「金利が上がるとマンション価格は下がる」は本当なのか?
住宅ローン金利の引き上げが続くと、
「マンション価格は暴落するのでは?」
「高いうちに売ったほうがいい?」
「今後も価格は維持される?」
という疑問を持つ方が増えます。
確かに、金利が上昇すると住宅購入者の借入可能額は減少します。
しかし、過去の不動産市場を振り返ると、金利が上がったからといって、必ずマンション価格が下落したわけではありません。
この記事では、2006〜2008年、そして2022〜2026年の市場動向を振り返りながら、金利とマンション価格の関係をわかりやすく解説します。
金利上昇でマンション価格は本当に下がるのか?
マンション価格は金利だけで決まるものではありません。過去の市場データを比較すると、価格形成には景気や建築コスト、需給など、さまざまな要因が影響していることが分かります。 ここでは、まずマンション価格がどのような要因で決まるのかを整理します。
なぜ「金利が上がると価格が下がる」と言われるのか
マンション購入では、多くの人が住宅ローンを利用します。
住宅ローン金利が上昇すると、借入額に対する利息負担が大きくなるため、毎月の返済額を一定に抑えるには借入金額を減らさなければなりません。その結果、購入希望者の住宅購入予算は縮小します。
すると、これまで購入を検討できていた価格帯のマンションを諦め、より価格の低い物件へ検討対象を変更する人が増えます。結果として、高価格帯のマンションほど購入希望者が減り、価格調整が起こりやすくなると考えられています。
このような流れから、「金利が上がるとマンション価格は下がる」と言われることが多いのです。
ただし、この考え方はマンション価格を説明する一つの要因に過ぎません。実際の市場では、金利以外にもさまざまな要素が価格形成に影響しています。
マンション価格は複数の要因で決まる
マンション価格は、次のようなさまざまな要因が重なり合って市場価格が形成されています。

- 住宅ローン金利
- 人口動態
- 再開発計画
- 建築コスト
- 新築マンションの供給戸数
- 投資マネーの流入
- インバウンド需要
- エリアの人気や利便性
- 景気や所得水準
例えば、金利が上昇しても、建築費の高騰によって新築マンション価格が維持されるケースがあります。また、都心部や再開発エリアのように需要が強い地域では、購入希望者が多く、価格が下がりにくいこともあります。
反対に、需要が弱いエリアでは、金利上昇をきっかけに価格が調整されるケースもあります。
このように、マンション価格は複数の要因が相互に影響しながら決まるため、「金利が上がったから価格が下がる」と一律には判断できません。
次の章では、実際に過去の市場データをもとに、金利上昇局面でマンション価格がどのように推移してきたのかを見ていきます。
関連記事:住宅ローン金利が1%上がると家はいくら安くなる?
過去のデータで見る「金利」とマンション価格の関係
ここでは、過去の利上げ局面と近年の市場動向を振り返りながら、政策金利や住宅ローン金利、新築・中古マンション価格、建築費指数の推移を比較し、「金利」とマンション価格の関係をデータから検証します。
2006〜2008年|利上げ局面でマンション価格はどう動いたか
2006~2008年は、日本銀行が政策金利を段階的に引き上げた時期です。政策金利や住宅ローン金利の推移とあわせて、首都圏の新築・中古マンション価格の変化を見ていきましょう。

2006年から2007年にかけて、日本銀行は政策金利を段階的に引き上げました。当時は景気回復や物価上昇への対応として金融引き締めが進められ、2007年2月には政策金利は0.50%となりました。
一方、2008年秋のリーマン・ショックを受けると、景気の急速な悪化に対応するため金融政策は一転し、年末には0.10%まで引き下げられています。
つまり、2006~2008年は「利上げ局面」と「急速な利下げ局面」の両方を含む時期でした。この金融環境の変化が、住宅ローン金利やマンション市場にどのような影響を与えたのかを見ていきます。

