東京23区に自宅や家族所有の物件があり、住み替えや売却を検討している場合、その地域で将来も住宅需要が見込めるかは、売却するか保有を続けるかを考えるうえで重要です。
住み替えを考えている場合も、まずは現在所有している物件の価格の目安を知ることで、売却後の資金や次の住まいにかけられる予算を検討しやすくなります。
本記事では、東京23区で資産価値が落ちにくいと考えられる10区を、HowMaマガジン独自のランキングで紹介します。
ランキングでは、交通利便性、中古住宅の需要、再開発、希少性、地域ブランド、人口動態の6項目を評価軸としています。
2026年の地価公示や2025年度の中古住宅成約データなども参照しながら、各区が上位となった背景と、同じ区内でも物件によって価格差が生じる理由を解説します。
結論|東京23区でも自宅の価格は個別に調べる必要がある
東京23区で最も資産価値を維持しやすい地域として、本記事で1位に選んだのは港区です。2位には千代田区、3位には中央区が続き、都心3区が上位を占めました。
上位3区に共通するのは、都心への近さだけではありません。港区ではブランド力と住宅供給の希少性、千代田区では中古流通の少なさ、中央区では継続する再開発と住宅需要が、それぞれ価格を支える背景となっています。
この順位が示すのは、区全体としての傾向です。同じ区内の物件でも、駅からの距離や築年数、マンションの管理状態、戸建ての土地条件などによって、実際の売却価格は異なります。
4位以下の区にも、交通利便性や再開発、ファミリー需要など、資産価値を支える特徴があります。ランキング外の注目エリアや、同じ地域でも物件ごとに価格差が生じる理由もあわせて解説します。
自宅や家族所有の物件の資産価値を判断するには、区の順位だけでなく、その物件の現在価格を個別に確認する必要があります。売却や保有を検討するときは、手軽に利用できるAI査定を活用し、まずは現在価格の目安を把握しましょう。
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資産価値が落ちにくい地域ランキングの評価基準
ランキングを見る前に、まずは「資産価値が落ちにくい地域」の考え方と、評価に用いた基準を簡単に解説します。
本記事では、中古市場で継続的な需要が見込まれ、市況が変化したときにも価格を支える要素がある地域を「資産価値が落ちにくい地域」としています。街の人気や居住意向を示す「住みたい街ランキング」とは異なり、売却時の需要に関わる6つの項目から地域の傾向を比較しています。
評価に用いた6項目と配点は、次のとおりです。合計100点とし、交通利便性を最も高く、中古需要・再開発、希少性、ブランド力・人口動態の順に配点しています

| 評価項目 | 配点 | 評価する内容 |
| 交通利便性 | 25 | 利用できる路線の数、都心の主要駅や業務地への移動のしやすさ |
| 中古需要 | 20 | 中古住宅の成約件数と、売買市場における需要の継続性。住みたい街などのアンケート結果ではなく、実際の売買市場で選ばれているかを評価する |
| 再開発 | 20 | 計画の有無や進捗、完成時期、生活利便性への効果、新たな住宅供給による中古市場への影響 |
| 希少性 | 15 | 住宅地や中古住宅の供給量。供給の限られ方に加え、比較できる成約事例があるかも考慮する |
| ブランド力 | 10 | 住宅地としての認知度と、買い手から継続して選ばれる理由 |
| 人口動態 | 10 | 人口や世帯数の増減を、住宅需要の背景を捉える指標として評価する |
評価には、2026年1月1日時点の地価公示、2025年度の中古住宅成約データ、2026年1月時点の人口・世帯数を参照しています。
関連記事:2025年11月更新|東京23区の中古マンション売却相場価格が最も高い・安い区は?
出典:国土交通省「令和8年地価公示」、東日本不動産流通機構「不動産市場動向」、東京都「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」
東京23区 資産価値が落ちにくい地域ベスト10
それでは、東京23区で資産価値が落ちにくい地域ベスト10を見ていきましょう。各区が上位となった主な背景もあわせて紹介します。
| 順位 | 区 | 上位となった主な背景 |
| 1 | 港区 | 地域ブランドと住宅供給の希少性 |
| 2 | 千代田区 | 住宅供給・中古流通の少なさによる希少性 |
| 3 | 中央区 | 日本橋・湾岸部の再開発と住宅需要 |
| 4 | 渋谷区 | 地域ブランドと渋谷駅周辺の再開発 |
| 5 | 文京区 | 教育・医療環境を重視する住宅需要 |
| 6 | 目黒区 | 住宅地ブランドと都心アクセス |
| 7 | 品川区 | 交通利便性と大崎・大井町などの都市更新 |
| 8 | 江東区 | 湾岸部を中心とした中古マンション需要 |
| 9 | 世田谷区 | ファミリー需要とマンション・戸建て市場の厚み |
| 10 | 新宿区 | 都心アクセスと中古マンション流通 |
上位には、ブランド力や住宅供給の希少性が評価された都心区のほか、再開発や交通利便性、ファミリー需要、中古住宅の流通が資産価値を支えている区が並びました。
ランキングと個別物件の価格は分けて考える
このランキングは、交通利便性や住宅需要、供給の希少性など、価格を支える要素を区単位で比較したものです。順位の差が、そのまま現在の価格や将来の下落率、売却のしやすさの差を表しているわけではありません。
同じ区内でも駅や町によって需要は異なり、個々の物件が持つ条件によっても価格は変わります。下位の区にある物件でも、立地や建物の管理状態、土地条件などに強みがあれば、上位区の物件より買い手から高く評価されることがあります。
ランキングは個別物件の価格を決めるものではなく、所有する物件がある地域の特徴を知るための手がかりです。ここからは1位の港区から順に、資産価値を支える背景、区内の注目地域、想定される需要、所有するうえでの注意点を見ていきます。
1位|港区
港区が資産価値を維持しやすい理由

港区は、複数の鉄道路線で都心の主要な業務地へ移動しやすく、高輪・芝浦側では品川駅も利用しやすい区です。2026年地価公示の住宅地平均変動率は23区1位、2025年度の中古マンション平均成約㎡単価も最も高く、実際の売買市場でも高価格帯の需要が続いています。
区内には、歴史ある高台の住宅地、国際的な低層住宅地、商店街のある街、水辺の住宅地など、性格の異なる地域が形成されています。代替しにくい住環境がそれぞれのブランドを支え、異なる買い手から選ばれてきました。
麻布台、高輪、六本木、赤坂、芝浦周辺では都市機能の更新が続き、人口増加も見込まれています。再開発による住宅供給は加わるものの、歴史ある低層住宅地や国際的な生活環境、水辺への近さなどを備えた住宅は限られます。複数の住宅地ブランドが確立され、代替しにくい住環境に幅広い中古需要があることが、港区の資産価値を支えています。
特に価格が落ちにくい地域
港区では、白金・白金台、高輪、元麻布・南麻布、麻布十番、六本木・赤坂、芝浦・海岸が注目されます。内陸側には、邸宅地としての歴史や国際的な生活環境を持ち、住宅供給が限られた地域があります。芝浦・海岸では、都心アクセス、水辺の住環境、継続的な都市更新が中古需要を支えています。
マンションは同じエリアでも、築年数、階数、眺望、管理状態、総戸数によって価格差が生じます。戸建ては取引件数が少なく、土地形状や接道、用途地域といった個別条件が価格に表れやすい傾向があります。
白金・白金台エリア
白金台の高台には、旧大名屋敷跡や近代の邸宅建築、自然教育園などの緑が残ります。戸建てや低層マンションが並び、同様の住環境を新たに供給しにくいことが、住宅地としてのブランドと希少性につながっています。高台の品格と、白金の低地側に残る日常の暮らしが共存していることも、高価格帯の買い手から長く選ばれてきた理由です。
白金台駅と白金高輪駅では南北線・都営三田線を利用でき、都心の業務地へ移動しやすい立地です。中古マンションの取引事例も継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。
白金一丁目では住宅・商業・生活施設を整備する再開発が進んでいます。高輪地区の人口も増加傾向にあり、住宅需要を支える層の広がりが見られます。
高輪エリア
高輪には、江戸の南の玄関口だった高輪大木戸や寺町の景観、高台の落ち着いた住宅地が残ります。同様の歴史や街並みを備えた住宅地を新たにつくりにくいことが、地域ブランドと供給の希少性につながっています。
品川駅、高輪ゲートウェイ駅、泉岳寺駅を利用でき、都心や空港へ移動しやすい立地です。中古マンションの取引事例も継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。
2026年3月にはTAKANAWA GATEWAY CITYが全面開業し、業務・商業・文化・居住機能が加わりました。高輪地区の人口も増加傾向にあります。歴史ある高台の住環境と、新しい交通・都市機能の両方を享受できることが、高輪の住宅需要と価格を支えています。
元麻布・南麻布エリア
元麻布・南麻布には、大名屋敷跡から大使館用地へ転じた場所が多く、庭付き住宅や寺社、各国の大使館、インターナショナルスクールが点在します。同様の低層住宅地と国際的な生活環境を新たにつくりにくいことが、地域ブランドと住宅供給の希少性につながっています。
地域によって麻布十番駅または広尾駅を利用でき、都心の業務・商業地へ移動しやすい立地です。元麻布・南麻布では中古マンションの取引事例も継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。
低層住宅地の街並みを保ちながら、周辺の六本木・麻布台で更新される商業・文化・医療機能を利用できる点も強みです。麻布地区では今後も人口増加が見込まれています。低層住宅地の静けさと国際的な教育・生活環境を備えていることが、国内外の高価格帯需要と価格を支えています。
麻布十番エリア
麻布十番は、江戸期から商いの町として発展し、戦後も商店主や住民によって再建されてきました。現在も約300年の歴史を持つ商店街に老舗と新しい飲食店が並び、周辺の高級住宅地から人が集まる生活拠点になっています。この組み合わせを新たにつくることは難しく、地域ブランドと希少性につながっています。
麻布十番駅では南北線と都営大江戸線を利用でき、六本木や都心の業務地へ移動しやすい立地です。中古マンションの取引事例も継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。
周辺には麻布台ヒルズなどの新しい商業・文化・医療機能が加わり、麻布地区では今後も人口増加が見込まれています。高級住宅地や国際的な都市機能に囲まれながら、地域に根づいた商店街の親しみやすさを残していることが、麻布十番の住宅需要と価格を支えています。
六本木・赤坂エリア
六本木・赤坂には、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、赤坂サカス、アークヒルズなどがあり、大使館、外資系企業、ホテル、文化施設、高価格帯住宅が集まっています。同様の国際的な機能集積を備えた住宅地を新たにつくりにくいことが、地域ブランドと住宅の希少性につながっています。
六本木駅、六本木一丁目駅、赤坂駅、赤坂見附駅などを使い分けられ、都心の主要な業務地へ移動しやすい立地です。中古マンションの取引事例も継続して確認できます。職住近接と国際的な生活環境を重視する経営者や外資系企業の駐在員などの需要を集めやすく、実際の売買市場でも選ばれています。
六本木五丁目西地区では新たな都市基盤と複合施設の整備が計画され、赤坂二・六丁目でも駅と一体となった開発が進んでいます。麻布地区と赤坂地区では今後も人口増加が見込まれています。国際的な業務・文化機能と高価格帯住宅が近接し、再開発によって街の機能が更新され続けていることが、住宅需要と価格を支えています。
芝浦・海岸エリア(田町・浜松町・竹芝周辺)
