「不動産会社の査定額を鵜呑みにせず、自分で価値を判断することが重要です」
そう語るのは、宅建資格を持ち、長年法律関係のお仕事に携わるIT企業勤務の新居様。転職に伴い、23年間住んだご自宅を売却するにあたり、複数の査定サイトを利用。その中でHowMaのAI査定を「売却価格の最低ラインを知るための客観的指標」として戦略的に活用し、見事、購入時よりも高い価格での売却を成功させました。
なぜ、数ある情報の中から冷静な判断ができたのか? 不動産会社をどう見極め、強気の価格設定をいかにして実現したのか? AIや周辺事例を活用する賢い不動産売却術は、すべての売主にとって大きなヒントとなるはずです。
【この記事で見えたポイント3つ】
- AI査定は最低ライン。そこに家の状態など付加価値を加算し、売り出し価格を設定
- 早期売却を狙うため、囲い込みをしない「片手仲介」という基準で会社選定
- チャレンジ価格からスタート、2週間の内見数を見てから大幅値下げで、高額売却を実現
売主様プロフィールと売却の概要
| 新居 健一様 | 新居 健一様 |
| ご年齢 | 50代前半 |
| 物件のエリア | 大阪市 |
| 物件種別 | 戸建て |
| 成約価格 | 3,500万 |
| 間取り | 5LDK |
| 売却期間 | 2ヶ月 |
| 売却理由 | 転勤による住み替え |
購入の経緯は子供の成長と資産形成
ーーこの度は、ご売却完了おめでとうございます。まず最初に家族構成を教えてください。
新居様:ありがとうございます。家族は4人で、今は子供が1人独立したので、今は3人暮らしです。
ーー今回売却した戸建てを購入した経緯を教えてください。
新居様:上の子供が生まれて3年くらい経って大きくなってきたことと、給料も少しずつ上がってきた時期で「どうせ家賃を払い続けるなら、自分の資産になる家を」と考え、家を購入することを決めました。母が近くに住んでいたこともあり、このエリアに絞って探しました。
転職決定。売却活動は時間との戦い
ーー23年住まれた愛着のあるご自宅の売却を決意された理由は何だったのでしょうか?
新居様:東京への転職が決まったからです。2月の終わりに転職が決まり、5月1日から新しい会社での勤務が始まるという、かなりタイトなスケジュールでした。その間に、東京での新しい住まいを探しつつ、大阪の家を売却する必要があったんです。
ーーそれはお忙しかったですね。売却活動はどのように始められましたか?
新居様:まずはインターネットで情報収集をしました。「一括査定サイト10選」のような比較記事を読んで、いくつか目星をつけました。その中で、大手で安心感があること、そして「しつこい勧誘が来なさそう」という印象から、HowMaさんを含め、3つほどのサイトに登録しました。
宅建の知識を活かし、AI査定を「最低ライン」に見定める
ーーHowMaのAI査定をご覧になった第一印象はいかがでしたか?
新居様:正直なところ、あくまで「参考の1つ」として見ていました。私自身、宅建の資格を持っており、法律関係の仕事にも長く携わっていたので、不動産の知識は人よりあるという自負がありました。
ですから、AIが弾き出した価格が全てだとは思っていませんでした。むしろ、「市場の客観的な評価、つまり最低ラインの価格がこのくらいなんだな」というベンチマークとして捉えていました。自分の売りたい価格と、AIが示す価格にどれくらい差があるのかを知る、良い指標になりましたね。
ーーなるほど。AI査定額を基準に、ご自身の知識で付加価値を判断されたのですね。
新居様:その通りです。私の家は駅からも近く、小学校も目の前という好立地でした。5LDKと部屋数も多く、これから子育てを始めるファミリー層には間違いなく需要があるだろうと。AI査定の価格に、そういったプラスアルファの価値を上乗せすれば、もっと高く売れるはずだと考えていました。
「囲い込みしない」を基準に1社に絞り、強気の価格でスタート
ーー最終的に、査定依頼は何社に出されたのですか?
新居様:合計で6〜7社です。知名度が高そうな会社や地元に強い会社に依頼し、5社から査定書が届きました。提示された査定額は本当に様々で、2,800万円という低いところもあれば、さすがに現実味ない4,000万以上のところもありました。
ーーその中から、専任で媒介契約を結んだ1社をどのように選ばれたのでしょうか?