2006年から2007年にかけて、日本銀行の利上げを背景に住宅ローン金利も上昇しました。住宅ローン金利が上昇すると、同じ借入額でも毎月の返済額が増えるため、購入者の資金計画に影響を与えます。一方、2008年秋のリーマン・ショック後は景気悪化を受けて金利は低下に転じました。
このように、住宅ローン金利は政策金利の動きに連動する傾向があります。しかし、住宅ローン金利が上昇したからといって、マンション価格が一律に下落したわけではありません。次に、新築マンション価格と中古マンション価格の推移を見ながら、実際の市場の動きを確認していきます。
2006年から2008年は、日本銀行の利上げに伴い住宅ローン金利も上昇した時期です。しかし、首都圏の新築マンション価格を見ると、地域によって価格の動きに違いが見られます。
東京23区や東京都下では価格が大きく上昇した一方で、神奈川県・埼玉県・千葉県では上昇幅は比較的緩やかでした。
これは、都心部で再開発やオフィス需要の拡大を背景に住宅需要が高まり、限られた供給に対して購入ニーズが集中したことが大きな要因と考えられます。一方、郊外エリアでは供給量に比較的余裕があり、都心ほど価格上昇圧力が強くなかったため、伸び幅は限定的でした。
このように、同じ利上げ局面でも、マンション価格の動きはエリアごとの需給バランスや市場環境によって大きく異なります。金利は価格形成要因の一つに過ぎず、それだけで価格の方向性を判断することはできません。

2006年の平均成約価格は2,305万円でしたが、2007年には2,774万円、2008年には3,006万円まで上昇しました。2年間で約30%(約701万円)価格が上昇しており、住宅ローン金利が上昇していた時期にもかかわらず、中古マンション市場は堅調に推移していたことが分かります。
この背景には、景気拡大による住宅需要の増加や、都心部を中心とした不動産投資需要の高まりがありました。また、新築マンション価格の上昇に伴い、比較的割安な中古マンションへ需要が流れたことも価格上昇を後押ししたと考えられます。
2006~2008年の市場動向から分かるのは、利上げ局面であってもマンション価格が一律に下落するわけではないということです。実際には、エリアごとの需給バランスや市場環境の違いが価格動向に大きく影響しており、金利だけで価格を説明することはできません。
2022〜2026年|歴史的な価格上昇と金利正常化
2022年以降は、政策金利・住宅ローン金利ともに上昇局面へ入りました。しかし、マンション価格は一律に下落したわけではありません。新築マンションは建築コストの高騰を背景に高値圏を維持し、中古マンションも立地や需要の強いエリアでは価格が下支えされました。
現在の市場でも、マンション価格は金利だけでなく、建築コストや需給バランスなど複数の要因によって形成されていることが分かります。

2022年から2023年にかけて政策金利は▲0.10%とマイナス圏で維持されていました。しかし、2024年3月にはマイナス金利政策が解除され、政策金利は0.25%へ引き上げられました。その後も2025年には0.75%、2026年には1.00%へと段階的に引き上げられ、日本銀行の金融政策は「超金融緩和」から「正常化」へ大きく転換しています。
もっとも、現在の政策金利は上昇基調にあるものの、過去と比較すると依然として低い水準です。2006~2008年には政策金利が0.50%まで引き上げられた後、リーマン・ショックを受けて急速に引き下げられました。
一方、今回の利上げは、物価上昇や賃金上昇を背景とした金融政策の正常化を目的としており、当時とは経済環境や利上げの背景が大きく異なります。
政策金利の引き上げは市場金利や住宅ローン金利にも影響を与えるため、不動産市場を考える上で重要な指標の一つです。
ただし、政策金利は価格を直接決めるものではなく、その影響が市場へどのように波及するかを、住宅ローン金利やマンション価格の推移とあわせて確認することが重要です。

2022年から2026年にかけて、フラット35の最低金利は緩やかな上昇傾向が続きました。2022年頃は1%台前半で推移していましたが、2024年以降は日本銀行の金融政策の転換を背景に上昇ペースが強まり、2025年には2%台後半、2026年には3%台に達しています。
住宅ローン金利の上昇は、借入額が同じでも毎月の返済額や総返済額の増加につながります。そのため、購入予算を見直す人が増えやすく、不動産市場にも一定の影響を与える要因の一つといえます。
一方で、この後に紹介するマンション価格の推移を見ると、住宅ローン金利が上昇しても、新築・中古マンション価格が一律に下落したわけではありません。

