単に「寝る場所」ではありません。
スーパーや飲食店、病院、学校など、日常生活に必要な施設が揃っているかも需要を左右します。
特にファミリー世帯にとっては、教育環境や医療機関の充実度が住む場所を選ぶ重要な条件になります。
駅の知名度が高くなくても、駅周辺で買い物や通院などが済ませられるエリアなら、住宅地としての需要が維持される可能性があります。
反対に、駅から近くても生活に必要な施設が少なければ、住宅購入者から見た魅力が限定されることがあります。
新築マンションの供給状況と希少性
不動産価格は、需要だけでなく供給とのバランスでも決まります。
購入したい人が多いエリアでも、新築マンションが一度に大量供給されれば、物件同士の競争が激しくなる可能性があります。
また、駅近でまとまった土地が少ないなど、住宅を新たに供給しにくいエリアでは、既存物件の希少性が高まることもあります。
たとえば、同じ駅から徒歩5分の中古マンションでも、駅周辺で新築マンションが次々と供給される街と、ほとんど新築物件が出ない街では、競争環境が異なります。
そのため、「人気があるか」だけでなく、「人気に対して住宅がどれだけ供給されるか」を見ることが重要です。
災害リスクや地盤などの安全性
もう一つ、見落とせないのが災害リスクや地盤などの安全性です。
東京では、地震や洪水、高潮、液状化などのリスクが地域によって異なります。
同じ駅から徒歩圏内でも、場所によって災害リスクが異なるケースがあります。
住宅を購入する人にとって、安全性は長く暮らすための重要な判断材料です。
そのため、エリアの資産価値を考えるときは、価格や利便性だけでなく、ハザードマップなどで災害リスクも確認することが大切です。
ここまで見てきた条件は、それぞれ独立しているわけではありません。
たとえば、駅周辺の再開発によって交通利便性や商業施設が充実し、人口や世帯数が増えることがあります。
その結果、住宅需要が高まり、住宅供給が限られているエリアでは、既存物件の希少性が評価されることもあります。
つまり、資産価値が落ちにくいエリアを見極めるには、「人気がある街か」ではなく、「交通・人口・開発・生活利便性・供給・安全性がどう組み合わさっているか」を見ることが重要です。
【関連記事】あなたの家の資産価値は将来どうなる?価格が下がる家・下がりにくい家をセルフチェック【2026年最新版】
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東京23区の価格推移から見る「資産価値が維持されているエリア」
東京23区の中古マンション価格は、長期的に上昇してきました。
ただし、23区ならどこでも同じように価格が上昇しているわけではありません。
HowMaの東京都のマンション相場を見ると、2026年時点の平均価格は、港区が1億9,832万円、渋谷区が1億5,533万円、中央区が1億5,497万円となっています。
一方、足立区は4,501万円、葛飾区は4,592万円、江戸川区は5,350万円です。
㎡単価で比較しても、港区は283万円、渋谷区は222万円、中央区は221万円であるのに対し、足立区は64万円、葛飾区は66万円、江戸川区は76万円となっています。
上昇率の推移を見ると、港区や千代田区、中央区、渋谷区などの都心部では大きな上昇が見られる一方、上昇率が比較的穏やかな区もあります。
ここから分かるのは、「価格が高い区ほど資産価値が高い」という単純な話ではありません。
どのエリアで、どの程度の住宅需要が続いてきたのか。
その違いを見ることが、資産価値を考えるうえで重要です。

東京では中古マンション価格の上昇が続いている
まず、東京全体の流れを確認しましょう。
HowMaによると、東京都の2026年8月時点での売却相場は、約122万円/㎡(405万円/坪)です。全国と比較すると78万円/㎡(258万円/坪)高い水準です。
また、直近3年で最も坪単価が高い月は2026年7月、最も坪単価が低い月は2023年7月でした。直近3年で53%上昇しており、全国の変化率8%より高い水準です。
●東京都のマンションの直近3年の売却相場推移

背景には、都心部を中心とした住宅需要の強さに加え、住宅価格の上昇、建築費の高騰、新築マンションの供給価格上昇など、複数の要因があります。
ここで重要なのは、「東京全体で上がっている」という事実だけで、自宅の資産価値を判断しないことです。
同じ東京都内でも、価格の上昇幅には大きな差があります。
上昇率が高いのは都心部と再開発エリア
都心部や大規模な都市開発が進むエリアでは、東京都全体を上回る上昇率が確認できます。
次の表のデータはHowMaの2026年8月時点「直近3年の売却相場推移」に基づいています。
| エリア | 2026年8月の売却相場単価 | 直近3年間の上昇率 |
|---|---|---|
| 港区 | 279万円/㎡ | 87% |
| 千代田区 | 264万円/㎡ | 80% |
| 渋谷区 | 221万円/㎡ | 76% |
| 中央区 | 219万円/㎡ | 71% |
| 品川区 | 171万円/㎡ | 72% |
| 目黒区 | 171万円/㎡ | 61% |
特に目立つのが、港区、千代田区、渋谷区です。
●東京都千代田区のマンションの直近3年の売却相場推移