芝浦は、田町駅東口を中心とする住宅地から、浜松町駅に近い芝浦一丁目、海岸・竹芝方面へと水辺の街並みが続く湾岸エリアです。かつて工場や倉庫が集まっていた土地は、高層住宅と生活施設を備えた街へ転換してきました。
芝浦アイランドにはスーパー、クリニック、公園、子育て支援施設がそろい、運河沿いの遊歩道や船着場もあります。都心で同様の水辺の生活圏を新たにつくりにくいことが、地域の認知度と住宅の希少性につながっています。
田町駅・三田駅に加え、北側では浜松町駅・大門駅、海岸側では日の出駅・芝浦ふ頭駅も利用できます。新橋・汐留にも近く、都心の主要な業務地へ移動しやすい立地です。
中古マンションの取引事例も継続して確認でき、職住近接と生活利便性を重視する共働き世帯やファミリー層から、実際の売買市場で選ばれています。
田町側ではmsb Tamachiやみなとパーク芝浦が整備され、浜松町側では旧東芝ビルの建て替えによるBLUE FRONT SHIBAURAの開発が進んでいます。
浜松町・竹芝方面の都市更新とも連続し、芝浦港南地区では今後も人口増加が見込まれています。田町を中心とする住宅利便性に加え、浜松町・竹芝方面の都市更新と、運河・海辺の開放感を享受できることが、芝浦の住宅需要と価格を支えています。
港区の物件が向いている人
港区の高価格帯住宅は、都心立地、国際性、住宅地としてのブランドを重視する層から選ばれています。白金台・高輪の落ち着いた住環境、元麻布・南麻布・六本木・赤坂の国際的な生活環境、芝浦のタワーマンションなど、地域と物件タイプによって選ばれる理由は異なります。
購入価格の安さより、都心での暮らしや希少性、長期的な資産性を優先する人に向いています。
港区の物件を所有するうえでの注意点
港区の物件では、高価格帯特有の価格変動と、成約事例の条件差を押さえておきましょう。
- 高価格帯特有の価格変動
高価格帯の物件は購入できる層が限られ、価格変動が大きくなる場合があります。景気や金融環境の変化によって、売却期間が変わることもあります。 - 成約事例の条件差
「港区ならすぐ高く売れる」と考えず、立地・築年・広さの近い成約事例と比べることが欠かせません。平均価格を押し上げる超高額物件と所有物件を同列に扱わず、同じ駅勢圏、建物タイプ、面積帯の成約価格を確認する必要があります。
2位|千代田区
千代田区が資産価値を維持しやすい理由

千代田区は、官公庁・業務・商業・教育施設が集まり、住宅として利用できる地域が限られています。2026年地価公示の住宅地平均価格は1㎡あたり363.14万円で23区1位、2025年度の中古マンション平均成約㎡単価は2位でした。
番町には歴史ある邸宅地が広がり、教育レベルの高さで知られる公立校があります。麹町には、業務・商業・外交・住宅が近接する利便性があります。 複数駅から都心中枢へ移動しやすく、取引事例は少ないものの、中古マンションの成約は継続しています。
二番町では2024年7月に地区計画が変更され、日本テレビ跡地で麹町駅への動線や広場、歩行者ネットワークなどを整える計画が進んでいます。麹町区域では人口増加も見込まれています。住宅供給と中古流通が少ないなかでも、都心中枢に近い住宅地として継続的に買い手から選ばれていることが、千代田区の資産価値を支えています。
特に価格が落ちにくい地域
千代田区では、限られた住宅供給と都心への近さを背景に、番町・麹町が注目されます。
飯田橋周辺や、業務・商業用途が混在する神田周辺まで含めると、同じ千代田区内でも住環境は一様ではありません。
番町・麹町のファミリー向け住戸と、駅近の小型住戸では、買い手が重視する条件も異なります。町名、最寄り駅、専有面積、築年数の違いが、同じ千代田区内でも価格差につながります。
一番町・六番町エリア
「番町」の名は、江戸城を守る旗本の大番組が置かれたことに由来します。明治以降は政治家や官僚の邸宅、学校、大使館などが集まり、落ち着いた文化・教育環境を持つ住宅地として認知されてきました。同様の環境を備えたまとまった住宅用地を新たに確保しにくいことが、番町ブランドと住宅供給の希少性につながっています。
一番町では半蔵門駅、六番町では麹町駅・市ケ谷駅・四ツ谷駅などを利用でき、大手町や永田町をはじめとする都心中枢へ移動しやすい立地です。中古マンションの取引事例も継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。学校が集まる環境から、子どもの教育や居住地としての品格を重視するファミリー層の需要も集めやすい地域です。
一番町・六番町では地区計画により、建て替え時にも建物の高さや街並みに配慮し、良好な住環境を維持するまちづくりが進められています。麹町区域では今後も人口増加が見込まれています。都心中枢への近さと、教育・文化環境を備えた落ち着いた住宅地が、限られた供給のなかで維持されていることが、住宅需要と価格を支えています。
麹町エリア
麹町は、江戸期に甲州街道沿いの商人町として栄え、武家地だった番町と隣り合いながら発展してきました。明治以降は大使館や教育機関が置かれ、現在も業務・商業・教育・外交・住宅の機能が近接しています。住宅として供給される土地や住戸が限られることが、歴史ある都心住宅地としてのブランドと希少性につながっています。
麹町駅を中心に半蔵門駅や四ツ谷駅も利用でき、大手町・永田町・新宿方面へ移動しやすい立地です。中古マンションの取引事例も継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。職住近接を重視する都心勤務者や、住宅地の落ち着きと商業利便を両立したい層の需要を集めやすい地域です。
麹町駅に接する日本テレビ通り沿道では、駅前広場や歩行者空間、生活利便施設を整えるまちづくりが検討されています。麹町区域では今後も人口増加が見込まれています。都心業務地への近さと日常の商業利便を備えた複合市街地で、住宅供給が限られていることが、麹町の住宅需要と価格を支えています。
千代田区の物件が向いている人
千代田区の住宅は、都心への近さと希少性を優先したい人に向いています。番町・麹町では、教育環境や落ち着いた住環境を求め、高価格帯の住宅も選択肢にできるファミリー層からの需要があります。
大手町などの業務地に近い地域は、通勤時間を短縮したい都心勤務者にも選ばれます。広さや価格の抑えやすさより、居住地の希少性や職住近接を重視する層が中心となる市場です。
千代田区の物件を所有するうえでの注意点
千代田区では、取引事例の少なさが査定や売却判断に影響します。
- 取引事例の少なさ
2025年度の中古マンション成約件数は23区で最少で、中古戸建ても5件にとどまります。供給の少なさは希少性につながる一方、平均価格が一部の高額取引に左右されやすいため、高い価格水準と売りやすさは分けて判断しましょう。 - 査定根拠の確認
類似事例が少ない場合は、1件の成約価格だけを基準にせず、対象期間を広げ、隣接する住宅地の事例も参考にします。不動産会社がどの事例を採用し、物件ごとの差を査定額にどう反映したのかも確かめる必要があります。
3位|中央区
中央区が資産価値を維持しやすい理由

中央区は、東京駅・大手町・銀座・汐留などの業務・商業地に近く、地下鉄を利用しやすい区です。湾岸側では東京BRTも使えます。2026年の住宅地平均変動率は13.8%で、2025年度の中古マンションも平均成約㎡単価・価格上昇・成約件数の各指標で上位にあります。
日本橋周辺の商業・金融地、月島・佃の歴史ある街並みと成熟した水辺の住宅地、勝どき・晴海の計画的なマンション街では、それぞれ異なる住宅需要があります。
各地域で中古マンションの成約が続き、職住近接を求める都心勤務者から、広さや水辺の環境を重視するファミリー層まで選ばれています。
日本橋川沿い、月島三丁目、勝どき東地区では再開発が進んでいます。区全体で人口増加が続き、HARUMI FLAGのある晴海五丁目では新たな人口・世帯の流入が目立ちます。
住宅供給が多い一方、地域ごとに、駅への近さや眺望、歴史ある街並み、生活施設への近さなど、買い手が重視する条件を備えた物件は限られます。日本橋と湾岸部で都市機能と住宅が継続的に更新され、幅広い中古需要が形成されていることが、中央区の資産価値を支えています。
特に価格が落ちにくい地域
中央区では、月島・佃、勝どき、日本橋周辺、晴海が、それぞれ異なる背景から住宅地として評価されています。
同じ湾岸でも、駅距離、築年、総戸数、眺望、管理状況によって比較対象が変わります。
日本橋側の小規模・中規模マンションと、勝どき・晴海のタワーマンションでは、供給量や共用施設、管理費の構成も異なります。建物タイプと生活圏の違いは、買い手層や価格形成にも表れます。
月島・佃エリア
月島は、明治期の埋め立て後に形成された商店街や路地に、駅前再開発と高層住宅が重なる街です。
佃一丁目には旧佃島の神社や路地が残り、佃二丁目では1986年に起工した大川端リバーシティ21が、中央区を代表する高価格帯の水辺住宅地として定着しました。
歴史ある街並みと成熟した高層住宅地が隣り合う環境を新たにつくりにくいことが、地域ブランドと住宅の希少性につながっています。
月島駅では有楽町線と都営大江戸線を利用でき、有楽町や汐留などの業務・商業地へ移動しやすい立地です。月島・佃では中古マンションの取引事例も継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。
都心への通勤利便性と水辺の暮らしを重視する共働き世帯やファミリー層の需要を集めやすい地域です。
月島三丁目の北地区と南地区では市街地再開発が進み、住宅と生活機能の更新が続いています。月島地域では今後も人口増加が見込まれています。月島・旧佃島の歴史ある街並みと、リバーシティ21の成熟した高価格帯住宅地が、都心に近い水辺で共存していることが、月島・佃の住宅需要と価格を支えています。
勝どきエリア
勝どきは、2000年の都営大江戸線開通と、その後の大規模開発によってタワーマンションが集まった街です。
水辺の眺望や充実した共用施設を備えた大規模物件が並び、都心近接のタワーマンション街として認知されてきました。なかでも駅への近さ、開けた眺望、規模の大きさを兼ね備えた住戸は限られ、物件ごとの希少性につながっています。
勝どき駅から大江戸線を利用できるほか、東京BRTで新橋方面へ移動できます。勝どき駅周辺から銀座四丁目までは約2kmで、築地や銀座へ徒歩でも向かえる距離です。
中古マンションの取引事例も継続して確認でき、職住近接や共用施設の充実を重視する共働き世帯・ファミリー層から、実際の売買市場で選ばれています。
勝どき東地区では、住宅・商業施設・公共空間を一体的に整える再開発が続いています。月島地域では今後も人口増加が見込まれています。銀座・築地を日常圏にできる都心への近さと、水辺の眺望や生活機能を備えた大規模タワーマンションを選べることが、勝どきの住宅需要と価格を支えています。
日本橋周辺エリア(日本橋・人形町・浜町)
日本橋周辺は、江戸時代からの商業集積に、明治以降の兜町や日本銀行を中心とする金融機能が重なってきた地域です。
日本橋・室町に業務・商業施設が集まる一方、人形町には老舗や商店街、浜町には区内最大の区立公園があり、都心の日常生活を支えています。日本を代表する商業・金融地の近くで住宅として供給される土地や住戸が限られることが、地域ブランドと希少性につながっています。
日本橋駅、人形町駅、浜町駅、水天宮前駅など複数の駅・路線を利用でき、東京駅や大手町にも徒歩や地下鉄でアクセスしやすい立地です。
日本橋人形町などでは中古マンションの取引事例も継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。職住近接と歴史ある商店街での暮らしを重視する都心勤務者の需要も集めやすい地域です。
日本橋一丁目や室町一丁目では再開発が進み、日本橋川沿いの歩行者空間や水辺、商業・交流機能の整備が続いています。日本橋地域では今後も人口増加が見込まれています。東京駅・大手町に近い経済中枢でありながら、人形町の商店街や浜町公園を日常的に利用できることが、日本橋周辺の住宅需要と価格を支えています。