新居様:決め手は2つです。まず、売り出し価格の提案が、こちらの考えていた価格帯と近く、妥当だと感じられたこと。そして、これが最も重要だったのですが、両手(※)取るために囲い込みされるのは嫌やったんで、「うちは絶対に片手仲介です」と明言してくれたことです。
※両手仲介:売主と買主の双方から仲介手数料を得ること。両手仲介を狙うために、他社からの買主紹介を断る「囲い込み」が問題になることがある。詳しくは次の記事を併せてご覧ください。
空き家になったら誰も掃除しないし、置いとけば置いとくほど市場価値下がるし、早く売りたいという気持ちはありました。
ただ、早く売りたいけど、足元を見られて買い叩かれるのは嫌だった。だから囲い込みしない「片手仲介」の会社が一番だなと。そして専任媒介なら、レインズに掲載してもらえるので、いろんな会社に早くつないでもらえるだろうと思いました。
その会社は上場企業の子会社で、社名変更をして全然知らなかったものの、四季報で確認できたのも安心材料でしたね。仕事をしてると、結構四季報をよく使うんですよ、刊行物の方が客観的に書いてあるから信頼できるんです。
ーー四季報まで確認するというお話は初めて伺いました。最初の売り出し価格は、いくらに設定されたのですか?
新居様:3,980万円です。元々、23年前に3,250万円で購入した家ですが、不動産価格の上昇分を考えれば、十分狙える価格だと判断しました。
GWにまさかの内見ゼロ、価格設定の重要性を痛感
ーーいつ頃売り出されたんですか? 3月に一括査定を使い、いつ売り出したのでしょうか?
新居様:4月です。でも本当はもっと早く売りたかったんです。引っ越しシーズンとか新学期とか、その前に売り出したかったんですけど、不動産業者をどこにしようか迷ってるうちに、結局4月になってしまいました。
ーー4月に売り出しを開始されて、反響はいかがでしたか?
新居様:それが、最初の2週間は思っていたよりも少なかったですね。「ゴールデンウィークには内見がたくさん来ますよ」と不動産会社の方に言われていたのに、全く来なくて。「この価格では難しいな」と判断し、ゴールデンウィーク明けに3,680万円に値下げしました。
ーー値下げ後の反応はいかがでしたか?
新居様:効果はてきめんで、そこから5〜6件の内見申し込みがありました。本当に、価格設定の重要性を改めて感じましたね。
ーー内見の対応は大変だったのではないですか?
新居様:私は5月1日から東京での勤務が始まっていたので、最初は妻が対応してくれていました。その後、5月中旬に賃貸を借りて、家族全員が東京へ引っ越してからは、空き家になったので、不動産会社の方に鍵を預けて全てお任せしていました。
AI査定額を300万円上回る価格で成約!最後まで価格交渉が続いた
ーー最終的に、いつ頃、どのようにして売却が決まったのでしょうか?
新居様:5月の下旬頃だったと思います。内見に来られた方から「3,500万円で買いたい」というお話をいただき、もうそのぐらいならいいかと決めました。
その方は、元々うちともう1軒、同じような広さで4,200万円の物件と迷っていたそうです。ただ、リフォーム費用も含めたローン審査が通らなかったので、こっちに来てくれたと。うちの物件ならローンが通るということで、こちらに決めてくださいました。
ーー価格交渉はありましたか?
新居様:はい。先方からは当初3,480万円という提示でした。しかし、こちらも先方のローンの都合で引き渡しが7月中旬まで延びることを了承していたので、「その条件を飲む代わりに、キリよく3,500万円にしていただけませんか」と交渉し、合意に至りました。
ーー結果的に、HowMaのAI査定額(約3,200万円)よりも300万円、23年前の購入価格よりも250万円高く売れたわけですね。
新居様:そうですね。6年前に、同時期に建てられた隣の家が2,500万円で売りに出されていたのを知っていたので、それと比較しても非常に満足のいく結果になりました。
これからの不動産売却とHowMaの活用法
ーー今回、売却を成功させて、改めて感じたことはありますか?
新居様:やはり、不動産会社やAIの査定を鵜呑みにせず、売主自身が主体的に戦略を立てることが何より重要だということです。そのためにも、HowMaさんのようなツールで客観的な市場価格を把握しておくことは、非常に有効だと感じました。
ーー今後、ご自宅の購入も検討されているそうですが、その際もHowMaをご利用になりますか?
新居様:ええ、ぜひ活用したいですね。今僕埼玉に住んでるんですけど、会社まで遠いんです。だから職場に通勤しやすい場所にマンションを買おうと考えていて。購入したらマンションの資産価値がどう推移していくのか、定点観測するために登録しておこうと思います。
また、大阪で母が住んでいる家も、将来的には売却の可能性があるので、今回の経験を活かしてハウマを再度利用したいです。
ーー最後に、HowMaはどんな方におすすめできると思いますか?
新居様:不動産や法律の知識があまりない一般的な方でも、非常に使いやすいサービスではないでしょうか。私のようにある程度知識がある人間にとっては「判断材料の一つ」でしたが、情報が何もない方にとっては、まず「何から始めればいいか」を示してくれるので、最初の一歩に良いと思います。
ーー本日は、貴重なお話をありがとうございました。