東京の不動産価格は暴落する?資産価値が落ちにくい23区・マンションの特徴10選【2026年最新版】

最近の東京のマンション価格は上がりすぎていて、「いつ暴落してもおかしくないのでは」と感じている方もいるでしょう。自宅の売却を考えている場合は、売るなら今なのか、待つべきなのかも気になるところです。

不動産市場に関する2026年の公表データでは、東京23区の中古マンションは高い価格水準を維持しており、現時点で市場全体が暴落しているとはいえません。

本記事では、東京23区の最新データを売出価格と成約価格に分けて確認し、今後考えられる3つのシナリオを解説します。資産価値が落ちにくいマンションの特徴と下落リスクも整理するので、自宅の売却・保有を考える際にお役立てください。

目次

「東京の不動産価格が暴落する」は本当?まずは最新データを確認

結論|東京23区の中古マンションは、現時点で暴落しているとはいえない

不動産市場の調査・分析を手がける東京カンテイと、レインズ(東日本不動産流通機構)の2026年のデータを見る限り、東京23区の中古マンション市場が暴落しているとはいえません。売り希望価格や成約価格は前年同月を上回り、価格水準は今も高い状態です。

ただし、市場が上昇一辺倒というわけでもありません。売り希望価格は前月比で下落し、成約件数も前年同月を下回っています。2026年の東京23区では、高い価格水準を維持しながら、調整の兆しも表れています。

したがって、今後を考えるうえでは、東京23区全体が「上がるか、暴落するか」だけでなく、どの物件が買い手に選ばれるかを見ることが重要です。

立地や管理状態、需要、希少性と売出価格の釣り合いが取れている物件は、買い手から選ばれやすくなります。一方、同じ地域の競合物件より割高だったり、管理や修繕に不安があったりする物件は、売却までに時間がかかり、価格の見直しが必要になることがあります。

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東京23区の中古マンション価格は本当に下落している?

東京23区の中古マンション市場|4つの指標の見方

中古マンション市場が下落しているかを判断するには、広告などに掲載される売出価格だけでなく、実際に取引された成約価格や、成約件数、在庫件数も確認する必要があります。

東京カンテイの70㎡換算価格は、市場に出ている中古マンションの「売り希望価格」を示す指標です。レインズの成約価格は、実際に売買が成立した価格を集計しています。対象物件や集計時点が異なるため、市場の動きを把握する手がかりとなるのは、両者の平均価格差ではなく、それぞれの前年同月比や前月比です。

それでは、2026年6月から7月にかけて公表された主なデータを見ていきましょう。

指標最近の動き読み取れること
売出価格2026年6月は1億2,741万円。前年同月比23.3%上昇、前月比0.8%下落前年より高い水準にあるが、直近では調整の動きも見られる
成約価格2026年7月は7,757万円。前年同月比3.4%上昇。成約㎡単価も同2.7%上昇実際の取引価格も前年同月を上回っている
成約件数2026年7月は1,509件。前年同月比17.2%減少取引の勢いが弱まっている可能性がある
在庫件数2026年7月は23区内5地域の合計で2万3,787件。前年同月比21.3%増加売出中の競合物件が増え、売却が長期化する可能性がある
新規登録価格と成約価格の差2026年7月は両者の平均価格の差が前年同月より拡大異なる物件群の参考値であり、個別物件の値引き幅ではない

※成約件数の前年同月比は、2025年1月のレインズシステム改修の影響を受けている可能性があり、単純比較には注意が必要です。

表からわかるのは、価格水準が高いまま、調整につながる動きも出ていることです。売出価格、成約価格、成約㎡単価はいずれも前年同月を上回る一方、売出価格は前月比で下落し、成約件数は減少、在庫件数は増加しました。新規登録価格と成約価格の平均差も、前年同月より広がっています。

各指標を総合すると、東京23区の中古マンション価格は市場全体では下落していないものの、売出価格の前月比下落や在庫増加が続けば、売れにくい物件から価格が下がる可能性があるといえます。

出典:東京カンテイ「中古マンション価格 2026年6月」(プレスリリース)東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ 2026年7月度 データ編」

なぜ「東京の不動産が暴落する」と言われているのか?