晴海エリア
晴海は、北側の晴海トリトンスクエア、運河沿いに住宅が並ぶ二・三丁目、HARUMI FLAGや晴海ふ頭公園のある五丁目まで、南北に広がる地域です。
大規模なタワーマンションだけでなく、板状の中高層マンションや小規模な低層マンション、既存住宅もあり、築年数や規模の異なる住宅を選べます。国際見本市や港湾機能を担った街から住宅地へ転換してきた歴史と、海に囲まれた立地が晴海の認知と希少性を形づくっています。
北側では勝どき駅や月島駅を利用でき、南側では東京BRTが晴海と新橋・虎ノ門方面を結んでいます。晴海ではタワーマンション以外も含めて中古マンションの取引事例が継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。
都心への近さに加え、住戸の広さや水辺の開放感、整った生活・教育環境を重視するファミリー層の需要を集めやすい地域です。
晴海五丁目では、東京2020大会の選手村跡地を活用したHARUMI FLAGに住宅、商業施設、学校、公園が一体的に整備され、2026年6月時点で約1万1,000人が居住しています。都心に近い水辺で、既存住宅から新しい計画住宅地まで、暮らし方に応じた住環境を選べることが、晴海の継続的な住宅需要と価格を支えています。
中央区の物件が向いている人
中央区の物件は、都心の業務地に近い場所で、通勤時間や日常の移動を短縮したい人に向いています。日本橋では職住近接、佃では歴史ある水辺とリバーシティの住環境、月島では商店街を含む生活圏が選ばれる理由です。勝どき・晴海では、大規模マンションの共用施設や計画的な街並みを重視する需要があります。同じ湾岸でも、街の成熟度と住宅の供給時期によって、買い手が求める価値は異なります。
中央区の物件を所有するうえでの注意点
中央区の物件では、マンション同士の競合と、湾岸部の災害リスクが主な注意点です。
- 新築・中古マンションとの競合
住宅供給が多い時期には、近隣マンションや同じ棟内の住戸が競合することがあります。売出中の類似住戸だけでなく、階数、向き、眺望、室内状態、修繕計画、管理費・修繕積立金まで比較する必要があります。 - 湾岸部の災害リスクと供給状況
水害や液状化のリスクは、所在地ごとにハザードマップで確かめる必要があります。再開発や新しい住宅供給には、地域の認知を高める面がある一方、売却時の競合を増やす可能性もあります。
4位|渋谷区
渋谷区が資産価値を維持しやすい理由

渋谷区は、巨大ターミナルの渋谷駅を中心に鉄道網が広がり、都心の業務・商業地へ移動しやすい区です。2026年の住宅地平均価格は23区4位、2025年度の中古マンション平均成約㎡単価と中古戸建て平均成約価格はいずれも3位で、高価格帯での成約が確認できます。
恵比寿の外食・文化、代官山の低層建築と店舗、広尾の国際的な教育・医療環境、松濤・神山町の静かな邸宅地など、区内には個性の異なる住宅地があります。
各地域で中古マンションの成約が続き、街の文化や住環境まで含めて居住地を選ぶ買い手から支持されてきました。
渋谷駅周辺では、駅改良と複数の再開発が続いています。人口は長期的に増加してきており、区の推計では2040年ごろまで増える見通しです。
一方、駅周辺では商業・業務利用と競合し、成熟した低層住宅地でも供給できる土地や住戸は限られます。個性の異なる住宅地ブランドと、渋谷駅周辺の継続的な再開発が共存していることが、渋谷区の資産価値を支えています。
特に価格が落ちにくい地域
渋谷区では、交通・生活利便性、住宅地ブランド、再開発など、地域ごとに異なる強みがあります。
同じ最寄り駅でも、幹線道路沿いか住宅街側か、駅までの高低差があるかによって住環境は変わります。マンションでは住戸の広さと建物管理、戸建てでは土地形状と接道が価格形成に影響し、同じエリアでも物件差が生じます。
恵比寿エリア
恵比寿は、明治期のビール醸造場と駅を起点に発展し、1994年の恵比寿ガーデンプレイス開業後は、上質な飲食・文化と住宅が近接する大人の街として認知されてきました。
駅周辺のにぎわいから少し離れると、恵比寿南や恵比寿西などに落ち着いた住宅街が広がります。商業・業務機能が集まる駅近くで住宅供給が限られることも、希少性につながっています。
JR山手線・埼京線・湘南新宿ラインと東京メトロ日比谷線を利用でき、渋谷・新宿・六本木などへ乗り換えなしで移動できます。恵比寿駅周辺では中古マンションの成約事例も継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。
上質な外食や文化を日常的に楽しみながら、渋谷ほど繁華ではない落ち着きと、恵比寿に住むことがもたらす洗練やステータスを求める層の需要があります。
恵比寿ガーデンプレイスでは商業施設の刷新や醸造施設の開業など、街の核となる施設の更新が続いています。開業後、恵比寿を含む周辺人口は約1.3倍に増えました。
ビールに由来する固有の歴史とガーデンプレイスが育てた洗練を、外食・文化と静かな住宅地の両方で享受できることが、恵比寿の地域ブランドと中古住宅価格を支えています。
代官山エリア
代官山は、旧山手通り沿いのヒルサイドテラスをはじめ、低層の建築、個性的な店舗、住宅が近い距離で共存する街です。
猿楽町の旧朝倉家住宅は大正期の邸宅文化を伝え、鉢山町や南平台町へ続く一帯にも、大きな敷地や庭の緑を持つ住宅が残ります。こうした邸宅地の名残に、建築・ファッション・食などへの感度が表れた小規模な店が重なり、代官山らしい街並みをつくっています。
東急東横線で渋谷駅まで一駅で、恵比寿や中目黒も徒歩圏にあります。代官山駅周辺では中古マンションの成約事例が継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。
都心への近さだけでなく、建築や文化への感度と、低層住宅地の静けさを大切にする層から指名される地域です。
地域主体のルールや景観形成が続き、低層住宅や中古住宅の供給が限られる一方、代官山アドレスの再開発や2023年に開業したフォレストゲート代官山など、街の規模に配慮した更新も進んでいます。
渋谷区全体でも23万人規模の人口が続き、周辺の居住・就業人口が地域の商業と住宅需要を支えています。渋谷・恵比寿・中目黒に囲まれながら、邸宅地の緑、低層建築、個性的な店舗がつくる街並みが守られていることが、代官山の中古住宅価格を支えています。
広尾エリア
広尾四丁目には、広尾ガーデンヒルズをはじめとする成熟した大規模住宅、日本赤十字社医療センター、大学やインターナショナルスクールが集まり、まとまった緑のある住環境が形成されています。
一方、五丁目には広尾散歩通りの商店街と低・中層住宅があり、日常の買い物や飲食を身近に済ませられます。広尾駅を挟む南麻布側の大使館や有栖川宮記念公園も生活圏となり、区境を越えて国際的な住宅地として認知されています。
東京メトロ日比谷線で六本木・霞ケ関・銀座方面へ乗り換えなしで移動でき、広尾四丁目へは渋谷駅・恵比寿駅からのバスも利用できます。
広尾一~五丁目では中古マンションの成約事例が継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。国際的な教育環境や医療施設への近さ、落ち着いた住環境を重視する国内外のファミリー層から需要があります。
四丁目では日本赤十字社広尾地区の再整備によって医療施設と住宅が更新され、五丁目では地区計画により商店街と住宅地が共存する街並みが維持されています。
四丁目だけでも4,000人を超える居住人口があり、地域内に定住需要の基盤があります。広尾四丁目の成熟した大規模住宅地と、国際的な生活環境、五丁目の商店街が一つの生活圏をつくっていることが、限られた住宅供給に対する中古需要と価格を支えています。
松濤・神山町エリア
松濤は、紀州徳川家の下屋敷や鍋島家の茶園を経て、大正期に大区画の住宅地として造成されました。鍋島松濤公園や松濤美術館、戸栗美術館があり、邸宅や低層マンションが並ぶ街並みが、文化的な高級住宅地としての認知を形づくっています。
神山町は代々木公園側へ続く低層住宅地で、奥渋谷の個性的な飲食店や店舗を日常圏にできることが特徴です。
渋谷駅まで徒歩で移動でき、松濤では京王井の頭線神泉駅、神山町では東京メトロ千代田線代々木公園駅や小田急線代々木八幡駅も利用できます。
松濤・神山町では中古マンションの成約事例が限られながらも継続して確認でき、実際の売買市場でも選ばれています。タワーマンションの共用施設よりも、プライバシー、静けさ、ゆとりある住戸や敷地を重視する高価格帯の需要が中心です。
松濤の玄関口では、東急百貨店本店跡地とBunkamuraを一体的に更新するShibuya Upper West Projectが進み、2029年度の竣工が予定されています。
町域自体の居住人口は小規模ですが、渋谷区全体では23万人規模の人口が続き、渋谷駅周辺の就業・来街人口も背後需要となります。
巨大ターミナルと文化施設の近くに、大区画の邸宅地と代々木公園につながる静かな低層住宅地が残っていることが、限られた住宅供給に対する需要と価格を支えています。
渋谷区の物件が向いている人
渋谷区の物件は、都心アクセスに加え、街の文化や景観、住宅地としての認知まで含めて居住地を選びたい人に向いています。
恵比寿・代官山・広尾の高価格帯住宅は、生活利便性と街の雰囲気を重視する実需層に選ばれています。渋谷駅周辺では、業務・商業機能への近さを求める層の需要が見込まれます。
高級住宅、ファミリー向け住戸、小型の投資向け住戸では、それぞれ買い手と価格を支える条件が異なります。
渋谷区の物件を所有するうえでの注意点
渋谷区では、住宅タイプと買い手層によって参照すべき相場が変わります。
- 住宅タイプによる相場の違い
高級住宅、小型の投資向け住戸、ファミリー向けマンション、戸建てでは相場が異なります。平均価格が高くても条件の近い取引が少ない場合があるため、専有面積や土地面積までそろえて比較する必要があります。 - 実需と投資需要の違い
投資向け住戸では賃料や利回り、実需向け住戸では間取りや住環境が重視されます。所有物件がどの買い手層に選ばれるかを整理すると、比較すべき相場を絞りやすくなります。
5位|文京区
文京区が資産価値を維持しやすい理由

文京区は、大学・学校・病院が集まり、複数の地下鉄路線で都心へ移動しやすい文教住宅地です。
2026年地価公示では住宅地平均価格が23区5位、平均変動率は13.8%でした。中古マンションの平均成約㎡単価も5位で、地価と中古住宅価格の双方が上位にあります。
小石川には教育施設と植物園、本郷には大学・病院・医療産業、本駒込・大和郷には六義園と低層住宅地があり、それぞれ異なる住環境が形成されています。
各地域で中古マンションの成約が続き、通勤・通学のしやすさと落ち着いた環境を重視するファミリー層などから選ばれてきました。
春日・後楽園駅前の再開発は2023年に完成し、本郷では大学・病院の集積を生かすまちづくりが検討され、本駒込では環状第4号線の整備が進んでいます。
2030年度に向けて人口増加が見込まれる一方、教育・医療施設に近い住宅や、歴史ある低層住宅地の住戸は限られます。教育・医療環境と落ち着いた住環境を重視する需要が継続していることが、文京区の資産価値を支えています。
特に価格が落ちにくい地域
文京区では、都心アクセスに加え、教育・医療環境や緑、落ち着いた住環境を備えた次の地域が注目されます。
低層住宅地、駅前・幹線道路沿いのマンション、小型住戸では、同じ区内でも買い手層が変わります。
複数の地下鉄駅を利用できるか、日常の買い物動線がどうなるかも、実際の居住性に関わります。町名が同じでも、駅までの経路や坂の有無によって徒歩時の負担に差が生じます。
小石川エリア
小石川は、一丁目の春日・後楽園駅前から、教育施設が集まる四丁目、茗荷谷駅や小石川植物園に近い五丁目まで広がる地域です。
小石川植物園は約16ヘクタールに及ぶ歴史ある研究・教育施設で、そのまとまった緑と台地上の住宅街が落ち着いた景観を形づくっています。東京学芸大学附属竹早小・中学校などもあり、都心で教育環境と緑の両方を得られることが、小石川の文教住宅地としての認知と希少性につながっています。
