はじめてマンションを買う前に知っておきたい知識④ 〜坪単価と徒歩分数表示〜

シリーズで紹介している本コラムも今回で第4回目となりました。

少しずつでもいいので、本コラムを通じてマンションや不動産取引の知識を深めていってほしいと思っています。

後悔の無い満足のいくマイホーム購入に向けて一緒に勉強していきましょう!

不動産のプロは坪単価で価値を判断する 〜坪単価と徒歩分数表示〜

あなたはマンション価格の高い、安いをどのように見分けているでしょうか?

大体の方は、間取りと総額を比較して判断するようですが、不動産会社などのプロはそうではありません。

不動産会社は坪単価でそのマンションの価値を判断します。

この坪単価を利用すると、そのマンションの価値を理解しやすくなるだけでなく、他マンションとの比較も簡単にできてしまいます。

そもそも「坪」とは、1坪=約3.3㎡の大きさを示し、坪単価はマンション価格÷専有面積で算出します。

〈例〉
5,000万円(マンション価格)÷70㎡(専有面積)=71万円/㎡
71万円の単位を㎡から坪に変えると、71万円 × 3.3=234万円/坪

→このマンションの坪単価は234万円になります

不動産会社は、マンションに限らず不動産の価値を調べる時は、総額から坪単価に割り戻してから判断します。

ここが一般の方とプロの違いの1つです。もし気になるマンションがあるならば、まずは坪単価はいくらになるのか計算して、近隣エリアの条件が近いマンションの坪単価と比較してみましょう。

これだけで、そのマンションが割高なのか割安なのか、おおよその判断が出来てしまうのです。

ちなみにマンションは、需要が高くなり坪単価が上昇している局面では、面積を圧縮して総額を抑える傾向にあります。

一方、需要が低迷して坪単価が下落している局面は、面積を広げて総額を増やす傾向があります。

総額だけで見ると、どちらとも同じような金額になりますが、面積や仕様で差が発生します。

不動産業界では、面積を圧縮して総額を抑えたマンションのことを「圧縮間取り」と呼び、極端な圧縮間取りは中古マンションとして売りに出した時に流通性に劣る傾向があると言われています。

広告の徒歩分数表示を信じてはいけない?

マンション広告には、そのマンションから最寄り駅までの徒歩分数が記載されています。

「広告には徒歩10分と書かれているのに、実際に歩いてみたら15分もかかってしまった!」というのはよくある話です。

これは不動産会社が交通の利便性を実際より良く見せるために嘘をついている!、、、、というわけではありません。

マンション広告には色々とルールが定められているのですが、駅から徒歩10分という時の駅の起点は、駅の出入り口になります。

マンションから1番近い出入り口が起点となるので、そこからホームまでの距離はカウントされません。

このようなルールのおかげで、広告での徒歩分数と実際の徒歩分数で大きく差がでる駅があります。

筆者がパッとすぐ思いつくのは品川駅の港南口でしょうか。

「品川駅(港南口)から徒歩5分」と表示されていても、品川駅で電車を降りてから港南口にたどり着くまで最低5分はかかります。

あの長い長い品川駅内の通路を歩かなければならないので、実際は倍の10分くらいかかってしまうのです。

また、広告ルールでは、徒歩時間を80m=1分で計算していますが、最寄り駅からマンションまでの道中に、急な坂道や長い信号待ち、開かずの踏み切りなどがあったとしても、どれも80m=1分で計算されるため、これらの要因は考慮されません。

つまり、道中に何かしらの時間的ロスが生ずる要因があっても無くても、距離が同じなら同じ徒歩分数表示になるのです。

広告の徒歩分数表示はあくまで参考程度にしておき、実際に歩いてみて自分自身の時計でどれくらいかかるか測ることが重要です。