東京の不動産価格が高値圏にあるなか、なぜ「暴落」という言葉が生まれているのでしょうか。その背景には、価格高騰による購入可能層の縮小、金利上昇による購買力の低下、売出価格と成約価格の乖離があります。以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。

マンション価格の高騰で購入できる人が限られる

価格高騰が価格調整につながる場合の流れ

東京23区の中古マンション価格は前年同月を上回り、依然として高値圏にあります。物件価格が高くなるほど、購入希望者の予算や住宅ローンの返済計画に収まりにくくなります。購入できる人が限られる背景には、次の4つがあります。

  • 平均価格の上昇
  • 住宅ローンの返済負担
  • 物件価格と世帯所得の乖離
  • 住宅ローン金利の上昇

平均価格の上昇に世帯所得や自己資金が追いつかなければ、購入できる価格帯は狭くなります。同じ自己資金でより高い物件を購入するには住宅ローンの借入額を増やす必要があり、毎月の返済額も増え、家計への負担が大きくなります。

住宅ローン金利が上がれば、同じ返済額で借りられる金額も減るため、購入できる人はさらに限られます。

購入できる人が減れば、その価格で買い手がつく物件も少なくなり、成約件数の減少や売却期間の長期化につながる可能性があります。

売却を急ぐ売主が売出価格を見直し、値下げ後の価格で成立する取引が増えれば、成約価格の水準も下がる可能性があります。このように、価格高騰による購入可能層の縮小は、価格調整につながる要因の一つです。

金利上昇が住宅購入者の購買力を低下させる

マンション価格が高い状況で住宅ローン金利が上がると、住宅ローンを利用する買い手の購入予算はさらに縮小します。金利上昇が購買力に影響する流れは、次の3点です。

  • 毎月返済額が増える
  • 同じ年収でも借りられる金額が減る
  • 高額マンションほど返済額への影響が大きい

まず、住宅ローン金利が上がると、同じ金額を借りても毎月返済額が増えます。たとえば、7,000万円を35年、元利均等・ボーナス返済なしで借り、借入期間中の金利が変わらないと仮定すると、毎月返済額は年1.0%で約19万8,000円、年2.0%で約23万2,000円です。金利が年1.0%から年2.0%へ上がると、月約3万4,000円増える計算になります。

年収が同じで、住宅ローンに充てられる毎月の返済額も変わらない場合、金利が上がるほど同じ返済額で借りられる元金は少なくなります。そのため、無理なく借りられる金額が小さくなり、購入できる物件の価格帯も狭まります。

さらに、借入額が大きくなりやすい高額マンションでは、同じ金利上昇幅でも返済額の増加額が大きくなります。買い手が購入予算を引き下げれば、高額な物件ほど購入できる人が限られる可能性があります。

日本銀行の政策金利は、2026年6月に1.0%程度まで引き上げられました。政策金利と住宅ローン金利は同じものではありませんが、政策金利の上昇は変動金利型の住宅ローン金利に影響します。

東京のマンション価格は、住宅需要や供給量、景気などにも左右されるため、金利上昇だけで暴落が決まるわけではありません。それでも、金利上昇は買い手の購入予算を押し下げ、住宅購入者の購買力を低下させる要因になります。

過去の利上げ局面とマンション価格の動きについては、「金利上昇でマンション成約価格は下がる?過去データから見る新築・中古価格への影響【2026年最新版】」で詳しく解説しています。

出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更について」住宅金融支援機構「“金利のある世界”でどう変わる?これからの住宅ローン選びを考えよう」

「売出価格」と「成約価格」の乖離が広がっている

マンション市場の動きを見るときは、売出価格と成約価格を分けて考える必要があります。不動産ポータルサイトなどに掲載されているのは売主が設定した売出価格であり、実際に売買が成立した成約価格ではありません。

