「空き家を放置すると損する時代へ|空き家税・固定資産税・維持費から考える売却のタイミング」

近年、京都市や寝屋川市で空き家税の導入に向けた動きが進み、空き家を所有するコストに注目が集まっています。しかし、本当に考えるべきなのは空き家税だけではありません。固定資産税や維持費、修繕費に加え、建物の資産価値の低下や売り時を逃すリスクも見過ごせないポイントです。

本記事では、空き家を放置した場合にかかるコストやリスクを整理するとともに、売却のタイミングなどについてわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • なぜ今「空き家税」が話題になっているのか
  • 空き家を放置すると負担が増える5つのコスト
  • 空き家の売却タイミングは「いつか」ではなく「今」

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なぜ今「空き家税」が話題になっているのか

なぜ今「空き家税」が話題になっているのか

全国で空き家が増え続ける中、その対策の一つとして「空き家税」が注目されています。ここでは、空き家税が話題となっている背景や京都市・寝屋川市の取り組み、今後の広がりについてわかりやすく解説します。

空き家問題が深刻化している背景

国土交通省が実施した「令和5年住宅・土地統計調査」によれば、全国の空き家数は1978年の268万戸から2023年には約900万戸へと大幅に増加し、空き家率も7.6%から13.8%まで上昇しています(下図参照)。

空き家推移表

出典:国土交通省|令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果

中でも増加が目立つのは、賃貸や売却の予定がない「その他空き家」で、1993年の149万戸から2023年には385万戸へと約2.6倍に増加しました。

背景には、少子高齢化や人口減少に加え、相続した住宅を活用できずに所有し続けるケースの増加があります。管理されない空き家は、防災・防犯や景観への悪影響を招くことから、国や自治体は対策を強化しており、その一環として空き家税などの新たな施策にも注目が集まっています。

京都市の「非居住住宅利活用促進税(空き家税)」とは

京都市では、「非居住住宅利活用促進税」が2030年度からの課税が予定されています(システム開発の影響により1年延期)。

空き家や別荘、セカンドハウスなど、生活の本拠として利用されていない住宅(非居住住宅)の有効活用や流通を促すことを目的とした、全国初の法定外普通税です。

課税対象は、原則として京都市の市街化区域内にある非居住住宅の所有者で、実際に生活の本拠として利用されている住宅は対象外となります。また、事業用として利用されている住宅や、賃貸・売却の募集を開始してから1年以内の住宅などは課税が免除されます。

税収は空き家の活用支援や住宅供給の促進、生活環境の整備、地域コミュニティの活性化などに活用される予定です。京都市によると、非居住住宅利活用促進税の税額は家屋の価値や立地条件によって異なりますが、固定資産税額(土地+家屋)の半額程度になるとされています。

寝屋川市で「空き家流通促進税条例」が成立

2026年7月9日、大阪府寝屋川市議会で「空き家流通促進税条例」が全会一致で可決・成立しました。2029年度からの課税開始を目指しています。

市内全域を対象に、一定期間使用されておらず、売却や賃貸など市場に流通していない空き家の所有者へ、固定資産税とは別に課税する制度で、市域全体を対象とした「空き家流通促進税条例」として全国初となります。

制度の目的は税収を増やすことではなく、「空き家の所有者の意識や行動を変えること」です。寝屋川市では、対象となる空き家は約6,600戸と見込まれており、年間約1億4,000万円の税収を空き家対策に活用する方針です。なお、この条例は今後、総務大臣の同意を経て施行される予定です。

税率は35%とされており、固定資産税とは別に課税されます(2026年7月時点)。市は、この制度によって年間約1億4,000万円の税収を見込んでいます。

空き家税は全国へ広がる可能性もある

京都市や寝屋川市のような制度が、今後ほかの自治体にも広がる可能性があります。全国では空き家の増加が続いており、多くの自治体が管理不全の空き家や人口減少への対応に課題を抱えているためです。

ただ、空き家税は自治体が独自に創設できる税金ではなく、条例の制定に加え、地方税法に基づき総務大臣の同意を得る必要があります。そのため、すぐに全国へ導入されるわけではありません。

しかし、空き家の流通促進や地域活性化に一定の効果が認められれば、同様の制度を検討する自治体が増える可能性は十分にあります。空き家を所有している人は、自分の住んでいる自治体の制度や今後の動向にも注目しておくとよいでしょう。