●東京都渋谷区のマンションの直近3年の売却相場推移

これらのエリアには、都心へのアクセスの良さに加え、オフィスや商業施設が集積しています。さらに、駅周辺や湾岸部などでは大規模な再開発が進められてきました。
たとえば中央区では、都心へのアクセスに加えて湾岸エリアの住宅開発が進んでいます。江東区も、豊洲や有明などで住宅・商業・業務機能が整備されてきました。
実際、江東区の中古マンション㎡相場は、2015年の64万円から2025年には113万円まで上昇しています。10年間で約1.77倍です。
こうしたデータから見えてくるのは、「都心に近いから上がった」という一つの理由だけではないことです。
交通利便性に加えて、再開発による街の変化や住宅需要、商業・業務機能の集積などが重なったエリアほど、価格上昇につながりやすくなっています。
上昇率が比較的穏やかなエリアもある
一方で、23区のすべてが同じペースで上昇しているわけではありません。
次の表のデータはHowMaの2026年8月時点「直近3年の売却相場推移」に基づいています。
東京23区の中でも、荒川区、江戸川区、足立区、葛飾区などは上昇率が比較的穏やかな傾向を示しています。
| エリア | 2026年8月の売却相場単価 | 直近3年間の上昇率 |
|---|---|---|
| 荒川区 | 101万円/㎡ | 45% |
| 江戸川区 | 78万円/㎡ | 38% |
| 足立区 | 66万円/㎡ | 35% |
| 葛飾区 | 67万円/㎡ | 32% |
●東京都葛飾区のマンションの直近3年の売却相場推移

●東京都江戸川区のマンションの直近3年の売却相場推移

ただし、ここで「上昇率が低い=資産価値が低い」と判断するのは早計です。世田谷区や杉並区のように、住宅地としての需要が長く続いているエリアでは、急激な価格上昇よりも安定した住宅需要があることが強みになる場合があります。
また、価格水準が比較的低いエリアでは、都心部ほど高い上昇率が出にくいという側面もあります。
つまり、資産価値を見るときは、上昇率だけでなく「価格が大きく崩れていないか」「購入希望者が継続しているか」まで確認する必要があります。
「横ばい」「下落傾向」の区はある?
2025年時点の23区を見ると、長期的に明確な下落傾向が続いている区は確認できません。
9年前と比較すると、23区すべてで中古マンション価格が上昇しています。最も上昇率が低い大田区でも+36.8%、練馬区でも+37.4%でした。
つまり現在の東京23区では、
「上昇している区」と「下落している区」に二分されているわけではありません。
実際には、
- 大きく上昇しているエリア
- 比較的緩やかに上昇しているエリア
- 一時的に価格が弱含むエリア
という違いがあります。
2025年3月時点のデータでは、23区すべてで前月比の㎡単価がプラスとなっていますが、港区が+2.9%だったのに対し、足立区は+0.4%でした。
この違いは、「資産価値があるか、ないか」というよりも、住宅需要の強さや土地の希少性、再開発、交通利便性などによって、価格の伸び方に差がついていると考えるほうが実態に近いでしょう。
なぜエリアによって価格の伸び方が違うのか
価格差が生まれる大きな理由は、「そのエリアで住宅を買いたい人が、これからも現れるか」です。
住宅需要を左右する要素として、特に次の4つが挙げられます。
| 要素 | 資産価値への影響 |
|---|---|
| 交通利便性 | 通勤・通学需要を取り込みやすい |
| 人口・世帯数 | 住宅を必要とする人の増減につながる |
| 再開発 | 街の利便性やイメージを変える |
| 住宅供給 | 物件が増えすぎると競争が激しくなる |
駅前の再開発で商業施設やオフィスが増えれば、街を訪れる人だけでなく、そこで働く人や暮らしたい人も増える可能性があります。
一方で、大規模なマンション開発によって住宅が大量に供給されれば、購入希望者にとって選択肢が増えます。
その場合、エリア全体の需要が強くても、物件同士の競争によって価格上昇が抑えられることがあります。
このため、「再開発がある」「人口が増えている」といった一つの材料だけでは判断できません。
需要が増える力と、住宅が供給される量のバランスを見ることが重要です。
「価格が高い」より「価格を支える力」に注目する
東京23区の価格推移を見ると、都心部を中心に大きく上昇しているエリアがあります。
また、上昇率が比較的穏やかなエリアでも、長期的に住宅需要が維持されているケースもあります。
ここから分かるのは、資産価値を判断するときに重要なのは、現在の価格そのものではなく、その価格を支えている需要が将来も続くかどうかということです。
駅近で交通利便性が高く、人口や世帯数も増えている。さらに再開発によって商業施設やオフィスが整備されている。
こうした条件が重なるエリアでは、住宅需要が維持されやすくなります。
反対に、人口減少が続き、交通利便性にも課題があり、新築住宅が大量に供給されるエリアでは、価格を支える力が弱くなる可能性があります。
そのため、自宅周辺の将来性を考えるときは、「今いくらなのか」だけでなく、「なぜこの価格になっているのか」「今後も需要が続くのか」まで確認することが大切です。
エリア全体の価格推移を確認したら、次は自宅そのものが現在の市場でどのように評価されているのかを確認してみましょう。
HowMaなら、AI査定を使って自宅の現在の市場価格を手軽に把握できます。エリアの将来性と自宅の現在の価値を合わせて確認することで、今売るべきか、もう少し持ち続けるべきかを判断する材料が得られます。
【関連記事】東京23区で資産価値が落ちにくい地域ベスト10|マンション・戸建てが値崩れしにくいエリアとは?【2026年最新版】
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再開発は資産価値をどこまで押し上げるのか
再開発は、不動産の資産価値を高めるきっかけになります。
駅が整備され、商業施設やオフィスが増えれば、街の利便性が高まります。
そこで働く人や訪れる人が増えれば、住宅需要にもつながります。
実際、国土交通省の2026年第1四半期の「地価LOOKレポート」では、主要都市の44地区すべてで地価が上昇しました。住宅地ではマンション需要、商業地では再開発の進展や店舗・ホテル、オフィス需要が地価を支えています。
ただし、「再開発=周辺の不動産価格が必ず上がる」というわけではありません。
再開発によって街の魅力が高まっても、同時に住宅が大量供給されれば、既存物件との競争が強くなるからです。
再開発による資産価値への影響を見るときは、
「街の魅力がどれだけ高まるか」+「住宅需要がどれだけ増えるか」-「住宅がどれだけ新しく供給されるか」
という視点が重要です。