売出しから成約までの流れは、次のとおりです。

  1. 売主が「この価格で売りたい」と考える
    周辺相場や売却希望額などを踏まえて、売出価格を設定する
  2. 買主が「この価格なら買う」と判断する
    周辺の成約相場や物件の状態と比較し、購入するか、価格交渉をするかを検討する
  3. 双方が合意した価格で売買が成立する
    価格交渉を経て合意した金額が、実際の成約価格になる

つまり、掲載価格が高いからといって、実際にその価格で売れるとは限りません。 売出価格が上昇していても、成約価格が同じように上昇していなければ、売主の希望と買主が受け入れる価格との乖離は広がります。

レインズの「新規登録価格」は、その月に新たに登録された中古マンションの売出価格の平均です。

23区内5地域のデータから新規登録価格を加重平均し、同じ月の平均成約価格と比べると、2025年7月は新規登録価格が約8,580万円、成約価格が7,500万円で、平均差は約1,080万円でした。2026年7月は新規登録価格が約9,899万円、成約価格が7,757万円となり、平均差は約2,142万円です。

その月に新規登録された物件と成約した物件は同じではないため参考値ですが、新規登録価格と成約価格の乖離は前年同月より拡大しています。

売出価格が周辺の成約相場に比べて高すぎる物件は、売却が長期化し、価格の見直しが必要になる可能性があります。市場の実勢を捉えるには、掲載中の売出価格だけでなく、条件の近い物件が実際にいくらで成約したかを確認することが重要です。

出典:東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ 2025年7月度 データ編」同「月例マーケットウォッチ 2026年7月度 データ編」

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東京の不動産価格が暴落する可能性はある?3つのシナリオ

ここまで見てきたように、東京23区のマンション市場は高い価格水準を保つ一方、売出価格の前月比下落や在庫件数の増加など、価格調整につながり得る動きも見られます。

現時点では成約価格と成約㎡単価が前年同月を上回っており、東京23区全体が本格的な下落局面に入ったとはいえません。今後、成約価格の前年割れが複数月にわたって広いエリアで続くかどうかが、本格的な下落へ進んでいるかを見極める材料になります。

今後の価格は、金利や景気、住宅の需要と供給によって変わるため、一方向に動くとは限りません。ここでは、考えられる展開を「高値圏で横ばい」「緩やかな価格調整」「本格的な価格下落・暴落」の3つのシナリオに分けて見ていきます。

シナリオ①:高値圏で横ばい

東京のマンション価格が大きく上昇も下落もせず、高値圏で推移するシナリオです。こうした動きが考えられる理由は、次の3つです。

  • 【理由①】住宅需要が維持される
    都心への居住需要や投資需要が大きく減らず、一定の購入需要が続く
  • 【理由②】都心の住宅供給が限られる
    新たな供給が増えにくいため、買い手が立地や利便性に優れた物件へ集まりやすい
  • 【理由③】建築費が高止まりする
    新築マンションの価格が下がりにくく、相対的に中古マンションも選ばれやすくなる

これらの条件が続けば、一部の割高な物件で値下げがあっても、市場全体の価格は高値圏を維持する可能性があります。

市場の平均価格が横ばいでも、すべての物件が同じように価格を維持するわけではありません。駅距離や管理状態などの条件がよく、売出価格が周辺の成約相場から大きく外れていない物件には買い手がつきやすくなります。競合物件より割高な物件は、売却が長期化する可能性があります。成約件数が安定し、在庫件数の増加が鈍化するかが、このシナリオを見極める手がかりです。

シナリオ②:緩やかな価格調整

現在の市場動向からは、3つのうち緩やかな価格調整が最も現実的なシナリオと考えられます。市場全体の価格が一斉に下がるというより、売れにくい物件から価格が見直される可能性があるためです。このシナリオで想定される主な動きは、次の4つです。