一丁目では後楽園駅の丸ノ内線・南北線と春日駅の三田線・大江戸線、四・五丁目では茗荷谷駅の丸ノ内線を利用できます。
小石川では中古マンションの成約事例が継続して確認でき、築年数や規模の異なる住戸が実際の売買市場で選ばれています。都心への通勤と子どもの通学、落ち着いた住環境を両立したいファミリー層からの需要が中心です。
一丁目では春日・後楽園駅前の再開発が2023年に完成し、住宅、商業・業務施設、歩行者空間が整備されました。
文京区では2030年度に向けて人口増加が見込まれており、生活利便性と教育環境を重視する住宅需要の背景になります。春日・後楽園の駅前利便性と、茗荷谷側の教育施設・植物園・静かな住宅街を同じ地域内で選べることが、小石川の中古住宅価格を支えています。
本郷エリア
本郷は、東京大学本郷キャンパスと附属病院を核に、教育・研究・医療機関と医療機器関連企業が集まる地域です。
明治以降は学生向けの下宿や旅館が並び、坪内逍遙や樋口一葉、石川啄木ら多くの文人が暮らしました。菊坂周辺には路地や旧居跡が残る一方、大学や病院が大きな面積を占めるため、その近くで供給される住宅は限られます。
本郷三丁目駅で丸ノ内線と大江戸線を利用でき、一・二丁目では水道橋駅、四丁目では春日駅も使いやすい立地です。本郷では中古マンションの成約事例も継続して確認でき、築年数や規模の異なる住戸が実際の売買市場で選ばれています。
大学・病院への通勤通学に加え、都心アクセスと文教環境を重視する層からの需要があります。
東京大学本郷キャンパス地区では将来のまちづくりが検討され、本郷三丁目から御茶ノ水にかけては、大学・病院と医療関連企業の集積を生かした都市機能の更新が進められています。
文京区では2030年度に向けて人口増加も見込まれています。大学・病院・医療産業が集まる知的基盤と、文人が暮らした歴史ある住宅街が都心で隣り合っていることが、本郷の継続的な中古需要と価格を支えています。
本駒込・大和郷エリア
本駒込は、一・二丁目の寺町から六義園周辺まで、歴史と緑を受け継ぐ住宅地です。なかでも六丁目の大和郷は、大正期に岩崎家が六義園を囲むように開発し、当時の街区と風格ある低層住宅地を残しています。
区の都市計画でも住環境を保全する方針が示されており、まとまった土地や住宅の供給は限られます。
町内では南北線の本駒込駅、JR山手線・南北線の駒込駅、三田線の千石駅を地域に応じて利用できます。
本駒込では中古マンションの成約事例が継続して確認でき、高価格帯を含む住戸が実際の売買市場で選ばれています。都心への通勤や通学のしやすさに加え、六義園の緑と静かな住環境を重視する層からの需要があります。
本駒込二丁目から六丁目では、環状第4号線の拡幅により、歩行者・自転車の利便性と防災性を高める整備が進んでいます。一方、大規模な住宅再開発が続く地域ではなく、文京区では2030年度に向けて人口増加が見込まれています。六義園に隣接する歴史ある低層住宅地を、複数路線が使える都心で得られる希少性が、本駒込・大和郷の中古需要と価格を支えています。
文京区の物件が向いている人
文京区の物件は、都心への近さだけでなく、教育・医療環境と落ち着いた住環境を優先するファミリー層に向いています。
本郷の教育・医療施設への近さ、小石川の緑、本駒込・大和郷の風格ある低層住宅地など、地域ごとに選ばれる理由が異なります。短期的な話題性より、子育てや通学、長く暮らしやすい環境を重視する層からの需要が見込まれます。
文京区の物件を所有するうえでの注意点
文京区では、坂や道路といった立地条件と、建物ごとの状態が価格差につながります。
- 坂と駅までの移動条件
文京区は坂が多く、地図上の距離だけでは駅への移動負担が分からない場所があります。最寄り駅、実際の徒歩経路、高低差を確認しましょう。 - 道路・建物ごとの条件
戸建てでは接道や擁壁、マンションでは管理状態や修繕計画が価格に影響します。幹線道路沿いでは騒音や日照、住宅街では道路幅や建築規制を確認し、不動産会社に査定額への反映方法まで説明を求めると、区平均との違いを把握しやすくなります。
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6位|目黒区
目黒区が資産価値を維持しやすい理由

目黒区は、東急東横線を軸に日比谷線・大井町線などを利用でき、渋谷をはじめとする都心の業務地だけでなく、横浜など神奈川県方面へも移動しやすい区です。
2021年に23区全体の住宅地平均変動率がマイナスだった局面でもプラスを維持し、2025年度は中古マンション平均成約㎡単価が6位、中古戸建て平均成約価格が4位でした。
中目黒には目黒川と商業・文化、自由が丘には専門店と住宅地、都立大学・碑文谷周辺には緑と低層の街並みがあり、地域ごとに異なる住宅地ブランドが形成されています。
各地域で中古マンションの成約が続き、戸建ても含め、利便性を求める層と静かな住環境を求めるファミリー層の双方から選ばれています。
中目黒駅前では再開発の都市計画手続きが進み、自由が丘駅周辺では再開発と歩行環境の整備が進んでいます。
区の人口は2042年まで増加する見通しです。一方、駅近では商業地と競合し、低層住宅地では大規模な住宅供給が限られます。都心へ移動しやすく、個性の異なる住宅地ブランドがマンション・戸建て双方の需要を集めていることが、目黒区の資産価値を支えています。
特に価格が落ちにくい地域
目黒区では、駅周辺の利便性を備えた地域と、低層住宅地として評価される地域の双方が見られます。
駅周辺の利便性を優先する買い手と、静かな住環境や土地の広さを優先する買い手では、比較する地域が異なります。同じ沿線でも、駅距離と住宅タイプの違いによって買い手層や価格形成が変わります。
中目黒エリア
中目黒は、東横線の開通や目黒川の改修、商店街の形成を経て発展してきた街です。目黒川沿いには飲食店やショップ、オフィスが集まり、ファッション、デザイン、音楽などに関わる人や企業も街の文化を形づくってきました。
水辺の景観に商業と創造的な仕事が重なることが、中目黒のブランドになっています。
中目黒駅では東横線と日比谷線を利用でき、渋谷へ近いだけでなく、日比谷線の始発駅として都心の業務地へ乗り換えずに移動できます。
上目黒・中目黒では中古マンションの成約事例が継続して確認でき、高価格帯を含む住戸が実際の売買市場で選ばれています。交通や外食の利便性に加え、目黒川と街の創造的な空気を日常に求める需要がある一方、駅や川に近い住宅の供給は限られます。
駅前北地区では市街地再開発の都市計画手続きが進み、駅周辺では目黒川沿いを含む歩行・滞在環境の整備も計画されています。目黒区の人口は住民基本台帳ベースで2042年まで増加が見込まれ、住宅需要の背景になります。
渋谷・都心への交通と、目黒川沿いの景観、創造的な仕事や文化が一体になった暮らしをほかの街で置き換えにくいことが、中目黒の中古需要と価格を支えています。
自由が丘エリア
自由が丘は、昭和初期の鉄道開通をきっかけに商店と住宅が増え、自由教育を掲げた学園の名称が地名にもつながった街です。
舞踊家の石井漠をはじめ、早くから移り住んだ文化人が駅名の採用にも関わりました。個性的な専門店を巡れる駅前と、その周辺の落ち着いた住宅地が一体となり、自由が丘らしい文化とブランドを築いています。
自由が丘駅では東横線と大井町線を利用でき、渋谷・横浜方面と大井町・二子玉川方面へ移動できます。自由が丘では中古マンションの成約事例が継続して確認でき、高価格帯を含む住戸が実際の売買市場で選ばれています。
買い物や外食を身近に楽しみながら静かに暮らしたい層から需要がある一方、駅近では商業地と競合し、周辺には低層住宅地も広がるため、条件のよい住宅の供給は限られます。
一丁目29番地区では商業・業務・住宅を備えた再開発が進み、東地区でも駅前広場や歩行空間を整備する計画が進行しています。目黒区の人口は住民基本台帳ベースで2042年まで増加が見込まれています。2路線が交わる駅前商業地と静かな住宅地を、固有の歴史と街名のブランドが結びつけていることが、自由が丘の継続的な中古需要と価格を支えています。
都立大学周辺エリア(八雲・柿の木坂)
都立大学駅は、1927年に柿ノ木坂駅として開業し、旧制府立高等学校の移転後に現在につながる駅名へ変わりました。大学の移転跡地には、ホール、図書館、体育館、公園からなる「めぐろ区民キャンパス」が整備されています。
その北側の八雲・柿の木坂には戸建てや低層マンションが並び、教育・文化施設と緑を身近にした落ち着いた住宅地を形成しています。
都立大学駅から東横線で渋谷方面へ移動でき、隣の自由が丘駅では大井町線に乗り換えられます。駅周辺の平町と八雲・柿の木坂では中古マンションの成約事例が継続して確認され、築年数や広さの異なる住戸が実際の売買市場で選ばれています。
華やかな商業性より、通勤のしやすさと住戸の広さ、静けさを重視するファミリー層を中心に需要があります。
駅高架下には商店街とつながる商業施設が整備され、八雲の自由通り沿道では地区計画により緑とゆとりある街並みの維持が図られています。低層住宅地が広いため大規模マンションを供給できる場所は限られ、目黒区の人口は住民基本台帳ベースで2042年まで増加する見通しです。
東横線の都心アクセスと、旧大学跡地の文化・公共施設、低層住宅地の静けさが一つの生活圏にそろうことが、この地域の中古需要と価格を支えています。
碑文谷エリア
碑文谷は昭和初期まで農村風景が残り、戦後に住宅地として発展した地域です。碑文谷公園の池、すずめのお宿緑地公園の竹林と古民家、碑文谷八幡宮や円融寺の社寺林など、地域の成り立ちを伝える緑が点在しています。こうした緑と低層の街並みが、碑文谷という住宅地の落ち着いた印象を形づくっています。
町内の位置に応じて東横線の学芸大学駅または都立大学駅を利用でき、駅周辺の商店街も日常の生活圏になります。
碑文谷では中古マンションの成約事例が継続して確認され、築年数や広さの異なる住戸が実際の売買市場で選ばれています。都心への通勤に加え、子育て環境や住戸の広さ、緑の近さを重視するファミリー層を中心に需要があります。
学芸大学駅周辺では歩行環境の整備が進められ、碑文谷公園でも公民連携による施設・空間の魅力向上が検討されています。
低層住宅地が広がるため大規模マンションの供給余地は限られ、目黒区の人口は住民基本台帳ベースで2042年まで増加する見通しです。学芸大学・都立大学の生活圏に接しながら、池、竹林、古民家、社寺の緑が住宅地の中に残ることが、碑文谷の中古需要と価格を支えています。
目黒区の物件が向いている人
目黒区の物件は、都心アクセスと、商業地に近すぎない住宅環境の両方を求める人に向いています。中目黒・自由が丘は、街の雰囲気や駅周辺の利便性を重視し、高価格帯の住宅も選択肢にできる実需層から選ばれています。
都立大学・八雲・柿の木坂・碑文谷では、低層住宅地の落ち着きや土地の広さを求めるファミリー層の需要が見込まれます。マンションでも戸建てでも、立地と住環境のバランスが選択理由になりやすい区です。
目黒区の物件を所有するうえでの注意点
目黒区では、駅周辺と低層住宅地の相場差に加え、物件種別ごとの条件が価格に影響します。
- 駅周辺と低層住宅地の相場差
駅に近いマンションと、駅から離れた低層住宅地の戸建てでは、評価軸が異なります。物件種別と最寄り駅をそろえ、駅徒歩、坂、接道、用途地域が近い成約事例と比較する必要があります。 - 物件種別ごとの個別条件
戸建てでは前面道路や土地形状、マンションでは眺望や管理状態が価格に影響します。駅から離れていても住環境や土地条件が評価される場合があるため、駅徒歩だけで価格を判断しないことが大切です。
7位|品川区
品川区が資産価値を維持しやすい理由

品川区には、大崎・五反田・大井町など、都心・横浜・臨海部へ路線が広がる複数の交通拠点があります。2026年の住宅地平均変動率は13.9%で23区3位、2025年度の中古マンションは平均成約㎡単価7位、成約件数6位でした。価格水準と取引量の両面で上位にあります。