価格が上がりやすい再開発には共通点がある
再開発の効果が大きくなりやすいのは、街全体の価値が高まるケースです。
駅前に商業施設やオフィス、ホテル、文化施設などが整備されると、住民にとって便利になるだけではありません。
その街で働く人や訪れる人も増えます。
すると、
都市機能が充実する
↓
人が集まる
↓
住宅需要が生まれる
↓
購入希望者が増える
↓
周辺の不動産価格を支える
という循環が生まれます。
住宅だけを大量に供給しても、街に新しい需要が生まれなければ、既存物件まで価格が押し上げられるとは限りません。
つまり、再開発による価格上昇を考えるときは、「新しい建物ができるか」より「その結果として街にどんな需要が生まれるか」を見ることが大切です。
成功例① 六本木ヒルズは「街全体」をつくった
大規模再開発の代表例が、2003年に開業した六本木ヒルズです。
六本木ヒルズでは、約11.6haの区域にオフィス、住宅、商業施設、ホテル、文化施設などを集積しました。
特徴は、単純に高層マンションを建てたのではなく、仕事・住居・買い物・文化・交流といった複数の機能を一つの街に組み込んだことです。
森ビルも都市再開発について、「多様な都市機能が複合したコンパクトシティ」を目指す考え方を示しています。
六本木ヒルズ周辺では、その後も隣接地で複合施設の整備が進められました。森ビルは、こうした施設を加えることで六本木ヒルズとの相互の価値を高め、周辺のにぎわいを生み出すことを狙っています。
2026年の地価公示でも、六本木周辺ではオフィス市況の回復などを背景に、地価が上昇傾向にあります。
六本木ヒルズの事例から分かるのは、再開発の価値は建物そのものではなく、街にどれだけ継続的な需要を生み出せるかということです。

成功例② 渋谷駅周辺は「交通」と「都市機能」を同時に更新
渋谷駅周辺も、再開発によって街の機能が大きく変化したエリアです。
渋谷駅では、駅施設や歩行者動線の整備に加え、駅周辺で複数の大規模複合施設が開業しています。
こうした整備によって、駅の乗り換えや回遊性が改善され、商業・オフィスなどの集積も進みました。
2026年の地価公示でも、渋谷駅周辺では大規模再開発による集客効果を背景に、店舗賃料や地価水準が上昇傾向にあると評価されています。
ある渋谷駅近接地点では、前年の775万円/㎡から2026年には875万円/㎡となり、年間変動率は13.6%でした。
特に重要なのは、再開発が一つの施設だけで完結していないことです。
駅の改良
+商業施設
+オフィス
+歩行者ネットワーク
+周辺エリアの再開発
が連続することで、街全体の回遊性や集客力が高まります。
渋谷の事例は、交通利便性と都市機能の向上が重なると、再開発の効果が周辺へ波及しやすいことを示しています。

成功例③ 虎ノ門は「働く場所」の需要が資産価値を支える
虎ノ門でも、大規模な再開発が継続しています。
虎ノ門ヒルズを中心に、オフィス、住宅、商業施設などの整備が進み、駅や道路、歩行者ネットワークも更新されてきました。
ここでポイントになるのが、住宅だけではなく、オフィス需要が強いことです。
企業が集まれば、そこで働く人が増えます。
周辺で暮らす需要も生まれるため、住宅地にとってもプラス材料になります。
2026年の地価公示では、虎ノ門地区周辺について、再開発の進展による将来の収益向上への期待が強まり、地価が上昇傾向にあると評価されています。
一方で、建築費の高騰によって開発採算が悪化し、地価の上昇は「緩やか」とする評価もあります。
この点も重要です。
再開発によるプラス材料があっても、建築費や金利などの市場環境によって、価格への反映度合いは変わります。