  • ① 売れにくい物件から値下げされる
    競合物件より割高な物件や、駅距離・管理状態などの面で買い手に選ばれにくい物件から売出価格が見直される
  • ② 成約価格が徐々に低下する
    値下げ後の価格で成立する取引が積み重なり、市場の成約価格にも少しずつ反映される
  • ③ 人気物件は価格を維持しやすい
    駅近や希少性の高い住戸など、代わりになる物件が少ない場合は需要が残りやすい
  • ④ エリアや物件による価格差が広がる
    需要を集める物件と売れにくい物件で、価格の動きに差が生じる

このシナリオでは、市場全体の価格が一斉に下がるのではなく、売れにくい物件の値下げが先行し、その影響が成約価格に徐々に表れます。現時点で成約価格の下落が始まったとはいえないため、今後、値下げされる物件が増え、成約価格にも継続して反映されるかが判断の手がかりです。

シナリオ③:本格的な価格下落・暴落

一部の売れにくい物件だけでなく、広いエリアや多くの物件で価格が下がるシナリオです。本格的な価格下落・暴落につながり得る主な要因は、次の7つです。

  • 【要因①】金利の急上昇
    返済負担が増え、買い手の購入予算が縮小する
  • 【要因②】景気後退
    所得や将来への不安から、住宅購入を見送る人が増える
  • 【要因③】雇用環境の悪化
    住宅需要が弱まり、返済事情から売却を急ぐ所有者が増える可能性がある
  • 【要因④】住宅ローン審査の厳格化
    借入可能額が減り、購入できる人が限られる
  • 【要因⑤】投資需要の急減
    投資目的の購入が減り、保有物件の売却が増える可能性がある
  • 【要因⑥】人口・世帯数の減少
    地域によって住宅需要が弱まり、需給が悪化する
  • 【要因⑦】短期間の大量供給
    需要を上回る数の物件が売り出され、価格競争が起きやすくなる

いずれか一つの要因だけで、東京23区全体が直ちに暴落するとは限りません。しかし、複数の要因が重なって買い手が減り、売却を急ぐ所有者が増えれば、値下げが広い範囲へ波及する可能性があります。つまり、本格的な下落は、住宅需要を弱める要因と売出物件を増やす要因が同時に強まることで現実味を帯びるシナリオです。

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23区で「資産価値が落ちにくいマンション」の特徴10選

東京23区全体のマンション価格が高い水準にあっても、物件ごとの売れやすさや価格の動きには差があります。相場が下がったときも価格を維持しやすい物件には、買い手の需要を支える条件があります。

資産価値を左右する条件は、立地、需要、管理、希少性、将来性など多岐にわたります。ここからは、東京23区で資産価値が落ちにくいマンションに見られる10の特徴を解説します。

資産価値を支える5要素と10の特徴

特徴①|駅から徒歩10分以内の立地

駅から徒歩10分以内のマンションは、通勤・通学や日常の移動にかかる負担が比較的小さく、幅広い買い手の検討対象に入りやすい立地です。不動産情報サイトで駅からの徒歩分数を絞って探す場合にも候補に残りやすい点は、駅近物件の強みです。

徒歩10分は、駅への近さを判断する目安の一つです。利用できる路線や駅自体の需要に加え、坂道、信号、踏切の有無、夜間の歩きやすさなども、立地の評価に影響します。

特徴②|複数路線を利用できる

複数路線を利用できるマンションは、通勤先や外出先に応じて経路を選びやすく、運休や遅延が起きた際にも代替ルートを確保できます。家族の通勤・通学先が異なる場合にも対応しやすく、幅広い世帯にとって使いやすい立地です。

複数路線の利便性は、路線数だけでなく、各駅までの距離や運行本数、乗り換えのしやすさ、行き先の違いによって変わります。主要駅へ直通できるかも含め、日常的に使える路線が複数あることが重要です。