このグラフから分かるのは、住宅ローン金利が上昇局面に入っても、新築マンション価格は下落せず、高値圏で推移していることです。
東京23区では2022年の8,236万円から2025年には1億3,613万円まで上昇し、約65%の伸びとなりました。東京都下も約28%上昇しており、都心部を中心に価格上昇が続いています。
一方、神奈川県・埼玉県・千葉県も価格は上昇しているものの、東京23区ほどの伸びではなく、地域によって上昇率に差が見られました。特に埼玉県は2023年に一時的な価格調整が見られましたが、その後は再び上昇しています。
このように、住宅ローン金利が上昇した局面でも、新築マンション価格は一律に下落するのではなく、エリアによって異なる動きを示しました。つまり、「金利上昇=マンション価格下落」という単純な関係ではないことが読み取れます。
※2026年は年間データが未公表のため、2022〜2025年の比較としています。

このグラフから分かるのは、住宅ローン金利が上昇局面に入った後も、首都圏中古マンション価格は高値圏を維持していることです。平均成約価格は2022年の3,753万円から2024年には3,948万円まで上昇し、2025年も3,917万円と高い水準を維持しています。
住宅ローン金利は徐々に上昇したものの、中古マンション価格は急落しませんでした。その背景には、新築マンション価格の高騰による中古住宅への需要シフトや、都心部を中心とした底堅い住宅需要があったと考えられます。
つまり、2022年以降の市場でも、「金利上昇=中古マンション価格下落」という単純な関係ではないことが読み取れます。
※2026年は年間データが未公表のため、2022〜2025年の比較としています。

