不動産の登記を知ろう!

不動産の登記を知ろう!

今回は不動産の登記について取り上げます。

不動産を購入、売却した時や住宅ローンを設定、解除した時には登記手続きが必要となります。

なぜ登記を行う必要があるのでしょうか?

また、登記にはどのような種類があるのでしょうか?

登記はなぜ必要なのか?どのような種類があるのか?

そもそも登記をする意義とは何でしょうか?

例えば、第三者が取引の対象となる住宅を見ただけでは、住人が所有者として住んでいるのか、それとも誰からか賃借しているのか明確には分かりませんよね。

そこで登記をすることによって、その不動産の所有者または賃借人の権利を第三者に対抗することができます。

つまり、登記はその不動産の権利関係を明確にして、不動産取引の円滑化を図る役割があるのです。

それが不動産の登記制度と呼ばれているものであり、登記の内容は不動産登記簿に記録されることになります。

登記簿には、「表示に関する登記」と「権利に関する登記」の2種類に大きく分類されます。

表示に関する登記

例えば土地であれば、所在地(住所)、地番、地目、地積(面積)、建物であれば、所在地(住所)、構造、建物面積などが登記されます。

不動産そのものの概要を登記するといったイメージを持ってもらえば理解しやすいかと思います。

権利に関する登記

不動産に関わる権利関係を示したもので、所有権や抵当権の設定、変更が発生した時に行われるもので、不動産登記制度の中核的なものとなっています。

登記できる権利と登記の公信力

登記できる権利は、所有権、地上権、永小作権、地役権、先取特権、質権、抵当権、賃借権、採石権の全部で9種類しかありません。

一般的な不動産売買でよく見かけるのは、所有権と抵当権です。

特に所有権に関しては、所有権を阻害する権利として、たまに「差押え」などの権利が登記されている場合があるので、実際の売買取引時には注意が必要です。

差押えなどの登記がされている不動産を購入する場合は、必ず売主に抹消をしてもらったうえで、所有権の移転をしてもらいましょう。

所有者の税金の滞納等から国税庁が不動産の差押えを行うケースは決して珍しくありません。

他にも身近な事例として、アパートを賃借する際の賃借権があります。

本来であれば賃借権が登記されることになりますが、実態としては、賃借権の登記がされるケースは非常に稀で、賃借人は登記に代わり部屋の引渡しを受けること(貸主から部屋の鍵を受領する)によって賃借権の登記に代替して保護されることになります。

次に登記の公信力についてご説明します。

先ほど述べたように、登記の意義とは、その登記内容通りの権利関係が存在することを第三者に証明するためにあります。

ですから、その登記内容を信じて売買取引をした人を保護すべきだとも考えられます。

これを「登記の公信力」と言いますが、残念ながら現在の登記制度では、この公信力は認められていません。

つまり、登記簿を信じて登記上の所有者から不動産を購入しても、実は真の所有者ではなかった場合、買主は所有権を得ることができないのです。

本当の所有者なのかを見極めるためには、登記上の内容だけでなく、固定資産税評価証明書や登記識別情報(昔でいう権利証です)等の幾つかの視点で確認する必要があるのです。

登記を申請するには

最後は登記申請の手続きについてご紹介します。

登記申請は不動産が所在しているエリアを管轄している法務局で行います。

不動産登記法という法律により、不動産の権利に関する登記の手続きについては、共同申請主義の原則を採用しています。

つまり、登記をしようとする当事者(売買取引であれば売主と買主)が共同で申請する必要があるということです。

申請時に必要な書類としては、登記識別情報通知、売買契約書、運転免許証や住民票などの本人確認書類、印鑑証明書、固定資産税評価証明書などが挙げられます。

しかし、不動産会社が仲介する売買取引は、この登記申請の手続きは司法書士に委任するのがほとんどです。

売主や買主が実際に法務局に出向くことは基本的にありませんので、登記申請の方法については予備知識程度で問題ないかと思います。