特徴③|都心主要駅へのアクセスが良い

東京・新宿・渋谷・品川などの主要な業務・商業地へ短時間で移動できるマンションは、通勤や買い物の利便性を重視する買い手から選ばれやすくなります。

複数の就業エリアへ通いやすければ、勤務先が変わった場合にも対応しやすく、中古市場でも需要を集めやすくなります。

アクセスの良さは、路線図上の近さだけでなく、実際の移動のしやすさで決まります。所要時間、乗り換え回数、運行本数、混雑、最寄り駅までの距離が、日常的な使いやすさを左右します。

特徴④|管理状態が良好

管理状態は、建物の劣化を抑えるだけでなく、買い手が購入後の暮らしや費用負担を判断する材料になります。

エントランスや廊下、ごみ置き場などの共用部が清潔に保たれ、設備の点検や必要な修繕が行われていれば、建物の劣化や将来の修繕負担に対する買い手の不安も小さくなります。

管理状態は、共用部の印象と書面の両方に表れます。管理組合の総会議事録、管理規約、収支報告書、管理費・修繕積立金の滞納状況、過去の修繕履歴は、管理組合の運営実態を示す資料です。

地方公共団体が一定の基準を満たす管理計画を認定する「管理計画認定制度」の認定を受けているかどうかも、管理状況を知る手がかりになります。

出典:国土交通省「マンションの管理計画認定制度」

特徴⑤|修繕積立金が適切に確保されている

修繕積立金は、外壁や屋上、給排水設備、エレベーターなどの修繕・更新に備える資金です。必要な資金が確保されていれば、計画どおりに修繕を進めやすく、買い手も購入後の費用負担を見通しやすくなります。

修繕積立金は、月額の高低だけで良し悪しを判断できません。適切かどうかは、現在の積立残高、徴収方法、値上げ予定、一時金・借入れの有無と、長期修繕計画で見込まれている工事費とのバランスで決まります。

資金が不足していれば、将来の大幅な値上げや一時金の徴収につながる可能性があります。

出典:国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン等の改訂」

特徴⑥|長期修繕計画が機能している

長期修繕計画は、将来必要になる工事の時期と費用を見通し、修繕積立金を計画的に確保するためのものです。計画が作成されているだけでなく、定期的に見直され、予定した点検や工事が実施されていれば、建物の劣化や設備の不具合を放置するリスクを抑えられます。

計画書の内容と実際の運用状況の一致が、長期修繕計画が機能しているかを判断する基準になります。国土交通省の管理計画認定制度では、計画期間が30年以上あり、その残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれていることなどを認定基準としています。

計画の更新時期、工事費の見積もり、積立残高との整合性に加え、予定どおり修繕が行われていることも重要です。

タワマンの修繕計画と資産価値の関係については、「タワマンの大規模修繕で資産価値はどう変わる?売却タイミング・修繕積立金・価格への影響を徹底解説【2026年最新版】」で詳しく解説しています。

特徴⑦|中古市場で需要がある

同じマンションや近隣の類似物件が継続して成約していれば、その条件を求める買い手がいることを示す材料になります。成約が途切れず、売却期間も長期化していなければ、中古市場で需要が保たれていると考えられます。

中古市場の需要を示すのは、売出件数だけでなく、実際に売買が成立した成約事例です。同じマンションや最寄り駅、築年数、広さが近い物件の成約件数、売却までの期間、価格改定の有無は、そのマンションの需要と成約しやすい価格帯を示します。

特徴⑧|周辺の住宅供給が過剰ではない

同じ駅周辺で価格帯や広さ、築年数が近い物件が短期間に多く売り出されると、買い手の比較対象が増えます。

競合物件が増えることで売却期間が長引いたり、成約のために価格調整が必要になったりするため、周辺の供給量は資産価値を考えるうえで重要です。

供給状況を判断する材料は、東京23区全体の在庫数に加え、最寄り駅、築年数、価格帯、間取りなどの条件が近い競合物件の数です。競合する売出物件が少なく、類似物件の成約も続いていれば、需給のバランスは保たれていると考えられます。