大崎にはオフィスと住宅が一体となった再開発街区、大井町には行政・商業・文化機能、五反田周辺には駅前の業務地と池田山・島津山・御殿山の高台住宅地があります。
各地域で中古マンションの成約が続き、職住近接を求める共働き世帯から、静かな住環境を重視する高価格帯の買い手まで選ばれています。
大崎・五反田では再開発が続き、大井町ではOIMACHI TRACKSが開業して新庁舎の整備も進んでいます。区の人口は2041年まで増加する見通しです。
新たな住宅供給がある一方、交通拠点や都市機能に近い大規模マンションと、高台の落ち着いた住宅は限られます。複数の交通拠点と、大崎・大井町などで続く都市機能の更新が住宅需要を広げていることが、品川区の資産価値を支えています。
特に価格が落ちにくい地域
品川区では、品川駅周辺とは異なる交通拠点と生活圏を持つ、大崎、大井町、五反田周辺(池田山・島津山・御殿山)が注目されます。
内陸の低層住宅地まで含めると、品川区内の住宅タイプは幅広くなります。駅前の大規模マンションと低層住宅地では、買い手が比較する物件や災害リスクの捉え方も異なり、生活圏ごとに相場が形成されます。
大崎エリア
大崎は、明治から大正期に鉄道と水運を背景に工場が集まり、その跡地の再開発によって業務・商業・住宅の複合拠点へ変化した地域です。
大崎ニューシティ以降、複数の再開発街区が駅を囲み、オフィスとタワーマンション、広場や目黒川沿いの空間が歩行者デッキで結ばれてきました。この計画的な街並みが、職住近接型の街としての認知を形づくっています。
大崎駅では山手線、埼京線、湘南新宿ライン、りんかい線、相鉄線直通列車を利用でき、都心だけでなく横浜・臨海部方面へも移動しやすい立地です。
大崎では中古マンションの成約事例が継続して確認され、駅周辺の大規模物件を含む住戸が実際の売買市場で選ばれています。交通時間を短縮し、オフィスや生活施設の近くで暮らしたい共働き世帯などからの需要があります。
駅東口第4地区や西口周辺では現在も再開発が進み、業務・商業・住宅機能と歩行者空間の更新が続いています。住宅戸数は増えているものの、駅や業務・商業施設とデッキで結ばれた大規模住宅は限られた街区に集中します。
品川区では2041年まで人口増加が見込まれており、山手線の交通結節点で、再開発されたオフィスと住宅が徒歩動線まで一体化していることが、大崎の中古需要と価格を支えています。
大井町エリア
大井町は、鉄道の開通後、品川区の交通・商業・行政・文化機能が集まる中心拠点として発展してきました。駅周辺には大型商業施設と複数の商店街、区役所、総合区民会館などがまとまり、日常の買い物から行政手続き、文化活動まで地域内で完結しやすい街です。
新しい複合施設と既存の商店街が共存することも、大井町の生活拠点としての認知につながっています。
大井町駅ではJR京浜東北線、りんかい線、東急大井町線を利用でき、東京・品川方面、渋谷・新宿方面、臨海部、城南の住宅地へ移動できます。
大井では中古マンションの成約事例が継続して確認され、高価格帯を含む住戸が実際の売買市場で選ばれています。通勤先が異なる共働き世帯や、交通だけでなく買い物・行政・文化施設への近さを重視する世帯からの需要があります。
広町地区では2026年3月に、商業、映画館、オフィス、ホテル、住宅、公園を備えたOIMACHI TRACKSが開業しました。隣接地では品川区の新総合庁舎も建設中で、駅周辺の歩行者ネットワークや防災機能の更新が続きます。
新たな住宅供給は加わったものの、3路線の駅と区の中心機能に直結する大規模住宅の立地は限られます。品川区では2041年まで人口増加が見込まれており、3路線と行政・商業・文化機能が集まり、新旧の街が一つの生活圏をつくることが、大井町の中古需要と価格を支えています。
五反田エリア(池田山・島津山・御殿山)
五反田駅周辺は商業・業務・住宅が混在しますが、東五反田の高台には旧大名家の下屋敷に由来する池田山・島津山があります。池田山には池田山公園、島津山には旧島津公爵邸を受け継ぐ建築と緑が残ります。北品川側の御殿山も、江戸期の品川御殿や明治以降の邸宅地に由来し、これらの高台は歴史ある邸宅地として認知されてきました。
五反田駅では山手線、都営浅草線、東急池上線を利用でき、池田山・島津山から駅前の交通・商業機能へアクセスできます。御殿山側では品川駅、大崎駅、北品川駅も利用圏になります。
東五反田と北品川では中古マンションの成約事例が継続して確認され、高価格帯の住戸も実際の売買市場で選ばれています。都心アクセスに加え、広い住戸や敷地、プライバシー、緑を重視する層からの需要があります。
東五反田二丁目では現在も住宅や業務施設を含む再開発が進み、駅周辺の都市機能と歩行者空間の更新が続いています。一方、高台では公園や学校、寺社、大区画の住宅が街並みを構成し、同じ条件の住宅をまとまって供給できる場所は限られます。
品川区では2041年まで人口増加が見込まれており、五反田・品川・大崎の交通拠点に近接しながら、旧大名屋敷の緑と大区画を受け継ぐ高台住宅地が残ることが、この地域の中古需要と価格を支えています。
品川区の物件が向いている人
品川区の物件は、大崎・五反田・大井町などの交通拠点を利用し、都心や臨海部の業務地へ通勤する人に向いています。
大崎では再開発されたタワーマンション、大井町では駅周辺の生活利便性、五反田駅周辺では交通と業務機能が主な選択理由です。池田山・島津山は、高台の静けさや邸宅地の街並みを重視する層から選ばれ、五反田駅前とは異なる住宅市場を形成しています。
品川区の物件を所有するうえでの注意点
品川区では、再開発・交通計画の進捗と、湾岸・内陸の違いに注意が必要です。
- 再開発・交通計画の時期
都市更新やリニア中央新幹線計画によって利便性が変わる可能性はありますが、計画・工事・開業の時期には幅があります。対象物件からの距離、完成時期、新たな住宅供給の規模を確認する必要があります。 - 湾岸・内陸による条件差
湾岸と内陸、タワーマンションと低層住宅、幹線道路沿いと住宅街では、需要や災害リスクが異なります。再開発による利便性の向上だけでなく、工事期間中の住環境や、完成後に競合物件が増える可能性も価格に影響します。
8位|江東区
江東区が資産価値を維持しやすい理由

江東区は、地下鉄やりんかい線などで都心・副都心へ移動しやすく、湾岸部を中心に大規模な中古マンション市場が形成されています。
2025年度の成約件数は1,900件で23区最多、平均成約㎡単価は129.71万円で10位でした。2026年地価公示の住宅地平均変動率も11.9%と、23区平均の9.0%を上回っています。
豊洲には成熟した生活機能、有明には国際交流・スポーツ施設、東雲には住宅を中心に設計された街区があります。一方、清澄白河・門前仲町・森下周辺には、門前町や庭園・文化施設を含む深川の暮らしが残ります。それぞれで中古マンションの成約が続き、都心へ通勤する共働き世帯やファミリー層を中心に幅広い実需があります。
湾岸部では有楽町線延伸の工事や段階的な街づくりが進み、深川側では門前仲町駅前の歩行環境などが検討されています。区の人口と世帯数は増加を続け、2029年までさらに増える見通しです。
住宅供給も多い一方、地域ごとに、駅距離や眺望、水辺・公園・生活施設への近さなど、買い手が重視する条件を備えた住戸は限られます。湾岸部を中心に比較できる成約事例が蓄積され、活発な中古マンション需要が続いていることが、江東区の資産価値を支えています。
注:東日本REINSは、2025年1月以降のシステム改修が成約件数に影響した可能性を注記しています。
特に価格が落ちにくい地域
豊洲・有明・東雲はいずれも計画的に開発された湾岸住宅地ですが、交通、生活施設、街の成熟度、住宅の供給時期は同じではありません。清澄白河・門前仲町・森下は、湾岸3地域とは異なる深川の街並みと住宅市場を持ちます。
豊洲エリア
豊洲は、造船所などがあった広い土地を、住宅、業務、商業、学校、病院、公園へ計画的に転換してきた地域です。
2000年代以降、大型商業施設や豊洲公園、学校、病院、豊洲シビックセンターなどが段階的に整い、湾岸部のなかでも日常生活の機能が成熟した街になりました。水辺の遊歩道と公園を身近にできることも、豊洲の住宅地としての認知を形づくっています。
豊洲駅では有楽町線とゆりかもめを利用でき、有楽町・永田町方面と臨海部へ移動できます。タワーマンションを中心に中古成約が続き、多数の取引事例が蓄積されているため、棟や住戸条件を比較しやすい市場も形成されています。
供給戸数は多いものの、駅、水辺、商業・教育・医療施設への近さを兼ね備えた住戸は限られ、職住近接と子育て環境を求める共働き世帯やファミリー層から選ばれてきました。
有楽町線の豊洲―住吉間では2030年代半ばの開業を目指して工事が始まり、豊洲駅でもホーム増設を含む改良が進められています。
豊洲1〜6丁目には約4万人が暮らし、生活サービスと中古住宅市場を支える人口基盤があります。都心へ通いやすく、商業・教育・医療・行政・水辺の機能が成熟した生活圏と、比較可能な中古流通の厚みを併せ持つことが、豊洲の中古需要と価格を支えています。
有明エリア
有明は臨海副都心の一角にあり、北側にはタワーマンションを中心とする住宅地、南側には東京ビッグサイトをはじめとする業務・国際交流施設が計画的に整備されてきました。
大規模商業施設に加え、有明テニスの森公園や有明アリーナなども近く、日常生活の場にスポーツ、イベント、水辺の開放感が重なることが地域の特徴です。
国際展示場駅からはりんかい線で大崎・渋谷・新宿方面へ直通でき、有明駅、有明テニスの森駅などからはゆりかもめで豊洲・新橋方面へ移動できます。
有明1・2丁目では2000年代以降に供給された大規模マンションを中心に中古成約が続いており、比較的新しい建物、広い歩行者空間、公園や商業施設への近さを求めるファミリー層から選ばれてきました。
有明北地区では今後も段階的な開発が予定され、有明親水海浜公園でも水辺と飲食・交流機能を結ぶ整備が進められています。有明には約1万4,000人が暮らし、住宅地としての人口基盤も形成されました。
住宅は計画上限られた街区に集まり、駅、水辺、公園、商業施設への近さを兼ね備える住戸には供給上の限りがあります。副都心へ直通できる交通と、国際交流・スポーツ施設、水辺、公園が一体となった計画都市で、比較的新しい大規模住宅を選べることが、有明の中古需要と価格を支えています。
東雲エリア
東雲は、工場・倉庫があった土地を住宅中心の街へ転換した地域です。約16ヘクタールの東雲キャナルコートでは、中央に高さを抑えたUR賃貸住宅と店舗、クリニック、子育て施設などを配置し、その周囲にタワーマンションを整備しました。街区を結ぶS字アベニューや辰巳運河沿いの空間まで一体的に設計され、湾岸部では珍しい、住宅を中心にまとまりのある街並みを形成しています。
東雲駅からはりんかい線で大崎・渋谷・新宿方面へ直通でき、辰巳運河を渡れば辰巳駅から有楽町線も利用できます。豊洲と有明にも隣接し、買い物や余暇の選択肢を周辺地域まで広げられます。東雲1丁目ではタワーマンションを中心に中古成約が続いており、都心への通勤に加え、街区内の歩行者空間や日常の買い物、子育て環境を重視するファミリー層から選ばれてきました。
キャナルコートの大規模な整備は一巡していますが、東雲一丁目地区では地区計画により、歩行者ネットワーク、水辺空間、商業・生活支援機能を備えた住環境が維持されています。東雲1・2丁目には約2万5,500人が暮らし、中古住宅と生活サービスを支える人口基盤があります。キャナルコート内で同規模の住宅街区を新たに供給できる土地は限られます。
2路線で都心・副都心へ移動でき、運河、店舗、生活支援施設を住宅と一体的に設計した街区がすでに成熟していることが、東雲の中古需要と価格を支えています。
一方、東雲駅のマンション相場は上昇しているものの、周辺の湾岸エリアと比べると上昇率は低く、今後は築年、駅距離、管理・修繕状況による物件差が表れやすい点に注意が必要です。
深川エリア(清澄白河・門前仲町・森下周辺)
清澄白河・門前仲町・森下は、大江戸線沿いに連なる深川の既成市街地ですが、それぞれ異なる魅力を持ちます。