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空き家を放置すると負担が増える5つのコスト

空き家を放置すると負担が増える5つのコスト

空き家を所有している限り、固定資産税だけでなく、維持費や修繕費、管理費などさまざまなコストがかかります。ここでは、空き家を放置することで増えていく5つの負担について解説します。

毎年かかる固定資産税・都市計画税

空き家は誰も住んでいなくても、所有している限り毎年、固定資産税が課税されます。また、市街化区域内にある住宅では、固定資産税に加えて都市計画税も負担しなければなりません。

そのため、「使っていない家だからお金はそれほどかからない」と考えて放置すると、毎年税金だけが積み重なっていきます。

さらに、適切な管理が行われず「特定空家(倒壊などの危険性が高く、自治体が改善を求める対象となる空き家)」や「管理不全空家(管理不足により周辺へ悪影響を及ぼすおそれがあると自治体が判断した空き家)」に認定され、自治体から勧告を受けると、住宅用地の特例が解除され、固定資産税が大幅に増える可能性があります。

空き家税が導入されていない地域であっても、税金は継続的に発生するため、所有し続けるコストを把握したうえで、売却や活用を含めた今後の方針を早めに検討するようにしましょう。

空き家税が新たな負担になる可能性もある

空き家税は、現在すべての自治体で導入されているわけではありません。しかし、京都市では「非居住住宅利活用促進税」が2030年度に課税開始される予定があり、寝屋川市では「空き家流通促進税条例」が成立するなど、空き家所有における新たな負担として注目されています。

今後、東京都も含め、空き家の増加が課題となっている自治体では、同様の制度が検討される可能性もあります。そのため、「今は自分の地域には関係ない」と思っていても、今後の動向には目を向けておくことが必要です。固定資産税や維持費に加え、新たな税負担が生じる可能性も踏まえながら、空き家を所有し続けるコストを考えておくとよいでしょう。

修繕費・管理費は年々増えていく

空き家は、人が住まなくなると傷みやすくなります。そのため、雨漏りや外壁・屋根の劣化、給排水設備の故障、シロアリ被害などは、放置するほど修理費用がかさみがちです。

また、草刈りや庭木の剪定、室内の換気や清掃、防犯対策など、建物を良好な状態に保つための管理も欠かせません。遠方に住んでいる場合は、現地までの交通費や管理会社への委託費が必要になることもあります。

こうした費用は一度支払えば終わりではなく、所有している限り継続して発生します。空き家税が導入されていない地域であっても、修繕費や管理費は年々積み重なっていくため、空き家を所有し続ける負担は決して小さくありません。

建物の資産価値は時間とともに下がる

空き家は、築年数が経つほど建物の価値が下がっていくのが一般的です。人が住まない状態が続くと、換気や通水の機会が減り、湿気やカビが発生しやすくなるほか、設備も傷みやすくなります。

住宅を購入する人は、築年数だけでなく建物の状態も見て判断するため、手入れが十分でない空き家は希望どおりの価格で売れないこともあるでしょう。劣化が進んでいる場合は、リフォームや解体を前提に価格交渉されるケースも少なくありません。

空き家を所有している間も建物の状態は少しずつ劣化していくため、今の価値を把握しておくことが大切です。

売却機会を逃すことが最大の損失になる

空き家は「いつか売ればいい」と考えがちですが、その間にも不動産市場は少しずつ変化しています。周辺エリアの需要が落ちたり、競合となる物件が増えたりすると、以前より売れにくくなることもあるでしょう。

また、建物の劣化が進むと買い手に敬遠されやすくなり、売却までに時間がかかったり、価格を下げざるを得なくなったりするケースも少なくありません。こうした損失は、固定資産税や修繕費のように目に見える支出ではないため気付きにくいものです。

だからこそ、「まだ売らない」と考えている場合でも、一度現在の資産価値を把握しておくことが、将来の選択肢を広げることにつながります。

実際に空き家を5年・10年所有すると、固定資産税や管理費、修繕費などの負担はどのくらいになるのでしょうか。

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空き家の売却タイミングは「いつか」ではなく「今」から考える

空き家の売却タイミングは「いつか」ではなく「今」から考える

空き家は「そのうち住む」「家族が使うかもしれない」と考えているうちに、時間だけが過ぎてしまうケースが多く見られます。しかし、その間も管理の負担や将来のリスクは続くことを考慮しなければなりません。ここでは、売却のタイミングを早めに考えるべき理由について解説します。