一方、売出物件が少なくても成約事例まで乏しければ、単に市場の動きが少ない可能性があります。供給量と成約実績の両方が、周辺で売買が成立しやすいかを判断する材料になります。

特徴⑨|再開発・人口流入など将来性がある

再開発によって駅や道路、商業施設、公共空間などが整備され、居住者や就業者が増えれば、周辺の住宅需要を支える要因になります。現在の利便性だけでなく、将来の暮らしやすさが具体的に見込める地域は、中長期の居住先として検討されやすくなります。

地域の将来性を左右するのは、再開発の発表だけでなく、事業の進捗、完成時期、マンションからの距離、整備によって得られる利便性です。新築マンションの供給量や人口・就業者数の変化も、再開発が周辺の住宅需要にどこまで影響するかを判断する材料になります。

特徴⑩|眺望・角部屋・駅近など物件固有の希少性がある

眺望の良い住戸、角部屋、最上階、ルーフバルコニー付き、駅直結など、代わりになる物件が少ない条件は、同じマンションや周辺物件との差別化につながります。

その条件を求める買い手がいれば、売却時に比較対象が限られ、価格を支える強みになり得ます。

希少な条件が価格を支えるかは、その条件を求める買い手がいるかによって変わります。また、その魅力が将来も続くかも重要です。眺望を左右する前面の土地利用や建築計画、角部屋の採光・通風、ルーフバルコニー付き住戸の使い勝手や維持費によって、売却時の評価も変わります。

眺望や日当たりなど、住戸ごとの違いは「高層階がいい?同じマンション内で資産価値が下がりにくい5つのポイント」でも詳しく解説しています。

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まとめ|資産価値は複数の条件によって支えられる

資産価値が落ちにくいマンションとは、単に価格の高い高級マンションを指すわけではありません。立地、需要、管理、希少性、将来性など、複数の条件が組み合わさることで、売却時の価格が維持されやすくなります。

10の特徴をすべて満たしている必要はありません。駅から近い、管理状態が良い、長期修繕計画に見合う修繕積立金が確保されている、周辺で中古物件の成約が続いているなど、そのマンションが備えている条件を総合して判断することが大切です。

各条件の詳しい見極め方は、「資産価値が落ちにくいマンションの7つの条件|管理・立地・修繕計画で見極める【2026年最新版】」でも解説しています。

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東京でも価格が下がりやすいマンションの特徴

前節では、買い手から選ばれやすく、資産価値を支えるマンションの特徴を紹介しました。ここでは、東京23区でも価格が下がりやすいマンションにどのような条件があるのか、買い手の判断を踏まえて解説します。

買い手が限られる物件は、問い合わせや内覧が集まりにくく、売却までに時間がかかりやすくなります。

その状態が続けば、売主は成約に向けて競合物件や周辺相場と照らし合わせ、売出価格を見直す必要が出てきます。物件の弱点によって買い手が限られ、売却期間の長期化を経て価格調整につながるという流れです。

価格が下がりやすいマンションの7つの条件

東京23区でも価格が下がりやすいマンションの主な条件と、その理由は次のとおりです。

下落リスクが高まりやすい条件価格調整につながりやすい理由
駅から遠い通勤・通学や日常の移動に負担を感じる買い手が増え、同じ価格帯の駅近物件と比較されたときに選ばれにくい
築年数が古い建物や設備の経年劣化に加え、購入後に必要となる修繕や設備交換の費用を見込まれやすい
管理状態が悪い共用部の劣化や管理組合の運営状況から、建物の維持や将来の費用負担に不安を持たれやすい
修繕積立金が不足将来の値上げや一時金の徴収、必要な工事の延期などが懸念され、価格交渉の材料になりやすい
周辺に競合物件が多い買い手が条件の近い物件を比較できるため、周辺相場より割高な物件は選ばれにくい
特徴がない立地、間取り、管理、眺望などで競合物件との差をつけにくく、価格の安さで比較されやすい
災害リスクが高い災害時の被害や居住の安全性に不安を持つ買い手が、その物件を購入候補から外す可能性がある