再開発があっても「期待ほど上がらない」ことがある
ここまでの事例は、再開発によって街の価値が高まり、不動産需要にもプラスの影響が見られるケースです。
ただし、再開発が進むエリアなら、どこでも同じような価格上昇が起きるわけではありません。
特に注意したいのが、「再開発によって需要が増える」と「住宅価格が上がる」の間には、住宅供給という別の要素があることです。
再開発によって1,000世帯分の住宅需要が生まれたとしても、新たに2,000戸の住宅が供給されれば、購入者にとって選択肢は増えます。
新築マンションとの競争が強くなれば、既存マンションの価格上昇が抑えられることもあります。
そのため、再開発エリアでは、
- 再開発によって人口や雇用が増えるか
- 新築マンションが何戸供給されるか
- 既存マンションと競合する物件が増えるか
- 再開発の効果が駅周辺からどこまで波及するか
まで確認する必要があります。
再開発があっても価格が伸び悩むケース
再開発が進むエリアでも、再開発への期待がそのまま周辺不動産の価格上昇につながるとは限りません。
ここでは中野・小岩・北千住の3エリアを例に挙げます。
なお、これらのエリアで『価格が下落している』わけではありません。実際、2026年の公的地価評価でも3エリアとも上昇傾向を示しています。
ここで重要なのは、再開発への期待に対して『価格の伸びがどこまで伴っているか』という視点です。
事例① 中野:再開発への期待と「計画そのものの不確実性」
たとえば中野では、駅前広場や歩行者デッキ、駅舎などの整備が進んでいます。
駅周辺の再開発への期待や利便性の高さを背景に、住宅地の地価が上昇傾向にあります。中野駅から徒歩圏のある住宅地では、2026年の地価が前年比11.2%上昇しました。
ただし、中野では再開発計画そのものに見直しが生じています。
中野駅新北口駅前エリアでは、資材価格や労務費の高騰などを背景に、2025年から事業計画の見直しが進められています。2026年7月時点でも、区は計画の見直しを継続しています。
つまり、再開発への期待があっても、計画の内容やスケジュールが変われば、その効果が現れる時期も変わります。
再開発への期待が先行して価格が動いても、計画の変更や完成時期の後ろ倒しがあれば、期待したほどの価格上昇につながらない可能性があります。
事例② 小岩:再開発の「期待先行」に注意
小岩も同様です。
小岩駅周辺では、北口・南口の複数地区で再開発が進んでいます。
北口地区では約2haの区域に、商業施設や保育所などとともに約731戸の住宅が整備されます。2026年度の工事完了が予定されています。
再開発への期待はすでに住宅市場にも表れています。
国土交通省の2026年の鑑定評価書でも、小岩駅徒歩圏では、駅前再開発による発展期待から住宅需要が堅調で、地価は上昇傾向とされています。
ここで注意したいのが、期待が価格に先に反映されることです。
再開発によって街が便利になるのはプラス材料です。
しかし、その効果が完成後に初めて価格へ反映されるとは限りません。
「駅前が生まれ変わる」という情報をもとに購入する人が増えれば、工事中から価格が上昇することがあります。
すると、実際に再開発が完成した段階では、将来の価値をある程度織り込んだ価格になっている可能性があります。
さらに小岩では、再開発によって新しい住宅も供給されます。
北口地区の約731戸に加え、南口でも大規模な住宅開発が進んでいます。
つまり、小岩では、
再開発への期待
→ 住宅需要が高まる
→ 価格が上昇する
→ 新築住宅も大量に供給される
→ 既存マンションとの競争が生まれる
という流れも考えられます。
そのため、再開発の完成だけを待つのではなく、期待が現在の価格にどこまで織り込まれているのか、新築住宅がどれだけ供給されるのかを見る必要があります。
事例③ 北千住:再開発だけではなく「街そのものの需要」が重要
北千住は、中野や小岩とは少し違った見方が必要です。
北千住では駅周辺の整備が進んでおり、2026年の鑑定評価では、北千住駅徒歩圏の住宅地域について、開発用地の供給が限定的であることから地価は上昇傾向が続くと予測されています。
一方で、これは北千住のすべてのマンションが同じように評価されることを意味しません。
駅から離れた物件、築年数が古い物件、競合する新築物件が多いエリアなどでは、駅周辺の再開発効果がそのまま価格に反映されるとは限りません。
3つの事例から分かる「再開発を見るときの注意点」
この3エリアから学べるのは、「再開発があっても価格が上がらない」という単純な話ではありません。
再開発による期待があっても、その効果は物件の立地や供給量、計画の進捗によって変わるということです。
特に売却を考えているなら、再開発の完成を待つこと自体が目的にならないよう注意が必要です。
現在の市場価格と、再開発によって期待できる将来の価格を比較して判断することが重要です。

