不動産売買における瑕疵担保責任ってなに?【2024年最新版】

不動産の売買契約には「瑕疵担保責任」に関する事項が必ず出てきます。瑕疵担保責任と聞いても、あまり馴染みがない言葉なので、イメージがつきにくいかもしれません。

「瑕疵」とは、簡単に説明すると、売却する不動産の欠陥や傷のことです。売却する不動産に欠陥や傷があった場合に売主が買主に対して責任を負うことが「瑕疵担保責任」です。

万が一、売主が瑕疵担保責任を負う事態となれば、売却不動産の欠陥を是正しなければならず、多額の現金の出費や最悪の場合、契約自体そのものが解除となる可能性があります。
せっかく頑張って不動産を売却したのに、後から瑕疵担保責任を負うことになってしまっては元も子もありません。

これから紹介する「瑕疵担保責任が問われる条件」、「瑕疵担保責任で問われる4種類の瑕疵」、「当事者別の売買契約における瑕疵担保責任の期間」などをご覧いただき、売買契約を締結する前に瑕疵担保責任についてしっかりと理解しておきましょう。

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瑕疵担保責任が問われる条件

冒頭でも触れましたが、売却した物件に瑕疵(=欠陥)が存在したときは、売主は買主に対して瑕疵担保責任を負うことになります。

ただし、「瑕疵があれば、何でも売主が責任を負わなければならない」という訳ではありません。買主が売主へ瑕疵担保責任を追及するには下記の2つの条件に全て該当している必要があります。

①    瑕疵が「隠れた瑕疵」であること

隠れた瑕疵とは、売主が売買契約時までに知らなかった物件の瑕疵のことです。
例えば、シロアリの被害や土地の土壌汚染などは普段の日常生活で発見するのは困難です。
売却物件にシロアリ被害があるのに売主はその事実を知らないまま買主へ売却したとします。
そして、買主が購入後に実際に住んでみて、シロアリ被害を発見した場合は、買主は売主へ瑕疵担保責任を追及することができるのです。

一方で、シロアリ被害があることを売主が知っており、事前に買主へシロアリ被害の事実を伝えていれば、売主が瑕疵担保責任を問われることはありません。
それは「隠れた瑕疵」ではないからです。
ただし、この場合はシロアリ被害分の金額を物件から値引きされて売買されることになります。
ちなみに売主がシロアリ被害の事実を知っているのに故意に買主へ伝えなかった場合、売主は瑕疵担保責任を負うことになります。

②    買主が「隠れた瑕疵」について「善意無過失」であること

法律の専門用語になりますが、善意とは、「ある事実を知らないこと」、無過失とは「過失(落ち度)がないこと」です。
買主が売主に対して瑕疵担保責任を追及するには、瑕疵について善意
無過失である必要があります
要するに、買主は瑕疵について知らないこと、瑕疵を知らないこ
とに何かしらの落ち度がないという状態が必要です。

法律的なややこしい説明になってしまいましたが、あまり難しく考える必要はありません。
基本的に売主自身が知らない瑕疵の存在を買主
のみが知っているというケースはありません。
買主は瑕疵の存在を知らない状態と理解しておい
て大丈夫です。

以上のことから、売主が瑕疵担保責任をできるだけ避ける方法としては、あらかじめ知り得るかぎりの物件の欠陥について、ありのまま相手に伝えてしまうことです

「売却物件の欠陥を正直に伝えてしまうと誰も買ってくれなさそう」、「買主から欠陥を理由に売却金額を値下げされそう」など売主からすると不安に感じてしまうかもしれませんが、後々にトラブルを防ぐためにも必ず事実を伝えておきましょう。

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瑕疵担保責任で問われる4種類の瑕疵

瑕疵担保責任で問われる瑕疵には4種類があります。
ここでは、「物理的瑕疵」、「心理的瑕疵」、「法律的瑕疵」、「環境的瑕疵」について、それぞれどのような内容なのか解説していきます。

①    物理的瑕疵とは?

物理的瑕疵とは、売却する土地や建物に物理的な欠陥が存在していることをいいます。物理的瑕疵は、「土地に関する物理的瑕疵」と、「建物に関する物理的瑕疵」に分けることができます。

<土地に関する物理的瑕疵>

具体的には、土地の土壌汚染や地盤沈下、隣地との境界で越境が発生している、地中埋蔵物があるなどです。
どれも瑕疵の内容としては非常に重く簡単に修復できるようなものではありません。
例えば、土地に地盤沈下が起きていれば、最悪のケースではその土地に建物を建てることができなくなってしまいます。

<建物に関する物理的瑕疵>

具体的には、建物のシロアリによる被害、天井からの雨漏りや外壁からの漏水、アスベストの使用、建物の構造上の欠陥があるなどです。
これらの瑕疵も土地の瑕疵と同様に簡単に修復できるものではありません。
修復・是正の工事をするには、ある程度の出費を覚悟しなければなりません。

②    心理的瑕疵とは?