価格への影響は条件の組み合わせによって変わる

価格への影響は、弱点の数や程度と、それを補う強みがあるかによって変わります。例えば、駅から遠いことに加え、管理状態や修繕積立金にも不安があり、周辺に競合物件も多ければ、比較時に購入候補から外される可能性が高まります。

築年数が古くても管理や修繕が行き届いている物件や、駅から遠くても広さや住環境に明確な魅力がある物件は、その強みが購入の決め手になることもあります

。価格が下がりやすいかどうかは、区名や築年数など一つの条件だけでなく、物件の弱点と強みを合わせて判断する必要があります。

「東京23区だから安心」は危険。同じ区でも資産価値は大きく違う

区ごとの平均価格やランキングは、地域全体の相場を知る手がかりになります。HowMaマガジンの「東京23区で資産価値が落ちにくい地域ベスト10」でも、資産価値を維持しやすいと考えられる10区を紹介しています。

こうしたランキングから分かるのは、区全体の傾向です。同じ区内でも、駅からの距離、築年数、管理状態、住戸条件が異なれば、売れやすさと売却価格は大きく変わります。

同じ港区でも物件の条件によって売却時の評価がどう分かれるのか、架空の2物件を例に比較してみましょう。

条件物件A物件B
エリア港区港区
駅徒歩4分15分
築年数10年35年
管理状態良好要確認
希少性高い低い
中古需要強い弱い
売却時の評価価格を維持しやすい価格調整が必要になりやすい

物件Aには、駅近、築浅、良好な管理状態など、買い手の検討対象に入りやすい条件がそろっています。物件Bは駅から遠く、築年数も経過しており、管理状態も確認が必要です。同じ港区にあっても、こうした物件条件の違いによって買い手からの評価は分かれます。

物件ごとの差は、同じマンション内にもあります。階数、方角、眺望、室内状態が異なれば、売却時の評価も変わります。

したがって、「東京23区だから安心」「港区だから必ず高く売れる」とは判断できません。区や駅の相場に加え、建物と住戸の条件まで反映した自宅の価格を把握する必要があります。

東京の不動産価格が暴落するかより「自宅がいくらで売れるか」を知ることが重要

不動産価格のニュースを見て「今売ったほうがよいのか」「まだ待ったほうがよいのか」と迷っても、東京全体の値動きだけで売却時期を決めることはできません。

平均価格が上昇していても、周辺に似た条件の売出物件が増えれば、自宅の売却に時間がかかることがあります。反対に、市場全体が調整局面に入っても、駅近や管理状態の良さなどで選ばれる物件は、需要を保つ可能性があります。

売却するか、保有を続けるかを考える際に必要な価格情報は、次の3つです。

  1. 東京全体の相場を確認する
  2. 自宅があるエリアの相場を確認する
  3. 自宅の想定売却価格を確認する

自宅の想定売却価格が分かったら、住宅ローン残高や売却費用を差し引き、手元に残る金額を見積もります。住み替えに必要な資金や希望時期と照らし合わせれば、今売るか、保有を続けるかを具体的に検討できます。

将来の相場を正確に予測することはできません。次章では、自宅の現在価値を調べる方法を3つのステップで紹介します。

自宅の資産価値を調べる3ステップ

自宅の資産価値を把握するには、1つの査定結果だけで判断せず、複数の情報を照らし合わせることが大切です。AI査定で売却価格の目安をつかみ、周辺の成約事例で妥当性を確かめ、売却を具体化する段階で不動産会社の査定と提案を比較します。

STEP1 AI査定で現在価格を知る

まずはAI査定で、所在地、面積、築年数、マンション名などを反映した現在の売却価格の目安を把握します。HowMaのAI事前査定は無料で、マンションなら最短30秒、土地・戸建ても60秒ほどで結果が分かります。売却すると決めていない段階でも利用できます。

AI査定額は成約価格の予想値であり、室内状態など、データだけでは評価しにくい条件は反映できません。そのまま売却価格と考えず、次のステップで成約事例や不動産会社の査定と比較するための基準にします。