清澄白河には、深川の寺町や清澄庭園、倉庫を転用したロースタリーやギャラリーがあり、木場公園と東京都現代美術館も生活圏です。
門前仲町は、富岡八幡宮と深川不動堂の門前町として栄え、商店や飲食店が集まります。森下は、新大橋通り周辺の商業機能を使いながら、路地に入ると低中層住宅が広がる、都心に近い生活住宅地です。
清澄白河駅では半蔵門線と大江戸線、門前仲町駅では東西線と大江戸線、森下駅では新宿線と大江戸線を利用できます。大手町・日本橋・新宿・六本木方面へ移動しやすく、勤務地の異なる共働き世帯にも対応しやすい交通網です。
各駅周辺では中古マンションの成約が続いており、都心通勤と日常の買い物を重視する層から、庭園、文化施設、門前町の個性を好む層まで、幅広い実需に選ばれてきました。
白河・三好地区では集合住宅の建て替えとオープンスペースの整備が完了し、現在は歴史・文化、水辺・緑、既存建物のリノベーションを生かすまちづくりが進められています。
門前仲町駅前では、市街地再開発の検討を受け、江東区が駅前広場や歩行者空間を含むまちづくり方針を策定中です。清澄・白河・三好・森下・門前仲町・富岡には約3万8,000人が暮らしています。
寺社、庭園、公園、既存の商店街や住宅地が広がるため、駅や地域資源に近い住宅をまとまって供給できる土地は限られます。3つの2路線駅による都心アクセスと、門前町、庭園・アート、落ち着いた住宅地という異なる魅力が近接し、幅広い実需を継続的に受け止められることが、この地域の中古需要と価格を支えています。
江東区の物件が向いている人
江東区の物件は、都心へ通勤しながら、子育て環境や日常の買い物、公園への近さを重視するファミリー層に向いています。計画的な湾岸住宅地を望む人には豊洲・有明・東雲、深川の生活環境と都心アクセスを両立したい人には清澄白河・門前仲町・森下が選択肢になります。
江東区の物件を所有するうえでの注意点
江東区では、住宅供給の多さによる競合と、湾岸部の災害リスクに注意が必要です。
- 供給量とマンションごとの競合
湾岸部では、新築供給や大規模物件の売出時期によって競合状況が変わります。同じ地域や同じ駅を利用する物件でも、築年、駅距離、眺望、総戸数、共用施設、管理組合の運営、長期修繕計画、修繕積立金は棟ごとに異なります。 - 水害・液状化への備え
水害や液状化のリスクは、所在地だけでなく、建物側の対策によっても異なります。ハザードマップ上の想定に加え、住戸階、受変電設備の位置、防災計画も確認したい点です。
江東区、とくに湾岸部は住宅の供給量が多いため、地域全体の人気や価格推移だけでは売却価格を判断できません。中古流通が活発だからこそ、同じ時期に比較される物件も多く、マンションごとの差が価格に表れやすい市場です。
9位|世田谷区
世田谷区が資産価値を維持しやすい理由

世田谷区は、田園都市線・小田急線・京王線などから渋谷・新宿方面へ移動でき、マンションと戸建ての双方に厚い中古市場があります。2025年度の中古戸建て成約件数は538件で23区最多、中古マンションも1,721件で2位でした。
二子玉川には商業と多摩川、三軒茶屋には商店街と文化、駒沢・深沢には大規模公園、用賀・桜新町には計画的な住宅地、成城には学園都市としての街並みがあります。
駅前マンションから低層住宅地の戸建てまで選択肢があり、広さや教育・子育て環境を重視するファミリー層を中心に継続的な実需があります。
二子玉川では再開発後も水辺・歩行環境の整備が続き、三軒茶屋や成城学園前でも地域特性を生かすまちづくりが検討されています。
世田谷・砧地域では人口増加、玉川地域では22万人規模の維持が見込まれています。一方、公園や緑に近い住宅や、低層の街並みを備えた住宅地では、新たな大量供給が難しい状況です。ファミリー需要を中心に、マンションと戸建ての双方で中古流通に厚みがあることが、世田谷区の資産価値を支えています。
特に価格が落ちにくい地域
世田谷区はエリアが広く、駅周辺の利便性を重視する地域から、公園や街並みを含む住環境が評価される低層住宅地まで、注目地域の性格もさまざまです。
駅前のマンション、低層住宅地のマンション、土地面積の大きい戸建てでは、検討する買い手層も価格の決まり方も変わります。
二子玉川の駅近マンションと成城の戸建てでは、相場を形成する条件が異なります。沿線、駅徒歩、住宅タイプに加え、戸建てでは土地面積と道路条件、マンションでは築年と管理状態が価格差につながります。
二子玉川エリア
二子玉川は、多摩川と国分寺崖線の緑に挟まれた自然環境と、駅周辺の大型商業施設が近接する街です。駅東側では再開発により、住宅、商業、業務、文化施設、二子玉川公園が一体的に整備されました。
駅西側には長く地域の拠点となってきた商業施設や商店街があり、日常の買い物から休日の余暇まで駅周辺で完結しやすい広域生活拠点として認知されています。
二子玉川駅では田園都市線と大井町線を利用でき、渋谷方面と大井町方面へ移動できます。玉川ではタワーマンションから既存の中低層マンションまで中古成約が続き、2025年にも高価格帯の取引事例が確認されています。都心へ通勤しながら、買い物の利便性、広い住戸、子育て環境、川沿いで過ごせる余暇を求めるファミリー層を中心に、継続的な需要があります。
駅東側の大規模再開発は完了しましたが、駅周辺では2025年度から2029年度まで、水辺空間の保全と回遊性の向上を目的とする都市再生整備計画が続きます。玉川1〜4丁目には約1万2,100人が暮らし、広域の玉川地域でも2030年代前半まで約22万6,000人の人口規模が維持される見通しです。
国分寺崖線から多摩川までの一帯は風致地区に指定され、自然的景観を守る建築規制があるため、駅、商業施設、水辺、緑への近さを兼ね備えた住宅を新たに大量供給することは容易ではありません。2路線の結節点に大規模商業と多摩川・国分寺崖線の自然が隣接する、代替しにくい広域生活拠点であることが、二子玉川の中古需要と価格を支えています。
三軒茶屋エリア
三軒茶屋は、大山道の分岐点にあった三軒の茶屋を起点に発展し、現在も複数の商店街や「三角地帯」に小規模な飲食店が集まる街です。
キャロットタワーには世田谷パブリックシアターがあり、「三茶de大道芸」では街全体が舞台になります。日常の買い物や外食と演劇・音楽などの文化が住宅地の近くに根づいていることが、三軒茶屋の親しみやすさと地域ブランドを形づくっています。
三軒茶屋駅では田園都市線と世田谷線を利用でき、田園都市線の急行では渋谷から2駅です。三軒茶屋と太子堂では中古マンションの成約が継続し、中古戸建ての取引事例も確認されています。
駅近くのマンションを求める単身・共働き世帯から、周辺の低中層マンションや戸建てを選ぶファミリー層まで、都心アクセスと街のにぎわいを重視する幅広い買い手に選ばれてきました。
駅周辺ではキャロットタワーを中心とする再開発が完了し、現在は「三茶のミライ」に基づき、大規模再開発に限らない手法で防災性、歩行環境、地域の回遊性を高める検討が続いています。
三軒茶屋を含む世田谷地域の人口は、2023年の約25万2,000人から2033年には約25万9,000人へ増える見通しです。駅周辺は商店街や細かな街路、既存住宅が密集し、駅近くでまとまった住宅用地を確保しにくいことも供給の希少性につながります。田園都市線による渋谷近接と世田谷線による区内移動に、商店街、個人店、劇場文化、住宅地が重なり、異なる世帯の実需を受け止められることが、三軒茶屋の中古需要と価格を支えています。
駒沢・深沢エリア
駒沢オリンピック公園は、1964年東京オリンピックの第2会場を受け継ぐ約41ヘクタールの運動公園です。陸上競技場や体育館、球技場、テニスコートなどが緑のなかに集まり、散歩や運動を日常に取り込めます。
公園の西側に広がる深沢には呑川緑道もあり、駒沢から深沢にかけて低中層マンションや戸建てを中心とする落ち着いた住宅地が続いています。
駒沢側では駒沢大学駅から田園都市線で渋谷方面へ移動でき、深沢側では渋谷・自由が丘・等々力方面へのバスを利用できます。
駒沢・深沢では中古マンションの成約が続き、深沢では中古戸建ても継続して取引されています。都心へ通勤しながら、散歩や運動、子育て、ペットとの暮らしを重視する世帯から、公園に近い住宅が選ばれてきました。
公園では体育館の大規模改修が完了し、陸上競技場を含む施設の維持更新も計画されています。駒沢側を含む世田谷地域では2033年まで人口増加が見込まれ、深沢側を含む玉川地域でも約22万6,000人の人口規模が維持される見通しです。
公園に面する土地は限られ、周辺は既成住宅地のため、同じ条件の住宅を新たに大量供給することは容易ではありません。渋谷へ通いやすく、広大な運動公園と駒沢・深沢の落ち着いた住宅地を日常生活のなかで使えることが、この地域の中古需要と価格を支えています。
用賀・桜新町エリア
桜新町は、大正期に道路や生活基盤を計画して分譲された「新町住宅地」を起点に、時間をかけて形成された住宅地です。環状道路と桜並木のある街並みに、商店街や「サザエさん通り」、長谷川町子美術館が重なり、落ち着きと親しみやすさを併せ持つ街として認知されています。
用賀には碁盤状の住宅地と駅前の商業・業務施設があり、用賀プロムナードが砧公園や世田谷美術館へつないでいます。
用賀駅と桜新町駅は田園都市線で渋谷方面へ直結し、半蔵門線への直通運転によって都心の業務地にも移動しやすい立地です。
両地域では中古マンションの成約が続き、戸建ても取引されています。都心へ通勤しながら、日常の買い物、子育て、静かな住環境を重視する世帯から、駅徒歩圏のマンションと周辺の戸建てが選ばれてきました。
用賀では、民間再開発で整備された世田谷ビジネススクエアが駅前の商業・業務機能を支え、桜新町では旧新町住宅地の桜並木を守り育てる活動が続いています。両地域を含む玉川地域は、2033年にも約22万6,000人の人口規模を維持する見通しです。
駅周辺には既存の住宅や商店が集まり、駅に近く、落ち着いた街並みや緑も得られる住宅を新たに大量供給することは容易ではありません。桜新町の計画住宅地としての街並みと文化、用賀の駅前機能と砧公園への近さを、都心アクセスと両立できることが、中古需要と価格を支えています。
成城エリア
成城は、1925年の成城学園移転と一体で開発された学園都市です。分譲当初から生垣や植栽で景観を整え、ゆとりある敷地の戸建てが並ぶ住宅地が形成されました。教育者や文化人、芸術家が暮らしてきた歴史も、教育・文化と結び付いた住宅地としての認知を育てています。
成城学園前駅には小田急線の急行などが停車し、新宿方面に加えて千代田線直通列車も利用できます。駅には商業施設が直結し、路線バスも周辺地域を結んでいます。
成城では中古マンションと中古戸建ての成約が続いており、都心へ通勤しながら、広い住戸や敷地、教育環境、静かな街並みを求める世帯から選ばれてきました。
駅周辺では、商店の連続性や街の活性化を課題として、地区計画などのルールを見直す検討が進められています。
住宅地では成城憲章と地区街づくり計画により、低層の街並みや緑、敷地規模を維持する取り組みが続いています。成城を含む砧地域の人口は、2023年の約16万4,000人から2033年には約16万7,000人へ増える見通しです。
大きな敷地を保った住宅は供給が限られ、街並みに調和したマンションを建てられる場所も多くありません。学園都市として培われた文化と知名度に、緑とゆとりのある低層住宅地を守る仕組みが伴っていることが、成城の中古需要と価格を支えています。
世田谷区の物件が向いている人
世田谷区の物件は、都心への通勤だけでなく、住戸や土地の広さ、子育て環境、街の落ち着きを重視するファミリー層に向いています。
二子玉川・三軒茶屋では駅周辺の利便性、用賀・桜新町では計画的な住宅地としての暮らしやすさ、駒沢・深沢では緑や運動施設を日常的に利用できる環境が選ばれる理由です。成城の高価格帯の戸建ては、広い土地と保たれた街並みに価値を置く層から検討され、駅前マンションとは異なる市場を形成しています。
世田谷区の物件を所有するうえでの注意点