「そのうち住む」は実現しないケースが多い

空き家を所有している人の中には、「定年後に住もう」「子どもが使うかもしれない」と考え、そのまま保有しているケースも少なくありません。しかし、生活環境や家族構成は年月とともに変化するため、当初の予定どおり活用されないまま空き家になってしまうケースも考えられます。

その間も、固定資産税や維持費などの負担は毎年発生し、建物の劣化も少しずつ進んでいきます。「いつか使う」と考えたまま判断を先延ばしにすると、将来の選択肢が限られてしまうため、今後も本当に使う予定があるのか、一度立ち止まって考えてみるのもよいでしょう。

相続が重なると売却はさらに難しくなる

空き家をそのままにしている間に相続が発生すると、売却の手続きが複雑になることがあります。例えば、親から子へ相続した後に相続人の一人が亡くなると、さらに次の世代へ権利が引き継がれ、共有者が増えるケースもあります。

共有者が多くなるほど意見をまとめることが難しくなり、売却までに時間がかかったり、手続きが進まなくなったりすることも少なくありません。

相続人が増えると、権利関係の確認や必要な手続きが複雑になる場合もあるため、空き家を活用する予定がないのであれば、問題が大きくなる前に今後の方針を考えておくことが重要です。

管理責任は所有者に残り続ける

空き家は誰も住んでいなくても、所有している限り管理する責任があります。例えば、庭木が伸び放題になったり、雑草が繁茂したりすると、景観を損ねるだけでなく、害虫の発生や近隣トラブルの原因になることがあるからです。

また、建物の老朽化によって外壁や屋根が落下したり、倒壊のおそれが生じたりした場合は、所有者が修繕や安全対策を求められることもあります。

空き家は「いつか使う」と考えている間も、管理の責任と負担は続いていきます。空き家を所有している期間は、定期的な管理を行うとともに、今後の活用方法についても早めに考えておくことが必要です。

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よくある質問(FAQ)

よくある質問

Q1 空き家税は全国で導入されていますか?

A. いいえ、現在は全国で導入されているわけではありません。 京都市や寝屋川市など一部の自治体で導入・検討が進められていますが、空き家税の創設には総務大臣の同意が必要です。ただ、今後、空き家問題が深刻な自治体では同様の制度が広がる可能性があります。

Q2 東京都に実家がありますが、周辺で空き家が増えています。東京にも空き家問題は降りかかってきますか?

A.はい、その可能性は十分あります。なんと、全国最多の空き家数なのは世田谷区で約5.9万戸です。総務省が公表した住宅・土地統計調査によると、東京都では2023年時点で空き家数が約89.8万戸あり、2018年の調査より11%増えました。

東京都は全国で最も空き家数が多いエリアです。都は現在、解体や創業支援などの対策を強化しています。現在では、東京都で空き家税の導入は予定されていませんが、今後さらに空き家が増えれば、活用促進に向けて新たな制度が検討される可能性はあるでしょう。

Q3固定資産税と空き家税は何が違いますか?

A. 固定資産税は土地や建物を所有している人に課される税金で、全国共通の制度です。一方、空き家税は空き家の活用や流通を促すことを目的に、一部の自治体が独自に導入・検討している税金で、すべての地域で課税されるわけではありません。

Q4空き家は放置すると固定資産税が高くなることがありますか?

A. はい、あります。適切な管理が行われず、自治体から「管理不全空家」や「特定空家」として勧告を受けると、住宅用地の特例が解除され、固定資産税が高くなる場合があります。

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まとめ:空き家は「売却」という選択肢も検討しよう

まとめ:空き家は「売却」という選択肢も検討しよう

空き家は、誰も住んでいなくても固定資産税や維持費、管理費などの負担がかかり続けます。さらに、建物の劣化や売り時を逃すリスク、将来的な相続問題など、目に見えない負担も時間とともに大きくなっていくのが悩ましいものです。

大切なのは、「いつか使う」と先延ばしにすることではありません。今の状況を把握したうえで、保有・活用・売却のどれが自分に合っているのかを判断することです。売却をまだ決めていない場合でも、まずは現在の資産価値を知ることから始めてみましょう。

HowMaのAI査定なら、無料で現在の売却価格の目安を確認できるため、「今売るか」「しばらく保有するか」を判断する材料になります。

さらに、売却を具体的に検討する段階では、HowMaコラボ査定を利用すれば、AI査定に加えて最大6社の不動産会社による査定額や売却提案を比較でき、自分に合った会社や販売戦略を選びやすくなります。まずは客観的な相場を把握し、納得できる選択につなげてみましょう。

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