AI査定の仕組みや結果の使い方は、「不動産のAI査定って何?仕組み・精度・限界をAI査定の元祖が徹底的に深ぼってみた」でも詳しく解説しています。

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STEP2 周辺の成約事例と比較する

次に、AI査定で把握した価格の目安を、周辺の成約事例と比較します。確認する項目は、次のとおりです。

  • 近隣物件や同じマンションの事例
  • 築年数
  • 専有面積
  • 駅距離
  • 成約価格

比較する事例は、条件が自宅に近いほど参考になります。成約時期や間取りに加え、同じマンションであれば階数、方角、眺望、室内状態の違いも価格に影響します。

不動産ポータルサイトに掲載されているのは、基本的に売出価格です。実際に売買が成立した成約価格とは異なるため、両者を分けて考える必要があります。一般の方も、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で匿名加工された成約価格情報を調べられます。同じマンションや近隣の詳しい成約事例は、不動産会社を通じてレインズで確認できます。

AI査定、近隣の成約事例、不動産会社の査定を組み合わせた相場の見方は、「買主から値下げ交渉されたらどうする?売主が損をしない7つの判断基準と上手な交渉方法【2026年最新版】」でも詳しく解説しています。

STEP3 売却を具体化するなら複数社の査定を比較する

売却を具体的に考え始めたら、複数の不動産会社へ査定を依頼し、査定額と売却戦略を比較します。比較する項目は、査定額の根拠となる成約事例、想定する買い手、売出価格、販売方法、価格を見直す条件です。

HowMaでは、AI事前査定のあとに、複数の不動産会社へ査定を依頼できるコラボ査定を利用できます。AI査定で把握した目安を基準にすると、不動産会社ごとの査定額と売却提案の違いが分かります。室内状態や眺望、管理状況など、データだけでは評価しにくい条件を査定へどのように反映したかも、不動産会社を選ぶ判断材料です。

コラボ査定の使い方や複数社の提案の見極め方は、「AI査定から一歩進んで、不動産会社の査定を複数社から一括で取得する方法と売却成功につなげる鉄則【2026年最新版】」で詳しく解説しています。

AI査定、周辺の成約事例、不動産会社の査定を照らし合わせることで、査定額に差がある理由を確認し、現実的な売却価格帯を検討できます。まずはAI事前査定で相場の目安をつかみ、売却を具体化する段階でコラボ査定を利用して複数社の提案を比較しましょう。

まとめ|東京の不動産は「暴落するか」ではなく「どの物件が選ばれるか」が重要

ここまで見てきたように、東京23区では成約価格が前年を上回る一方、売り希望価格の前月比下落や成約件数の減少など、価格調整につながり得る動きも見られます。

市場全体が同じ方向へ動いているのではなく、今後はエリアや物件の条件によって価格の動きに差が出る可能性があります。

この記事の要点をまとめると、次のとおりです。

  1. 東京23区の中古マンション価格は、現時点で一律に「暴落」しているとはいえない
  2. 一方で、売り希望価格の前月比下落や成約件数の減少など、調整を示すデータも出ている
  3. 金利上昇や価格高騰によって、買い手の選別が進む可能性がある
  4. 今後は「立地が良ければ何でも上がる」市場ではなくなる可能性がある
  5. 資産価値が落ちにくいエリアやマンションには共通する特徴がある
  6. 同じ区や同じ駅でも、物件によって価格は大きく異なる
  7. 最も重要なのは、自宅が現在いくらで売れそうかを把握することです

東京全体や区の平均価格は、市場の方向性を知るための材料です。しかし、実際に売却するか保有を続けるかは、建物や住戸の条件、住宅ローン残高、売却時期なども踏まえて判断する必要があります。

「東京の不動産が暴落するか」というニュースだけでは、自宅を売るべきかどうかは判断できません。まずは自宅が現在いくらで売れそうかを把握することから始めましょう。

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