資産価値を左右するのは「再開発の規模」より需要と供給
ここまでの事例を比較すると、再開発による資産価値への影響には、いくつかの共通点があります。
| 確認ポイント | 価格への影響 |
|---|---|
| 交通利便性 | 通勤・通学需要を取り込みやすくなる |
| 商業・生活利便性 | 「住みたい街」としての魅力が高まる |
| オフィス集積 | 働く人が増え、周辺住宅の需要につながる |
| 人口・世帯数 | 住宅を必要とする人が増える |
| 住宅供給戸数 | 多すぎると中古物件との競争が強まる |
| 希少性 | 供給が限られる物件は需要を集めやすい |
特に重要なのが、「需要」と「供給」のバランスです。
再開発によって街の魅力が高まっても、住宅が大量に供給されれば、既存物件の希少性は高まりにくくなります。
逆に、住宅需要が増えているのに新しい住宅を供給できる土地が少なければ、既存物件が選ばれやすくなる可能性があります。
再開発を見るときは、「どれだけ大きな施設ができるか」ではなく、「需要がどれだけ増え、住宅がどれだけ増えるのか」を見ることが大切です。
今後注目される再開発エリアは「完成後」まで見る
再開発は、計画が発表された瞬間に完成するわけではありません。
一般的には、
計画発表
→ 工事開始
→ 一部開業
→ 全体完成
という段階を経て街が変わっていきます。
不動産価格も、完成後に初めて動くとは限りません。
「将来便利になる」という期待が、工事中から価格に織り込まれることもあります。
そのため、再開発エリアを検討するときは、次の点を確認しておきましょう。
- 何が整備されるのか
- 交通利便性はどう変わるのか
- 商業・オフィス機能は増えるのか
- 人口や雇用は増えるのか
- 新築マンションは何戸供給されるのか
- 完成後も住宅需要が続くのか
2026年時点で注目されるエリアには、高輪・品川、大井町、武蔵小杉などがあります。
高輪・品川周辺ではTAKANAWA GATEWAY CITYが2026年3月にグランドオープンし、広域品川圏として複数の駅をつなぐまちづくりが進んでいます。
大井町でもOIMACHI TRACKSが2026年3月にまちびらきを迎えました。
武蔵小杉エリアでは、南口などの開発が一巡し、2026年現在は駅北口エリアの大規模再開発が大きな注目を集めています。
こうしたエリアを所有している場合、「再開発があるから、完成まで待つ」だけでは判断できません。再開発への期待がすでに価格へ織り込まれている可能性もあります。
また、開発によって新築マンションが大量に供給されれば、周辺の中古マンションとの競争が強まることもあります。
だからこそ、再開発を資産価値の判断材料にするときは、「再開発があるか」ではなく、「再開発によって需要と供給がどう変わるか」を見ることが重要です。
そして、最終的に知りたいのは、再開発エリア全体の価格ではなく、「自分のマンションが今いくらで売れるのか」ではないでしょうか。
再開発のニュースを確認したら、次は自宅の現在の市場価格を把握しておくと、「今売る」「再開発の進展を待つ」「持ち続ける」という選択肢を具体的に比較できます。
【関連記事】再開発で資産価値は本当に上がる?価格が伸びる街・伸びない街の違い【2026年最新版】
人口動態・供給戸数・交通利便性から将来性を読み解く
不動産の資産価値を考えるとき、現在の価格だけを見ても将来性は分かりません。
大切なのは、「これからも、この街に住みたい人が増えるのか」という視点です。
人口や世帯数が増えている。
交通が便利になっている。
商業施設やオフィスが充実している。
こうした変化が重なるエリアは、長期的な住宅需要につながりやすくなります。
ただし、人口が増えていても新築マンションが大量に供給されれば、物件同士の競争が強まることがあります。
そのため、将来性を見るときは、人口・住宅供給・交通利便性・街の機能をまとめて確認することが重要です。
人口が増える街は住宅需要も生まれやすい
住宅価格を支える基本的な力の一つが、「その街に住みたい人がどれだけいるか」です。
人口が増えれば、住居を必要とする人も増えます。
特に注目したいのが、人口だけでなく世帯数の変化です。
人口がほぼ横ばいでも、単身世帯や子育て世帯が増えれば、住宅を必要とする世帯数は増えることがあります。
逆に、人口と世帯数の両方が減っているエリアでは、長期的に住宅需要が弱くなる可能性があります。
エリアの将来性を見るときは、次の数字を確認してみましょう。
- 人口は増えているか
- 世帯数は増えているか
- 転入してくる人が多いか
- どの年代の人が増えているか
単に「人口が増えている」という結果だけでなく、誰が、どのような理由で流入しているのかまで見ることがポイントです。
若年層・ファミリー層の流入にも注目する
人口が増えていても、どの世代が増えているのかによって住宅需要は変わります。
特に注目したいのが、若年層や子育て世帯の流入です。
若年層が増えるエリアでは、駅に近いマンションや単身・DINKs向け住宅への需要が生まれやすくなります。
ファミリー層が増えるエリアなら、広めの間取りや教育環境、買い物のしやすさなどへの需要が強くなります。
駅前にオフィスが増えて20〜30代の会社員が流入している街なら、駅徒歩圏のマンションは需要を取り込みやすくなります。
子育て世帯が増えている街なら、学校や公園、スーパーなどへのアクセスが住宅選びの重要な条件になります。
ここで確認したいのが、
「人口が増えているか」
→「どの世代が増えているか」
→「その世代がどんな住宅を求めているか」
という3つの視点です。
これが分かると、単なる人口増加よりも、そのエリアの住宅需要を具体的にイメージできます。

新築マンションの供給が多いエリアは「需要」とセットで見る
人口が増えているエリアでも、注意したいのが新築マンションの供給量です。
新しいマンションが増えることは、街の発展を示すプラス材料になる場合があります。
しかし、住宅需要を上回るペースで供給が増えると、既存マンションとの競争が強くなります。
たとえば、再開発によって1,000戸の新築マンションが供給されるとします。
その一方で、新たに生まれる住宅需要が500戸しかなければ、購入者にとっては物件を選びやすくなります。
既存マンションも新築物件と比較されるため、中古マンションの価格上昇が抑えられる可能性があります。
反対に、住宅需要が強いのに新築供給が限られていれば、既存物件の希少性が高まりやすくなります。
エリアの将来性を調べるときは、次のように考えると分かりやすいでしょう。
| 状況 | 資産価値への影響 |
|---|---|
| 人口・世帯数が増加 | 住宅需要を支えやすい |
| 新築供給が限定的 | 既存物件の希少性が高まりやすい |
| 新築供給が大量 | 中古物件との競争が強まりやすい |
| 需要と供給が均衡 | 価格が安定しやすい |
ポイントは、「何戸建つか」だけではなく、「何人が住むのか」まで見ることです。
再開発エリアを調べる場合も、住宅の供給戸数と人口・世帯数の変化をセットで確認しましょう。
鉄道延伸や新駅は街の住宅需要を変える
交通インフラも、エリアの将来性を左右する重要な要素です。
新駅の開業や鉄道延伸によって都心へのアクセスが改善すると、これまで住宅購入の候補にならなかったエリアが選択肢に入ることがあります。
新駅・路線延伸
↓
都心へのアクセス改善
↓
通勤・通学の負担が減る
↓
住宅を探す人の選択肢に入る
↓
住宅需要が高まる
という流れです。
ただし、交通インフラは計画があるだけで判断しないことも大切です。
計画段階なのか、事業化されているのか、工事が始まっているのか。
開業時期が決まっているのか。
この違いによって、実現する確度は変わります。
「新駅ができるらしい」という情報だけで将来の価格上昇を期待するのは危険です。
実際に判断するときは、
- 駅までの距離がどれだけ短くなるか
- 都心への所要時間がどれだけ変わるか
- 利用者が増える見込みがあるか
- 駅周辺に住宅や商業施設が整備されるか
まで確認しましょう。
商業施設やオフィスが増えると「住む理由」も増える
住宅需要は、住宅だけで生まれるものではありません。
商業施設やオフィス、ホテル、教育施設、医療施設などが整備されると、街で働く人や訪れる人が増えます。
その結果として、「この街で暮らしたい」という需要が生まれることがあります。
職場の近くに住みたい人が増えれば、周辺の賃貸住宅やマンションへの需要につながります。
商業施設が充実すれば、日常生活の利便性も高まります。
特にファミリー層にとっては、スーパーやドラッグストア、飲食店、教育施設などが身近にあることが、住宅選びの判断材料になります。
つまり、
オフィス開発
→ 働く人が増える
→ 周辺住宅への需要が生まれる
商業施設の充実
→ 生活利便性が高まる
→ 住みたい人が増える
という波及効果が期待できます。
ただし、施設ができれば必ず需要が増えるわけではありません。
駅から遠い、競合する施設が多い、利用者が少ないなどの理由で、期待ほど街の魅力が高まらないケースもあります。
「施設ができるか」ではなく、「人が集まり続ける仕組みがあるか」を確認しましょう。