建築費指数(RC共同住宅)は、資材価格の高騰や人件費の上昇、物流費の増加などを背景に2022年以降、継続的に上昇を続けています。
特に新型コロナウイルス感染拡大後の世界的な資源価格の高騰や、円安による輸入資材価格の上昇が建築コストを押し上げました。また、建設業界では慢性的な人手不足が続いており、人件費の上昇も建築費を押し上げる要因となっています。
こうした建築コストの上昇は、新築マンション価格の高止まりを支える大きな要因となっています。住宅ローン金利が上昇しても、新築マンション価格が大きく下落しなかった背景には、販売価格を引き下げる余地が小さくなっていたことがあります。
一方で、新築価格の上昇は中古マンション市場にも波及しました。新築との価格差が縮小する中でも、中古マンションは比較的割安な選択肢として需要を集め、首都圏中古マンション価格が高値圏を維持する一因となっています。
このことから、近年の住宅価格は金利だけでなく、建築コストの上昇という供給側の要因にも大きく左右されていることが分かります。住宅市場を分析する際には、政策金利や住宅ローン金利だけではなく、建築費の動向も合わせて確認することが重要です。
関連記事:住宅ローン金利が上がると住宅の売却価格はどうなる?マンション・戸建て価格への影響と売り時を解説【2026年最新版】
データから読み解く不動産価格形成のポイント
過去のデータを振り返ると、住宅ローン金利や政策金利の動向とマンション価格は、必ずしも連動していないことが分かります。
2006~2008年の利上げ局面では、政策金利が引き上げられたにもかかわらず、新築・中古マンション価格はいずれも上昇しました。一方、2022年以降はマイナス金利政策が終了し住宅ローン金利も上昇しましたが、建築費の高騰や供給不足を背景に、新築・中古マンション価格は依然として高値圏を維持しています。
これは、不動産価格が金利だけで決まるものではないことを示しています。
不動産鑑定の実務では、金利だけで価格を判断することはありません。価格形成要因として、以下のような項目を総合的に分析・評価します。
- 景気や雇用環境
- 人口動態・世帯数の変化
- 建築コストや資材価格
- 新築住宅の供給量
- エリアごとの需要と希少性
- 投資マネーの流入状況
つまり、金利上昇は住宅市場に影響を与える重要な要素ではあるものの、それだけを理由に「マンション価格は必ず下がる」と判断することはできません。
不動産市場を正しく読み解くためには、金利だけに注目するのではなく、市場全体の需給や建築コスト、経済環境などを総合的に捉えることが重要です。過去のデータは、そのことを明確に示しています。
新築マンションと中古マンションでは金利の影響は違う?
住宅ローン金利が上昇すると、不動産価格への影響が注目されます。しかし、新築マンションと中古マンションでは、価格が決まる仕組みが異なるため、金利上昇の影響の現れ方にも違いがあります。
新築マンションは建築コストや供給事情の影響を強く受ける一方、中古マンションは購入希望者の資金計画や需給バランスが価格に反映されやすい傾向があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
新築マンションは建築コストの影響も大きい
新築マンションの価格は、住宅ローン金利だけで決まるものではありません。
価格を左右する主な要因には、
- 人件費
- 資材価格
- 土地取得費
- 建設費
などがあり、近年はこれらのコスト上昇が販売価格を押し上げています。
特に建築資材や人件費の高騰が続く局面では、販売価格を大きく下げることが難しく、金利が上昇したからといって新築価格がすぐに値下がりするとは考えにくいのが実情です。
デベロッパーは販売時期や供給戸数を調整することで価格を維持するケースも多く、価格の変動は金利だけで説明できません。
中古マンションは購入者の予算変化を受けやすい
中古マンション市場は、自ら住むために住宅ローンを利用して購入する人が多く、購入者の資金計画の変化が価格に反映されやすい特徴があります。
金利が上昇すると借入可能額が減少するため、購入できる価格帯を見直す人も増えます。その結果、エリアや物件によっては価格調整が進むケースもあります。
ただし、すべての中古マンションが同じように値下がりするわけではありません。
都心部や駅近など需要が安定している物件は、金利上昇局面でも買い手が付きやすく、価格を維持するケースが少なくありません。一方で、供給が多いエリアや競合物件が多い地域では、価格調整が進むこともあります。
中古マンションは金利の影響を受けやすい市場ではありますが、最終的な価格は立地や物件の競争力によって大きく左右されます。これは実際の査定でも常に重視するポイントです。
金利上昇でも価格が下がりにくいマンション・下がりやすいマンション
住宅ローン金利が上昇すると、購入希望者の予算は縮小する傾向にあります。しかし、すべてのマンションが同じように価格変動するわけではありません。立地や希少性、需要の強さによって、価格への影響には差があります。
ここでは、一般的に価格が維持されやすいマンションと、価格が変動しやすいマンションの特徴を見ていきましょう。