心理的瑕疵とは、土地の敷地内や建物内で自殺・殺人、何かしらの事件・事故による人の死亡、火災などが起きたことにより住むうえで精神的な苦痛、つまり、嫌な気分になってしまう事由が存在しているということです。
この心理的瑕疵については、よくアパートなどの賃貸物件でも出てくることが多いので、わりとイメージはつきやすいかと思います。
心理的瑕疵の難しいところは、精神的苦痛をどのように測るかということです。
事件や事故に対する捉え方は、人それぞれに違いがあります。
そこで心理的瑕疵を判断する
1つとして、「心理的瑕疵の事実を知っていれば購入を見送った」と買主が判断するかどうかという基準です。
もし、購入を見送るくらい買主にとって精神的に苦痛だったと判断されれば心理的瑕疵になってしまいます。
ただし、「瑕疵担保責任が問われる条件」の繰り返しになりますが、事前に売主から買主へしっかりと事実を伝えていれば「隠れた瑕疵」にはなりませんので、売主が瑕疵担保責任を問われることはありません。
万が一、売却物件に自殺・殺人などの心理的瑕疵に該当する事実があったとしても、正直に買主へ伝えておくことで防ぐことができるのです。

③    法律的瑕疵とは?

法律的瑕疵とは、法律により不動産を使用することに制限を掛けられてしまうことです。
住宅を建てたり、居住する際には、「都市計画法」や「建築基準法」などの法律が関わってきます。
これらの法律の定めによっては、土地に建物を建てられなかったり、既に建物があっても違法建築と判断される場合があるのです。
具体的な事例としては次のようなものが挙げられます。

1) 物件が市街化調整区域にあるので建物の再建築が不可能(都市計画法)
2) 物件が崖などの急傾斜地にあるので建物の建築に制限がある(建築基準法)
3) 物件が道路に1mしか接しておらず接道義務を満たしていないので建物の再建築が不可能(建築基準法)
4) 物件が規定されている建ぺい率や容積率の上限を超えているので違法建築物となる(建築基準法)

 
これらの事例のような建物の再建築が不可能な物件は、不動産としての資産価値が大幅に減価されるだけでなく、買主としても銀行の住宅ローンを組めないというデメリットがあります。
法律的瑕疵の物件は売主も買主も細心の注意が必要となりますが、不動産に詳しくない一般の方にとっては、売買物件が都市計画法や建築基準法に遵守しているかどうか判断できないというのが現実だと思います。
 
でも大丈夫です。なぜなら、売却する物件が法律的瑕疵に該当しているか調べるのは、不動産仲介会社の役目だからです。
不動産仲介会社は売却の依頼を受けた物件に関して、役所調査や現地調査、権利関係の調査など徹底的に調査を行います。
なので、もし法律的瑕疵に該当していれば、調査の時点で判明するので売買契約前に買主へしっかりと伝えておけるのです。
 
 

④    環境的瑕疵とは?

環境的瑕疵とは、物件の周辺環境に瑕疵が存在していることをいいます。これまでに紹介した「物理的瑕疵」、「心理的瑕疵」、「法律的瑕疵」が物件そのものに瑕疵があることに対して、環境的瑕疵は、物件自体に瑕疵はありません。環境的瑕疵は、物件周辺に嫌悪施設があることです。嫌悪施設とは具体的に次のようなものを指します。

1)物件周辺に暴力団関連の施設がある
2)物件周辺にゴミ屋敷やごみ焼却所などの臭気を発生させる施設がある
3)物件周辺に保育園や幼稚園などの騒音を発生する施設がある

これらの施設を嫌悪施設と判断するかどうかは主観的な意味合いが強いです。

なので、上記で挙げたような「嫌悪施設として判断する方が多い施設」を中心に買主へあらかじめ告知する必要があります。

不動産仲介会社も物件周辺に嫌悪施設があるか調査はしますが、これまで物件を所有していた売主だからこそ知っている嫌悪施設もあるかと思いますので、積極的に情報を伝えていきましょう。

ちなみに上記例の3)ですが、現代では子供たちの遊び声やはしゃぎ声は騒音と捉える方が多く、保育園や幼稚園は嫌悪施設として認識される場合があります。

ワンポイント解説<事故物件の告知義務はいつまで?>

自殺や殺人などの事故、事件があった物件をよく事故物件と呼びますが、実は事故物件の明確な定義は存在していません。
それと同様に事故物件の借主、買主に対しての告知義務も明確な決まりは無く、ケースバイケースで判断されることが多いです。過去の裁判所の判例を見ても、賃貸物件であれば「事故発生後の次の入居者には告知義務はあるが、その次の入居者(事故発生から
2組目の入居者)には告知義務は無い」といったものから、売買物件であれば「事故発生後50年経過しても未だに買主への告知義務は必要」と判断されたケースもあるのです。

以上の理由から、後々のトラブル防止のために物件を仲介する不動産会社としては、過去に起きた事件、事故については発生した時期に関わらず、買主へ告知するようにしています。

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事前に瑕疵の存在を見つけるためには?