「人口×供給×交通」で見ると、エリアの将来性が分かりやすい
ここまでの内容を整理すると、長期的な資産価値を考えるときは、次の3つをセットで見ると判断しやすくなります。
① 人口・世帯数
これからも住宅を必要とする人が増えるのか。
② 住宅供給
新築マンションが増えすぎて、物件同士の競争が強まらないか。
③ 交通・都市機能
通勤・通学や買い物が便利になり、街に人が集まり続けるのか。
この3つがそろえば、短期的な人気だけに頼らず、継続的な住宅需要が期待できるエリアと考えやすくなります。
逆に、現在は人気が高くても、
- 人口や世帯数が減少している
- 新築住宅が過剰に供給されている
- 交通利便性の改善が見込めない
- 商業施設や雇用が縮小している
といった要素が重なれば、長期的な資産価値には注意が必要です。
また、エリア全体の将来性が高くても、所有しているマンションの価格が同じように上がるとは限りません。
駅からの距離、築年数、管理状態、間取り、眺望などによって、市場での評価は変わります。
エリアの将来性を確認したら、次は自宅が現在の市場でどのくらい評価されているのかを確認してみましょう。
今の価格を知っておくと、再開発や人口動態の変化を踏まえて、「今売る」「もう少し持つ」などの選択を具体的に比較しやすくなります。
【関連記事】今の家の値段はいくら?自宅の価値・価格を調べる方法|AI査定なら1分【2026年最新版】
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将来性が期待される東京のエリア
「将来性のある街」と聞くと、再開発が予定されているエリアを思い浮かべるかもしれません。重要なのは、再開発によって何が変わるのか、そして、その変化が今後の住宅需要につながるのかです。
ここでは、東京23区のなかでも、交通利便性、人口・住宅需要、都市機能、再開発など複数の要素が重なるエリアを取り上げます。
「おすすめの街」という順位ではなく、なぜ将来性が期待されるのか、どこに注意すべきなのかという視点で見ていきましょう。
高輪・品川エリア:新しい国際交流拠点が生まれる
現在の特徴
品川駅周辺は、新幹線やJR各線が集まる東京の主要ターミナルです。
羽田空港へのアクセスにも優れ、都心だけでなく国内外への移動拠点として機能しています。
その北側では、高輪ゲートウェイ駅を中心とした大規模なまちづくりが進んでいます。
2026年3月には「TAKANAWA GATEWAY CITY」がグランドオープンし、品川駅から大井町駅までの「広域品川圏」も本格始動しました。
将来期待される要因
高輪・品川エリアの強みは、駅やマンションだけではなく、オフィス・商業・文化・イノベーションなどを含めた街全体が変わることです。
JR東日本は、高輪ゲートウェイ駅周辺を国際的な交流拠点として整備しています。
さらに品川駅西口では、駅・道路・駅前広場を一体的に整備する基盤整備が進行中です。
2030年代半ばの将来像も示されており、2026年から工事が進められています。
こうした開発が進めば、
交通拠点の強化
↓
企業・就業者・来街者の増加
↓
商業・サービスの充実
↓
住宅需要の維持・拡大
という波及が期待できます。
注意点・リスク
一方で、「大規模開発だから必ず周辺マンションが値上がりする」とは限りません。
すでに品川・高輪エリアは高価格帯の住宅市場を形成しています。
今後の価格には、再開発への期待がどこまで織り込まれているのかを確認する必要があります。
また、再開発によって新しい住宅が供給されれば、既存マンションとの競争が強まる可能性もあります。
「開発されるから売るまで待つ」のではなく、現在の価格と、将来期待できる需要を比較することが重要です。
渋谷エリア:交通・商業・オフィスが一体で進化する
現在の特徴
渋谷は、JR・東京メトロ・東急・京王など複数の路線が集まるターミナル駅です。
商業、オフィス、エンターテインメントなどの都市機能も集積しています。
東京都の2025年国勢調査速報では、東京23区の人口は2020年から2.26%増加しました。
東京全体で人口流入が続くなか、都心部へのアクセスと都市機能を兼ね備えたエリアには、引き続き住宅需要が集まりやすい環境があります。
将来期待される要因
渋谷では、駅周辺の再開発が一つのプロジェクトで終わりません。
渋谷区は、桜丘口地区をはじめ、渋谷二丁目西地区、宮益坂地区、公園通り西地区など複数の市街地再開発事業を進めています。
つまり、渋谷の将来性として、一つの高層ビルではなく、駅を中心とした都市機能の更新が継続していることがポイントです。
オフィスや商業施設が増えれば、働く人や訪れる人が増えます。
駅周辺の歩行者ネットワークなどが整備されれば、街を回遊しやすくなります。
これらが重なることで、住宅地としての利便性にも波及する可能性があります。
注意点・リスク
渋谷はすでに高い知名度と人気を持つため、「再開発があるからこれから大きく上がる」と単純に考えないことが大切です。
再開発の効果がすでに価格に反映されている可能性があります。
また、渋谷駅からの距離や周辺環境によって、同じ渋谷区内でも物件の評価には大きな差が出ます。
「渋谷というエリアが強い」ことと、「自分のマンションが強い」ことは別問題として考える必要があります。
虎ノ門・麻布台エリア:国際都市としての機能を強化
現在の特徴
虎ノ門・麻布台エリアでは、大規模な都市再生が進んできました。
代表例が「麻布台ヒルズ」です。
2025年10月にはレジデンスBが竣工し、約8.1haの再開発区域に、住宅やオフィス、商業、文化などの都市機能が集積しています。
住宅は合計970戸が整備され、地下鉄2駅を結ぶ歩行者ネットワークも整備されました。
将来期待される要因
このエリアの特徴は、住宅だけを整備するのではなく、働く・暮らす・楽しむ機能をまとめて整備していることです。
麻布台ヒルズでは「Green & Wellness」を掲げ、緑地や文化、商業などを組み合わせた街づくりが進められています。
また、森ビルの2026年3月期決算では、麻布台ヒルズや虎ノ門ヒルズの賃貸収益、住宅分譲、ホテル収益が好調に推移したとされています。
こうした都市機能の集積は、企業や高所得層、国内外からの来街者を呼び込む力になります。
その結果、「働く場所としての需要」と「住む場所としての需要」が近接することが、このエリアの資産価値を支える材料になります。
注意点・リスク
一方で、虎ノ門・麻布台はもともと不動産価格が高いエリアです。
再開発による利便性向上があっても、購入価格が高ければ、その分だけ将来の値上がり余地は限定される可能性があります。
また、超高層マンションは同じエリアでも、眺望、階数、方角、築年数などによる価格差が大きくなります。
「エリアの将来性」と「物件そのものの資産価値」を分けて考えることが必要です。
豊洲・有明エリア:住宅と都市機能が共存する臨海エリア
現在の特徴
豊洲・有明は、都心に近い立地を生かして、住宅、商業、オフィス、文化などが整備されてきたエリアです。
東京都も豊洲・晴海地域について、業務・商業と居住が組み合わさった「複合市街地」の形成を進めています。
2026年3月にも「豊洲・晴海開発整備計画」の一部が見直されました。
将来期待される要因
豊洲の強みは、すでに形成された住宅需要に加えて、都市機能の更新が続いていることです。
これまでの整備でも、住宅だけではなく業務・商業・文化などを複合的に配置する街づくりが進められてきました。
また、東京都の2026年版「PORT OF TOKYO」でも、臨海部では住宅と業務を組み合わせた都市機能の形成や、交通体系の改善などが進められています。
そのため、豊洲・有明は、
住宅
+商業
+オフィス
+文化・レジャー
+交通インフラ
という複数の需要が重なりやすい点が強みです。
注意点・リスク
ただし、臨海部では住宅供給の多さに注意が必要です。
大規模マンションが次々と供給されるエリアでは、新築物件と中古物件の競争が起こります。
また、豊洲・有明といっても、駅距離や眺望、築年数によって市場評価は大きく異なります。
さらに、臨海部では災害リスクや地盤なども確認が必要です。
「人気エリアだから安心」と考えるのではなく、その物件が将来も選ばれる条件を持っているかまで確認しましょう。