世田谷区では、沿線・駅距離と戸建ての土地条件が価格差につながります。
- 沿線・駅距離による価格差
世田谷区は面積が広く、利用する沿線や駅からの距離が価格に表れやすい地域です。所有物件の価格を考える際は、区全体の平均よりも、沿線・駅距離・土地条件が近い成約事例との比較が重要です。 - 戸建ての土地条件
戸建ての価格には、土地面積だけでなく、接道、間口、形状、用途地域、私道負担、再建築の可否が影響します。また、流通量の多さと地価上昇率の高さは別の指標です。平均成約価格を見るときも、土地や建物の規模が近い物件同士で比べる必要があります。
10位|新宿区
新宿区が資産価値を維持しやすい理由

新宿区は、JR・地下鉄・私鉄の多数の路線を利用でき、都心各所へ移動しやすい区です。2025年度の中古マンションは平均成約㎡単価8位、成約件数5位、中古戸建ては平均成約価格7位で、価格水準と中古流通の両面で上位にあります。
神楽坂には商店街と歴史ある路地、四谷・市ヶ谷には外濠の緑や教育・官公庁施設に近い住宅地があります。
各地域で中古マンションの成約が続き、都心への通勤時間を抑えながら、買い物や外食、落ち着いた住環境も求める単身・共働き・ファミリー世帯から選ばれてきました。
四谷駅前では再開発が完成し、飯田橋駅前では歩行者動線や防災性を高める基盤整備の手法が検討されています。
区の人口は2040年ごろまで増加する見通しです。一方、駅周辺には業務・商業施設、学校、寺社、既存住宅が集まり、駅に近い静かな住宅や、歴史ある街並み・外濠の緑に近い住宅をまとまって供給できる場所は限られます。都心各所へ移動しやすく、多様な買い手に支えられた中古マンション流通が続いていることが、新宿区の資産価値を支えています。
特に価格が落ちにくい地域
新宿区では、都心アクセスと落ち着いた住環境を兼ね備えた神楽坂、四谷、市ヶ谷が注目されます。
神楽坂エリア
神楽坂は、毘沙門天善國寺の門前町から、明治・大正期には花街を持つ繁華街として発展した街です。神楽坂通りの商店や飲食店から一本入ると、石畳や黒塀の路地、寺社、住宅が残ります。
表通りのにぎわいと路地の静けさが近接し、文豪や芸術家にも親しまれてきた歴史が、ほかの都心住宅地とは異なる地域ブランドを形づくっています。
地域の位置に応じて、飯田橋駅のJR中央・総武線と地下鉄4路線、東西線の神楽坂駅、大江戸線の牛込神楽坂駅を利用できます。神楽坂や矢来町などでは中古マンションの成約が続いています。
都心への通勤時間を抑えながら、日常の買い物や外食、散策を徒歩圏で楽しみ、幹線道路から入った静かな住環境も求める単身・共働き世帯やファミリー層から選ばれてきました。
神楽坂通りでは、建て替え時にも商店街の連続性や歴史的な景観を生かす地区計画が運用されています。飯田橋駅前では、駅への動線や歩行者空間、防災性を高める基盤整備と再開発の検討も続いています。
新宿区の人口は2040年ごろまで増加する見通しです。細かな街路に店舗、寺社、既存住宅が集まるため、駅に近く路地の風情も得られる住宅を新たに大量供給することは容易ではありません。
複数路線を使える都心立地で、商店街の利便性と花街の面影を残す路地の住環境を日常にできることが、神楽坂の中古需要と価格を支えています。
四谷・市ヶ谷エリア
四谷は、江戸城外濠と甲州街道を軸に武家屋敷や寺町が形成され、現在は四ツ谷駅周辺の業務・商業地と斜面に広がる住宅地が近接しています。外濠の緑や迎賓館、四谷見附橋がつくる景観も地域の認知を支えています。
市ヶ谷では、大名屋敷の敷地を受け継いだ台地上に学校や官公庁、住宅が集まり、市谷砂土原町などには幹線道路から離れた中低層マンションと邸宅地の落ち着きが残ります。
四ツ谷駅ではJR中央線・中央総武線と丸ノ内線・南北線、市ケ谷駅ではJR中央総武線と有楽町線・南北線・都営新宿線を利用できます。
四谷や四谷三栄町、市谷砂土原町、市谷仲之町などでは中古マンションの成約が続き、市谷砂土原町では広い高価格帯住戸も取引されています。都心各所へ短時間で移動しながら、外濠の緑、教育環境、幹線道路から入った静けさを求める単身・共働き世帯やファミリー層から選ばれてきました。
四谷駅前では市街地再開発によりコモレ四谷が整備され、業務・商業機能に広場や緑の歩行空間が加わりました。周辺では外濠の景観や後背の住宅地との調和を図るまちづくりが続いています。
四谷地域は2045年にも約4万1,000人の人口規模を保ち、市ヶ谷の一部を含む箪笥町地域は2020年の約4万1,000人から2045年には約4万4,000人へ増える見通しです。駅周辺には業務・商業施設、学校、寺社、既存住宅が集まり、台地上のまとまった住宅用地も限られます。四谷の更新された駅前機能と、市ヶ谷の外濠・台地上の住環境を、複数路線の都心アクセスと両立できることが、中古需要と価格を支えています。
新宿区の物件が向いている人
新宿区の物件は、都心での通勤や移動のしやすさを重視する人に向いています。なかでも神楽坂・四谷・市ヶ谷では、都心アクセスと落ち着いた住環境を両立したい層の需要が見込まれます。
新宿区の物件を所有するうえでの注意点
新宿区では、商業地と住宅地の市場差に加え、建物や接道の条件によっても価格が変わります。
- 商業地と住宅地の市場差
新宿駅周辺の商業地と区内の住宅地では、価格を支える条件が異なります。タワーマンション、低層マンション、投資向け小型住戸、戸建てでは買い手層も異なるため、同じ物件タイプで、騒音、道路、駅距離などの条件が近い成約事例との比較が必要です。 - 建物・道路の個別条件
同じ駅徒歩でも、大通りに面しているか、住宅街側に入っているかで住環境は変わります。マンションでは管理費や修繕積立金、戸建てでは接道や再建築の条件も価格に影響します。
ランキング外でも資産価値が上がりやすい7つの注目エリア
ここまでのベスト10は区単位の総合評価ですが、区の順位とは別に、駅周辺の整備や再開発によって住環境が変わりつつある地域もあります。ここでは、交通の使いやすさや駅前の回遊性、生活利便性、住宅供給に変化が見込まれる7エリアを取り上げます。
7エリアは、すでに新しい施設や駅前空間が使われている地域から、都市計画や事業化の準備段階にある地域まで、進捗が異なります。再開発だけで将来の価格が決まるわけではありませんが、交通や生活環境の変化によって、住宅地としての利便性や選ばれ方が変わる可能性があります。
注目エリア①|中野駅周辺
中野駅周辺は、中野サンモールや中野ブロードウェイを中心とする商業地と、周辺の住宅地が近接する街です。
漫画・アニメなどの専門店が集まる文化に、中野四季の都市のオフィス、大学、公園が加わり、従来の商店街と新しい業務・教育機能が共存しています。この新旧の重なりが、一般的な駅前再開発エリアとは異なる中野の認知を形づくっています。
中野駅ではJR中央線快速・中央総武線と東京メトロ東西線を利用でき、新宿や大手町方面へ移動しやすい立地です。中野駅を最寄りとする中古マンションは、築年数や広さの異なる住戸が継続して成約しています。
都心への通勤時間を抑えつつ、買い物や外食、文化施設を徒歩圏で利用したい単身・共働き世帯から、駅周辺の教育・公園環境も重視するファミリー層まで、幅広い実需があります。
中野二丁目・三丁目・四丁目では段階的なまちづくりが進み、2026年12月には駅西側の南北通路、橋上駅舎、西改札、駅前広場が供用を開始し、駅ビルも開業する予定です。新北口駅前エリアは事業計画を見直していますが、駅南北の移動改善は具体化しています。
中野を含む区中部の人口は、2026年の約10万4,000人から2036年には約12万5,000人へ増える見通しです。再開発による新築供給が加わる一方、駅に近く既存商店街と新しい都市機能の双方を使える住宅は限られます。中央線の都心アクセスと中野固有の商業・文化に、駅の南北を結ぶ新しい動線が加わることが、中古需要を広げ、駅周辺住宅の評価を押し上げる背景になります。
出典:中野区「中野駅周辺エリアマネジメントビジョン」、中野区「中野駅周辺まちづくり」、中野区「中野駅西側に新たな玄関口が誕生」、中野区「中野区統計書2026」、国土交通省「不動産情報ライブラリ」
注目エリア②|池袋西口
池袋西口は、駅前の商業地から東京芸術劇場と野外劇場を備えた池袋西口公園、立教大学、自由学園明日館へと文化・教育施設が続く地域です。
大規模商業施設やサブカルチャー施設が集まる東口とは異なり、舞台芸術や音楽、大学のある文教環境と、その先の西池袋の住宅地が近接しています。この文化・教育と暮らしの連続性が、西口独自の認知を形づくっています。
池袋駅ではJR、東京メトロ3路線、東武東上線、西武池袋線を利用でき、都内各所から埼玉方面まで広域に移動できます。西池袋では築年数や広さの異なる中古マンションの成約が続いています。
交通時間を抑えながら商業・文化施設を日常使いしたい単身・共働き世帯に加え、駅前のにぎわいから少し離れ、立教大学周辺の落ち着きも得たい世帯から選ばれてきました。
池袋駅西口地区では2024年11月に市街地再開発事業などの都市計画が決定され、2026年度は事業計画策定に向けた基本設計などの事業化準備が進められています。
駅前広場や歩行者空間、東西自由通路につながる動線が整えば、駅から東京芸術劇場、立教大学、周辺住宅地への回遊性も高まります。豊島区の人口は2025年の約29万5,000人から2044年には約31万3,000人まで増える見通しです。
駅直近は商業・業務利用と競合し、文化施設に近く落ち着いた住環境も得られる住宅は西池袋側の限られた範囲にあります。巨大ターミナルの交通力に、西口固有の文化・教育環境と再開発による歩行者動線の改善が重なることが、中古需要を広げ、周辺住宅の評価を高める背景になります。
出典:豊島区「池袋駅西口地区に係る都市計画の決定・変更」、豊島区「令和8年度予算特集」、豊島区「文化・観光・イベント・祭り」、豊島区「池袋西口公園」、豊島区「基本構想・基本計画」、国土交通省「不動産情報ライブラリ」
注目エリア③|葛西
葛西は、1969年の東京メトロ東西線開通後、都心へ通勤する世帯の住宅地として発展した地域です。駅周辺にはスーパーや商店、医療・教育施設が集まり、南側には総合レクリエーション公園や葛西臨海・海浜公園、地域内には古川親水公園などが整備されています。
日常生活の利便性と、子どもが遊べる公園や水辺の環境を併せ持つことが、葛西の住宅地としての認知を形づくっています。
葛西駅から東西線で日本橋・大手町方面へ乗り換えずに移動でき、駅からは葛西臨海公園駅方面などへの路線バスも利用できます。
中葛西や東葛西、南葛西では、築年数や面積の異なるファミリー向け中古マンションの成約が継続しており、比較できる取引事例も蓄積されています。都心へ通勤しながら、住戸の広さ、買い物のしやすさ、公園を使った子育て環境を重視する世帯が需要の中心です。
葛西駅前では2026年度に駅前広場の整備工事が予定され、葛西臨海公園では2028年9月の開業に向けて新しい水族園と樹木の広場「共生の杜」の整備が進んでいます。葛西地区には2026年4月時点で約25万7,000人、約13万5,000世帯が暮らしており、区内最大の居住人口が中古市場の土台になります。
マンション供給が多い地域だからこそ、駅徒歩圏で十分な広さがあり、公園や生活施設にも近い住戸は条件が限られます。東西線の都心アクセスに、実用的な生活環境と大規模な公園・水辺を日常使いできることが継続的な実需を生み、都市施設の更新とともに住宅評価を支える背景になります。
出典:江戸川区「葛西地区の紹介」、江戸川区「都市計画マスタープラン」、江戸川区「令和8年度工事予定箇所図」、東京都建設局「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業に関するよくある質問」、国土交通省「不動産情報ライブラリ」
注目エリア④|北千住
北千住は、江戸時代に日光街道・奥州街道の最初の宿場「千住宿」として栄えた街です。旧日光街道沿いには商店街や路地、商家・蔵の面影が残り、駅前の大型商業施設や飲食店街と共存しています。
東京藝術大学など5大学の学生が行き交い、古民家を生かした店舗やアート活動も加わることで、宿場町の歴史を更新し続ける街としての認知が形成されています。