価格が維持されやすいマンションの特徴
購入希望者の予算が縮小しても、次のような特徴を持つマンションは需要が維持されやすく、価格への影響を受けにくい傾向があります。
- 駅徒歩5分以内
- 都心・人気エリア
- 再開発地域
- ブランドマンション
- 管理状態が良い
- 希少性が高い
価格が変動しやすいマンションの特徴
一方、次のような特徴を持つマンションは、購入希望者の予算縮小や競合物件の増加によって価格調整が起こりやすい傾向があります。
- 郊外エリア
- 駅から遠い
- 築年数が古い
- 供給過多エリア
- 競合物件が多い
ただし、これはあくまで一般的な傾向です。同じマンションでも、階数や向き、間取り、管理状態、リフォームの有無などによって市場での評価は変わります。
同じ金利環境でも価格変動には差があるため、「マンション価格は下がる・下がらない」と一律には判断できません。
関連記事:資産価値が落ちにくいマンションの7つの条件|管理・立地・修繕計画で見極める【2026年最新版】
重要なのは全国平均ではなく「あなたのマンション」の価格
ニュースでは、マンション価格の上昇・下落が話題になります。しかし、それは市場全体の動きであり、あなたのマンションの価格を示しているわけではありません。
実際の査定価格は、次のような条件によって大きく変わります。
- エリア
- 駅からの距離
- 築年数
- 管理状態
- 間取り
- 階数
- 方角
- リフォームの有無
全国の価格推移だけでは、自宅の価値は判断できません。
市場全体の動向を参考にすることは大切ですが、売却を検討する際は、自分のマンションが現在の市場でどのように評価されるのかを確認したうえで判断することが重要です。
関連記事:高層階がいい?同じマンション内で資産価値が下がりにくい5つのポイント
売却を考えるなら現在価格を把握しておこう
差し迫って売却予定がなくても、現在価格を知ることは、資産管理やライフプランを考えるうえで役立ちます。
例えば、
- 住み替え資金の目安が分かる
- 売却と賃貸のどちらが有利か判断しやすくなる
- 売却のタイミングを検討できる
- 住宅ローン残債とのバランスを確認できる
- リフォームと住み替えを比較する材料になる
- 現在の資産価値を把握できる
など、将来の選択肢を考えるための判断材料になります。
まずはAI査定で現在のおおよその相場を確認し、売却を具体的に検討する段階になったら、複数の不動産会社による査定を比較すると、市場価格をより具体的に把握できます。
関連記事:2分で分かる!不動産AI査定の正しい理解・使い方と査定結果の解釈・次に取るべき行動【2026年最新版】
金利上昇局面でも、あなたのマンションはいくらで売れる?
この記事で見てきたように、マンション価格は住宅ローン金利だけで決まるものではありません。
さらに、同じエリア・同じ築年数のマンションであっても、管理状態や階数、方角、間取り、リフォームの有無などによって、実際の売却価格には大きな差が生じます。
市場全体の価格動向は参考になりますが、あなたのマンションがいくらで売れるかは、個別の条件を踏まえて判断することが重要です。
「今の市場なら、いくらで売れる可能性があるのか」を知りたい方は、まずは無料のAI査定で現在のおおよその市場価値を確認してみましょう。
売却を具体的に検討する段階では、複数の不動産会社による査定を比較できるHowMaのコラボ査定を活用することで、査定額だけでなく販売戦略も比較しながら、納得感のある売却価格を判断できます。
関連記事:不動産の売却価格は自分で決められる?適正価格を判断する3つのポイントを解説【2026年最新版】
よくある質問(FAQ)
Q. 金利が上がるとマンション価格は必ず下がりますか?
いいえ、必ず下がるわけではありません。
過去の利上げ局面でもマンション価格は上昇した事例があります。マンション価格は金利だけでなく、需給バランスや建築コスト、景気など複数の要因によって決まるためです。
Q. 新築と中古ではどちらが金利上昇の影響を受けやすいですか?
一般的には、中古マンションのほうが購入者の住宅ローン利用割合が高いため、金利上昇による購買力の変化が価格に反映されやすい傾向があります。一方、新築マンションは建築費や資材価格などの影響も受けるため、金利だけで価格が動くとは限りません。
Q. 今はマンションの売り時ですか?
一律には判断できません。 現在の市場価格や周辺の成約事例、マンションの条件などを総合的に確認したうえで判断することが重要です。
まとめ
住宅ローン金利の上昇は、マンション価格に影響を与える重要な要因の一つです。しかし、過去の市場データを見ると、利上げ局面であっても新築・中古マンション価格が上昇、あるいは高値圏を維持した時期がありました。
その背景には、建築コストの上昇や需給バランス、エリアの希少性、再開発、景気動向など、複数の価格形成要因があります。そのため、「金利が上がる=マンション価格が下がる」という単純な見方では、市場の実態を正確に捉えることはできません。
また、全国平均や首都圏全体のデータは市場動向を把握するための参考になりますが、個々のマンションの資産価値は、立地や築年数、管理状態、階数、眺望などによって大きく異なります。不動産鑑定の実務でも、市場データだけでなく、こうした個別要因を総合的に分析・評価し、適正な価格を判断します。
売却を検討している方はもちろん、将来の住み替えや資産管理を考えるうえでも、現在の市場価値を把握しておくことは重要です。市場全体の動向とご自身のマンションの価値をあわせて確認することで、より納得感のある判断につながるでしょう。