将来性を見るときは「開発の大きさ」より「需要が続く仕組み」を見る
ここまで見てきたエリアには共通点があります。
それは、単に大型マンションを建てるだけではなく、交通・商業・オフィス・文化・住宅など、複数の都市機能が組み合わされていることです。
特に重要なのは、「開発によって住みたい人が増えるのか」です。
再開発によって街がきれいになっても、住宅需要が増えなければ、資産価値の上昇は限定的です。
逆に、交通利便性が高まり、働く場所や商業施設が増え、若年層やファミリー層が流入する街なら、住宅需要が長く続く可能性があります。
東京の人口は2025年の国勢調査速報で、2020年から1.41%増加しています。区部では2.26%増加しており、東京都全体として住宅需要を支える人口基盤は依然として大きい状況です。
ただし、「将来性が高いエリア=自宅も値上がりする」とは限りません。
同じエリアでも、駅からの距離、築年数、管理状態、間取り、眺望などで市場評価は変わります。
将来の資産価値を考えるなら、まず街の将来性を確認し、そのうえで「今、自分のマンションはいくらで評価されているのか」を把握することが大切です。
HowMaなら、エリアの相場だけでなく、自宅マンションの現在の市場価格をAI査定で確認できます。
「将来上がるか」を予想する前に、まず現在地を知る。
そこから、今売るのか、将来まで持ち続けるのかを比較すると、より納得感のある判断につながります。
自宅周辺の資産価値を調べる方法
東京の資産価値をエリア単位で比較すると、「この街は価格が上がっている」「再開発で将来性が期待できる」といった傾向が見えてきます。
ただし、エリアの将来性が高いからといって、自宅の価格も同じように上がるとは限りません。
同じ駅から10分圏内でも、駅に近い物件と徒歩15分の物件では評価が変わります。築年数や専有面積、間取り、建物の管理状態なども価格に影響します。
そのため、売却や住み替えを考えるなら、エリアの将来性だけで判断せず、「自宅が現在の市場でいくらで評価されているのか」まで確認することが重要です。
自宅周辺の資産価値を調べるときは、次の4つを組み合わせると判断しやすくなります。
- AI査定で現在の相場を把握する
- 周辺の成約事例を見る
- 過去の価格推移を確認する
- 不動産会社の査定と比較する