ここまで瑕疵担保責任の条件や概要を紹介してきましたが、事前に物件の瑕疵を見つける方法はあるのでしょうか?

ここでは、瑕疵を発見する方法の1つ「インスペクション(建物状況調査)」について解説していきたいと思います。
インスペクションとは、中古住宅の売買取引時に問題がある建物なのか、そうでない建物なのかを建物構造や雨漏り・漏水などの面から調査を行う建物診断のことです。
すでに紹介しましたが、建物の構造面と雨漏り・漏水などについては
4種類の瑕疵のうち、「物理的瑕疵」に該当します。
インスペクションを実施することにより、物理的瑕疵の有無を判明したうえで、売買契約を締結できるため売主と買主の双方にメリットがあります。
これまでにもインスペクションという建物調査は存在していたのですが、不動産業界内でも知名度がなく、あまり活用されてきませんでした。
しかし、「これからの日本の住宅市場については、中古住宅の流通に力をいれよう!」という国土交通省の意向により、
201841日に宅地建物取引業法の改正があり、不動産会社によるインスペクションのあっせんの有無を媒介契約書や売買契約書などに記載しなければならないことになりました。

インスペクションを行う人は国土交通省が指定した建築士になります。
また、インスペクションを実施するには別途費用が掛かってしまいますが、物理的瑕疵があるか無いかを売買契約前に知れることは非常に有効だと思います。
大手不動産会社のなかには、専任媒介契約の締結を条件にインスペクションを無償で提供してくれるところもあるようです。
売却する物件に少しでも物理的瑕疵の可能性があると感じたら、積極的にインスペクションを行ってみましょう。

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売主が瑕疵担保責任を回避する方法とは?

売主が瑕疵担保責任を回避する方法の1つとして「瑕疵保険」に加入することが挙げられます。
瑕疵保険とは、買主から売主へ瑕疵担保責任を追及されたときに売主の代わりとなって買主へ賠償してくれる保険のことです。
この瑕疵保険の良い点は売主と買主の双方にメリットがあります。

売主にとっては、瑕疵保険に加入することで万が一のリスクに備えることができますし、買主にとっては、住宅ローン減税やすまいの給付金などの嬉しい特典を受けることができるのです。

ただし、瑕疵保険に加入できる物件には、新耐震基準を満たす物件(=1981年6月以降に建築された物件)、床下点検口・天井点検口が付いている物件に限定されるなど、いろいろな加入条件がありますので、詳細は不動産会社へ問い合わせてみてください。
瑕疵保険の保険料は
10万円程度が相場です。
10万円を支払うことで多額な損害費が出る瑕疵担保責任を回避できるのであれば、コスパ的にも大いにメリットがあるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、「不動産売買における瑕疵担保責任ってなに?」をテーマに瑕疵担保責任の内容や条件、そして瑕疵見つけるためのインスペクション制度や瑕疵保険について解説してきました。最後に今回紹介したなかでも重要な部分をピックアップしてまとめましたので、瑕疵担保責任のおさらいとしてチェックしてみてください。

<瑕疵とは>

売買する物件に欠陥や傷などの問題があること

<瑕疵担保責任とは>

売買物件に瑕疵があった場合、売主が買主に対して責任を負うこと。責任を負うとは、瑕疵の是正工事や損害賠償の支払いを指す。最悪のケースは売買契約の解除もありえる。

<瑕疵担保責任の条件>

①    瑕疵が「隠れた瑕疵」であること
②    買主が「隠れた瑕疵」について「善意無過失」であること

<4種類の瑕疵とは>

①    物理的瑕疵・・・土地の土壌汚染や地盤沈下、建物のシロアリ被害や雨漏り・漏水など
②    心理的瑕疵・・・自殺や殺人などの事件・事故など
③    法律的瑕疵・・・都市計画法や建築基準法に違反した物件、再建築が不可能な物件など
④    環境的瑕疵・・・物件の周辺に嫌悪施設など(暴力団事務所、ごみ焼却所など)があること

<事前に瑕疵の存在を見つけるためには>

インスペクション(建物状況調査)を実施することにより、物理的瑕疵の有無が判明できる。宅地建物取引業法の改正により、現在は媒介契約時に不動産会社からインスペクションについての説明義務がある。

<売主が瑕疵担保責任を回避する方法とは>

瑕疵保険に加入する。瑕疵保険に加入している物件は、住宅ローン減税やすまいの給付金を受け取れるなど、買主へのメリットも大きい。保険料は10万円程度。詳細は不動産会社に確認してみよう。

 
 
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