北千住駅にはJR常磐線、東京メトロ千代田線・日比谷線、東武スカイツリーライン、つくばエクスプレスの5路線が集まり、大手町・日比谷方面から埼玉・茨城方面まで広く移動できます。
駅周辺では単身向けからファミリー向けまで中古マンションの成約が続き、千住では中古戸建ても取引されています。交通と買い物の利便性を重視する単身・共働き世帯に加え、商店街の近くで広さを確保したいファミリー層まで、異なる買い手が市場を支えています。
東口の千住旭町では、2026年2月に市街地再開発事業などの都市計画案が縦覧されました。計画には店舗・住宅・宿泊施設のほか、駅に接続する歩行者デッキや水害時の避難にも使える空間が盛り込まれています。千住一帯には約10万5,000人、約5万6,000世帯が暮らしており、既存の居住・賃貸需要も厚い地域です。駅直近は商業利用と競合し、周辺には細かな街路と既存の商店・住宅が集まるため、駅に近いまとまった住宅用地は限られます。5路線の広域交通に、宿場町の商店街・大学・アートがつくる街の厚みと、東口再開発による駅前機能の改善が重なることが、中古需要を広げ、周辺住宅の評価を高める背景になります。
出典:足立区「北千住駅東口周辺地区のまちづくり」、足立区「北千住駅東口周辺地区関連の都市計画案」、足立区「千住宿開宿400年記念特集」、足立区「穴場な街NO.1 千住」、国土交通省「不動産情報ライブラリ」
注目エリア⑤|十条
十条は、十条銀座や十条富士見銀座などの商店街と住宅地が近接する街です。食料品や総菜、日用品を扱う店舗が連なり、駅から自宅へ歩く間に日々の買い物を済ませられます。大型商業施設だけでは代替しにくい、商店街が暮らしに組み込まれた街並みが十条の認知を形づくっています。
十条駅からはJR埼京線で池袋・新宿・渋谷方面へ乗り換えずに移動でき、地域の東側では東十条駅の京浜東北線も利用できます。
上十条・十条仲原・中十条では中古マンションと中古戸建ての成約が続いています。都心へ通勤しながら、駅前の買い物環境や住宅の広さ、生活感のある街を重視する単身・共働き・ファミリー世帯から選ばれてきた理由があります。
西口では2024年10月に住宅・商業・公益機能を備えた再開発ビルが竣工し、駅前の新たな比較事例となる住宅供給が加わりました。
さらに、埼京線約1.5kmの高架化と6か所の踏切除却、周辺道路の整備が進められています。上十条2~5丁目・十条仲原などの十条地域には約1万世帯、約1万7,000人が暮らす一方、商店街と既成住宅が集まり、再開発街区以外で駅に近いまとまった住宅用地は限られます。埼京線の都心アクセスと生活密着型の商店街に、駅前再開発と鉄道・道路の更新が重なることが、中古需要を広げ、周辺住宅の評価を高める背景になります。
出典:北区「十条銀座商店街・十条富士見銀座商店街」、北区「十条駅西口地区第一種市街地再開発事業」、北区「十条駅西口地区第一種市街地再開発事業における地域商業連携に関わる基本協定書」、北区「JR埼京線(十条駅付近)連続立体交差事業及び都市計画道路事業」、北区「令和7年度版 北区行政資料集」、国土交通省「不動産情報ライブラリ」
注目エリア⑥|王子
王子は、江戸時代から桜の名所として親しまれてきた飛鳥山と、音無親水公園・石神井川の水辺が駅前に広がる街です。
渋沢栄一ゆかりの建築や博物館が残る一方、区役所、北とぴあ、商店街なども集まり、歴史・自然・行政・日常生活が近い範囲にまとまっています。この環境が、一般的な駅前商業地とは異なる王子の認知を形づくっています。
王子駅ではJR京浜東北線、東京メトロ南北線、東京さくらトラムを利用でき、東京・品川方面と飯田橋・六本木一丁目方面へ乗り換えずに移動できます。王子・王子本町・滝野川周辺では中古マンションの成約が続き、中古戸建ても取引されています。
都心へ通勤しながら、駅前の生活施設と公園・水辺の近さ、マンション・戸建ての選択肢を重視する単身・共働き・ファミリー世帯から選ばれてきた理由があります。
駅前では北区新庁舎と、住宅・商業・業務・宿泊機能などを備える東西2地区の開発が検討されています。3路線を結ぶ縦動線、南口駅前広場、デッキ、石神井川沿いの広場も計画され、2026年度の都市計画決定が予定されています。
王子1~6丁目などを含む王子東地区の人口は2015年の約7万7,000人から2025年の約8万4,000人へ増えました。新たな住宅供給が比較事例を増やす一方、駅周辺は鉄道・河川・幹線道路・公共施設・商業地が集まり、既存の駅近住宅は限られます。3路線の交通と飛鳥山・石神井川の環境に、新庁舎と民間開発による駅前動線の改善が加わることが、中古需要を広げ、周辺住宅の評価を高める背景になります。
出典:北区「王子のまちの成り立ち」、北区「飛鳥山公園」、北区「石神井川の維持管理」、北区「王子駅周辺まちづくりだより」、北区「令和7年度版 北区行政資料集」、国土交通省「不動産情報ライブラリ」
注目エリア⑦|大井町
大井町は、駅前の大型商業施設、区役所、きゅりあんなどの行政・文化機能と、東小路をはじめとする飲食店街や路地が共存する街です。
日常の買い物や行政手続きを駅周辺で済ませられる一方、個人店が集まる街並みも残り、大規模な駅前拠点と生活感のある商業地を行き来できることが大井町の認知を形づくっています。
JR京浜東北線、東急大井町線、りんかい線を利用でき、品川へ1駅で移動できるほか、東京・横浜方面、渋谷・新宿・臨海部、自由が丘・二子玉川方面へ交通網が広がります。大井・東大井・南品川周辺では中古マンションの成約が厚く、中古戸建ても取引されています。
品川・大崎・臨海部へ通勤しながら、交通、買い物、飲食の利便性を一か所で確保したい単身・共働き・ファミリー世帯から選ばれてきた理由があります。
2026年3月には駅直結の「OIMACHI TRACKS」が開業し、オフィス、商業、ホテル、住宅、映画館、広場が加わりました。隣接地では品川区新庁舎の整備が進み、東口第一地区は都市計画決定、西口E地区では再開発準備組合が活動しています。大井地区の人口は2014年の約9万2,000人から2025年の約10万6,000人へ増えました。駅周辺は鉄道・公共施設・商業地が占め、OIMACHI TRACKSの住宅も賃貸・SOHO・サービスレジデンスが中心のため、駅近の分譲住宅は限られます。3路線と品川近接の交通、行政・商業・路地が共存する生活環境に、駅直結開発と周辺整備が重なることが、中古需要を支え、周辺住宅の評価を高める背景になります。
出典:品川区「大井町駅周辺地区のまちづくり」、品川区「広町地区のまちづくり」、品川区「大井町駅東口第一地区第一種市街地再開発事業」、OIMACHI TRACKS「プレスリリース」、品川区「令和7年 品川区の統計・人口」、品川区「人口のあらまし」、国土交通省「不動産情報ライブラリ」
同じ地域でも資産価値は大きく変わる
ランキング上位の区にある物件でも、すべてが同じ値動きをするわけではありません。地域の傾向から個別物件の価格へ絞り込むには、マンションと戸建てを分け、それぞれの価格に影響する条件を見る必要があります。

マンションは建物と住戸の条件で価格が変わる
マンションの価格には、専有部分の条件だけでなく、建物全体の管理状態や維持費、同じ棟や周辺で売り出される住戸の状況も影響します。主な条件は次のとおりです。
- 築年数と耐震性
- 最寄り駅と駅徒歩
- 専有面積、間取り、階数、方角、眺望
- 管理状態、長期修繕計画、修繕履歴
- 管理費・修繕積立金と将来の負担
- 総戸数、共用施設、建物タイプ
- 同じ棟や近隣にある類似住戸の成約事例
- 水害、液状化、地震火災などの災害リスク
地域の相場が上昇していても、建物の維持管理や住戸条件が近隣物件より見劣りすれば、同じように価格が動くとは限りません。反対に、築年数が経過していても、修繕や管理が適切で、駅距離などの条件が合えば買い手の比較対象になります。
同じマンション内でも、階数や向き、眺望、室内の状態によって価格は異なります。所有住戸の価格を考える際は、区の平均価格よりも、同じ棟や近隣にある条件の近い住戸の成約事例が参考になります。
A・B住戸で見る価格差が生じる条件
同じマンションでも、住戸ごとの条件によって売却価格は変わります。次の表は、マンション、専有面積、間取りが同じA住戸とB住戸を比較した架空の例です。
| 条件 | A住戸 | B住戸 |
| マンション | 同じ | 同じ |
| 専有面積・間取り | 同じ | 同じ |
| 階数 | 高層階 | 低層階 |
| 方角・眺望 | 日照を確保しやすく、眺望が開けている | 前面建物の影響を受ける |
| 室内の状態 | 修繕の必要が少ない | 修繕が必要な箇所がある |
| 売却時の評価 | 相対的に高く評価されやすい | A住戸より評価が下がる可能性がある |
この例が示すのは具体的な差額ではなく、同じマンション内でも住戸条件によって価格差が生じるということです。階数や方角が価格へ与える影響は、建物の立地や周辺環境、市況によっても変わります。
実際の価格を考えるときは、まず同じ棟の成約事例を確認し、成約時期、専有面積、間取り、階数、方角、眺望、室内状態などの違いを踏まえて比較します。同じ棟に参考事例がなければ、近隣にある築年数や規模の近いマンションまで対象を広げます。
戸建ては土地の条件が価格を左右する
戸建てでは、建物の築年数や状態に加え、土地をどのように利用できるかが価格を左右します。主な条件は次のとおりです。
- 土地面積、間口、形状、方位
- 接している道路の幅と接道状況
- 用途地域、建ぺい率、容積率
- 再建築の可否、セットバック、私道負担
- 建物の築年、構造、修繕状態
- 最寄り駅、周辺環境、災害リスク
建物は築年数とともに評価が変わりますが、土地は接道や形状、建築規制によって利用方法が左右されます。そのため、同じ地域で土地面積が同程度でも、建て替えや売却のしやすさに差が生じます。
同じ地域にある戸建てでも、整形地か旗竿地か、前面道路の幅や接道状況がどうなっているかによって、建て替えや土地活用のしやすさが変わります。土地・建物面積が異なる物件の総額だけを比べても、資産価値の差は判断できません。
地域ランキングを自宅の売却判断に生かすには
ランキングで自宅のある区が上位に入っていると、「自分の物件も高く売れるのでは」と期待するかもしれません。しかし、ランキングが示すのは区全体の傾向であり、個別物件の売却価格ではありません。
高価格帯のマンションでは、同じ棟でも階数の違いによって数千万円単位の差が生じる場合があります。方角や眺望によっても住戸ごとに差がつき、マンション全体の管理状況も売却価格に影響します。
自宅や家族所有の物件が今いくらで売れそうかを知るには、所在地、面積、築年数、駅距離、マンション名や土地条件を反映した価格を個別に調べる必要があります。そこで活用できるのが、物件情報や周辺データから現在の売却価格の目安を確認できるAI査定です。
訪問査定を依頼する前に価格を知りたいときや、まだ売却すると決めていない段階でも利用できます。初めて利用する場合は、AI査定の仕組みや精度、限界も確認しておくと、査定結果を判断しやすくなります。
AI査定で価格の目安をつかみ、売却の検討が具体的になったら、複数の不動産会社へ査定を依頼します。現地や室内の状態、売り出す時期、販売方法など、データだけでは分からない条件を踏まえた提案を受けられます。
複数社の査定を比べるときは、金額の高さだけでなく、次の点にも注目しましょう。
- 査定額の根拠となる成約事例
- 想定している買い手
- 売出価格と販売方法
- 価格を見直す時期や条件
HowMaのコラボ査定を利用する場合も、あらかじめ把握した価格の目安を基準の一つにすると、不動産会社ごとの見立てや提案の違いを比較しやすくなります。そのうえで、売却するか、当面は保有するかを判断しやすくなります。
地域ランキングをきっかけに自宅の価格が気になったら、まずはAI査定とコラボ査定で現在価格の目安を把握しましょう。
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