AI査定で現在の相場を把握する
最初に確認したいのが、現在の市場価格の目安です。
AI査定とは、過去の不動産取引データなどをもとに、AIが物件価格を推定する仕組みです。不動産会社に訪問査定を依頼する前でも、自宅の価格水準を手軽に確認できます。
東京23区のなかでも価格上昇が続いているエリアに自宅があったとしても、「購入したときより現在の価値がどれくらい変化しているのか」は別途確認する必要があります。
AI査定を使えば、まず現在の相場を把握し、「今売ったらどの程度の価格になりそうか」という基準を持てます。
ただし、AI査定の価格はあくまで推定値です。
実際の売却価格は、眺望や日当たり、室内の状態、リフォーム履歴など、データだけでは評価しにくい条件によって変わることがあります。
そのため、AI査定は「最終的な売却価格を決めるもの」ではなく、自宅の市場価値を知るための第一歩として活用するのが適しています。
周辺の成約事例を見る
次に確認したいのが、実際に周辺の物件がいくらで売れたのかです。
売り出し価格は売主が設定した価格ですが、成約価格は実際に買主との契約が成立した価格です。
自宅の価格を考えるなら、広告に掲載されている価格だけでなく、実際の取引価格を見ることが重要です。
比較する際は、最寄り駅、駅距離、築年数、専有面積、間取り、所在階など、自宅と条件が近い物件を選びます。
価格推移を確認する
現在の価格だけでなく、過去から価格がどう変化してきたのかも確認しましょう。
価格推移を見ることで、そのエリアが一時的に値上がりしているのか、それとも長期間にわたって需要を維持しているのかを判断しやすくなります。
特に確認したいのは、次のようなポイントです。
| 確認するポイント | 分かること |
|---|---|
| 過去数年間の価格 | 長期的な上昇・下落傾向 |
| 直近1〜2年の価格 | 最近の市場動向 |
| 周辺エリアとの比較 | その地域特有の強さ |
| 同じマンションの価格 | 物件そのものの評価 |
東京全体で不動産価格が上昇していても、自宅周辺だけ価格が横ばいになっているケースがあります。
反対に、再開発や駅周辺の利便性向上などを背景に、周辺エリアを上回るペースで価格が上昇しているケースもあります。
「東京だから上がる」「再開発があるから上がる」と一括りにせず、自宅周辺の実際の価格推移を見ることが大切です。
不動産会社の査定と比較する
最後に、不動産会社による査定と比較すると、より現実的な売却価格を検討できます。
不動産会社の査定とは、周辺の取引事例や物件の状態、市場動向などを踏まえて、「この物件ならどの程度の価格で売却を目指せるか」を不動産会社が算出するものです。
ここで注意したいのが、査定額がそのまま売却価格になるわけではないことです。
たとえば、A社が8,000万円、B社が7,500万円、C社が7,200万円と査定した場合、「一番高いA社に依頼すれば得」という単純な話ではありません。
高い査定額を提示して媒介契約を獲得し、その後に価格を下げるケースもあるためです。
査定額を見るときは、金額だけでなく、
- どの成約事例を参考にしたのか
- その価格で売れると判断した根拠
- 売却までの想定期間
- 周辺物件との競争状況
まで確認しましょう。
AI査定、周辺の成約事例、価格推移、不動産会社の査定を組み合わせることで、1つの数字だけに振り回されにくくなります。
一般論だけでは分からない「自宅の価値」を確認する
ここまで見てきたように、エリアの資産価値と自宅の資産価値は同じではありません。
東京で資産価値が維持されやすいエリアには、交通利便性や人口動態、再開発、生活利便性などの共通点があります。
一方で、同じエリアにある物件でも、駅距離や築年数、管理状態、間取りなどによって評価は変わります。
たとえば、駅前で大規模な再開発が進んでいるエリアでも、自宅が駅から遠く、築年数も古ければ、再開発による恩恵を十分に受けられない可能性があります。
逆に、エリア全体の知名度がそれほど高くなくても、駅に近く、管理状態が良好で、購入希望者が多い物件なら、資産価値が維持されることがあります。
だからこそ、「東京のどこが強いか」だけでなく、「自分の物件は市場からどう評価されているか」を確認することが重要です。
まずはAI査定で現在の価格水準を把握し、周辺の成約事例や価格推移を確認しましょう。
そのうえで不動産会社の査定と比較すれば、「今売るのか」「もう少し持ち続けるのか」を判断するための材料がそろってきます。
【関連記事】空き家を売るなら何よりも最初にAI査定をし、コラボ査定をすればより盤石な理由【2026年最新版】
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まとめ
東京で資産価値が落ちにくいエリアには、一定の共通点があります。
都心へのアクセスが良く、人口や世帯数が安定している。再開発やインフラ整備が進み、商業・教育・医療などの生活利便性も高い。
こうした条件がそろうエリアは、住宅を購入したい人が集まりやすく、長期的に住宅需要が見込めます。
ただし、エリアの将来性が高ければ、どの物件でも資産価値が維持されるわけではありません。
同じエリアでも、次のような条件によって価格は大きく変わります。
- 駅からの距離
- 築年数
- 建物や共用部分の管理状況
- 専有面積や間取り
- 階数や眺望
- 周辺の競合物件
- 災害リスクや地盤
そのため、「東京で人気のエリアだから安心」と判断するのは早計です。
大切なのは、エリアの将来性を確認したうえで、自宅が現在の市場でどのように評価されているのかを把握することです。
売却を考えているなら、まず現在の価格水準を知ることで、「今売る」「もう少し保有する」といった選択肢を比較しやすくなります。
住み替えを検討している場合も、自宅の価値が分かれば、次の住まいに使える資金を具体的に考えられます。
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さらに、実際に不動産会社へ査定を依頼して価格を比較したい場合は、HowMaのコラボ査定も選択肢になります。
「エリアとして将来性があるか」と「自宅はいくらで評価されるか」は別の問題です。
この2つを分けて確認することで、感覚やイメージだけに頼らず、売却や住み替えの判断がしやすくなります。
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