2025年11月更新|オーナーチェンジ物件を売買するときには何に気をつけるべき?

オーナーチェンジとは入居者がいる収益物件を売買すること

オーナーチェンジ物件とは、入居したままの状態で売買される収益物件のことです。賃貸契約を結んだまま、物件の所有者(貸主)だけが変わるため、「オーナーチェンジ」と呼ばれています。

一見すると「入居者がいる=空室リスクがないから安心」と思われがちですが、実際には敷金返還・修繕対応・入居者トラブルなど、貸主としての義務もすべて引き継ぐため、マイホーム購入よりも注意点は多くなります。

そこで本記事では、

  • オーナーチェンジ物件のメリット・デメリット
  • 見落としやすい落とし穴
  • 失敗しないための5つの見極めポイント

をわかりやすく解説します。

オーナーチェンジ物件の2つのメリット

オーナーチェンジ物件を購入するメリットは2つあります。

  1. 入居してもらうまでの手間・費用が不要
  2. 所有した日からすぐに家賃収入を得られる

1. 入居してもらうまでの手間・費用が不要

もし空き家を購入して貸し出す場合、リフォーム、賃料設定、書類作成、入居者募集・審査…など多くの作業が必要です。

しかしオーナーチェンジ物件は、すでに入居者がおり賃貸契約も成立しているため、入居者募集の手間も初期費用もほぼ不要で始められます。

また、入居中の物件は「自己使用ができない」という制約があるため、空き家より安く購入できることも多いのが特徴です。

2. 所有した日からすぐに家賃収入を得られる

空室物件は入居者募集→内見→賃貸契約成立までに時間がかかりますが、オーナーチェンジ物件なら、
購入したその日から家賃収入が入るため、収支の見通しを立てやすくなります

キャッシュフローが即日発生する点は、投資初心者にも大きなメリットです。

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オーナーチェンジ物件で気をつけるべき5つのポイント

メリットが大きいオーナーチェンジ物件ですが、空き物件の不動産投資とは違って気をつけなければいけない点を5つ解説します。

  1. 契約リスク:サブリースか
  2. 収支リスク:利回り・ランニングコスト
  3. 入居者リスク:敷金精算や入居者トラブルは新オーナーが全て引き継ぐ
  4. 修繕リスク:居住中は内見不可能のため室内状態が見れない
  5. 市場リスク:新築ボーナスには注意

それぞれについて詳しく説明します。

1. 契約リスク(サブリースかどうかを確認)

オーナーチェンジ物件を購入するとき、最初に確認すべきなのは「エリア需要」「サブリース契約の有無」です。サブリースは空室リスクを抑えられる一方で、市場家賃の上昇局面では足かせになる可能性があります。

賃貸需要が高いエリアでは、サブリースが邪魔になるケースもある

都心部など「空室リスクが低く家賃が上がりやすいエリア」では、サブリースにより 家賃増額がほぼ期待できなくなることが最大のデメリットです。

理由はシンプルで、

  • サブリース会社は「オーナー → サブリース会社 → 入居者」の中間に入る
  • オーナーは入居者と直接交渉できない
  • サブリース会社は簡単には家賃を上げない(契約維持を優先)
  • 契約解除も簡単ではない(期間拘束がある)

という構造になっているからです。

市場が上がっても、自分の家賃だけ上げられず、キャッシュフローの伸びが止まってしまうことがあります。

需要が低いエリアではサブリース(家賃保証)は保険として有効

逆に「空室リスクが高い地方や郊外」では、サブリースは家賃保証という安定収入のメリットが大きく働きます

  • 空室期間を心配せず運用できる
  • 引き渡し後すぐに収入が入る
  • 管理の手間も減らせる

など、初心者にとってはメリットが大きい仕組みです。

つまり、サブリースが良い・悪いではなく「エリア需要」との相性がすべてなのです。

  • 家賃が上がりやすいエリア → サブリースは足かせになりやすい
  • 家賃が下がりやすい/空室が出やすいエリア → サブリースは保険になる

オーナーチェンジ物件は「利回り」だけでなく、サブリース契約の有無と、中身(期間・賃料改定ルール・解除条件)を必ず確認して判断しましょう。

2. 収支リスク(利回り・ランニングコストを確認)

オーナーチェンジ物件では、表面利回りだけを見て判断してしまいがちですが、本当に見るべきなのは「毎月いくら手元に残るか(実質利回り)」です。

賃料収入から

  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 管理委託費(管理会社を使う場合)
  • 固定資産税(月割)

などのランニングコストを差し引くと、手取り額が大きく変わることがあります。

また、修繕積立金が安すぎる物件は要注意です。今はキャッシュフローが良く見えても、積立不足のまま大規模修繕を迎えると、管理組合が借入を行う可能性が高いです。その結果、

  • 将来のランニングコストが上昇しやすい
  • 管理状態が悪化し、資産価値が下がる
  • 買い手がつきにくくなる(出口戦略が難しくなる)

といったリスクが生じます。

(よくある例)家賃10万円なのに、手取りはわずか0.2万円

不動産投資は「家賃=収入」ではありません。ランニングコストを差し引くと、手元に残る金額は大きく変わります。

家賃:10万円
− ローン返済:7万円

− 管理費:0.5万円
− 修繕積立金:0.5万円

− 諸経費:0.3万円(修繕費・保険料・入居募集の広告費など)

− 管理委託:0.5万円(家賃の5%)

− 税金:1万円(固定資産税・所得税などの月割)
= 手取り:0.2万円

家賃が高くても、手取りが残らなければ意味がないため、オーナーチェンジ物件は特に「実質利回り」で判断することが必須です。

3.入居者リスク(敷金・礼金の精算は新しいオーナーの責任、入居者を審査できない)

オーナーチェンジ物件は、購入直後から家賃収入が得られるのが魅力ですが、
その入居者が退去する際の敷金返還義務は、新オーナーが引き継ぐ点に注意が必要です。

売買契約が完了した時点から、

  • 敷金の返金
  • 原状回復費用の精算
  • 退去立ち会いの対応

など、すべて「新しいオーナーの仕事」になります。

さらに悪質な例では、サクラ入居者を入れて満室に見せ、売却後すぐ退去するケースもあります。購入前に「敷金残高」「賃貸借契約内容」「入居期間」などを詳細に確認しておくことが重要です。

また、空き室のオーナーになる場合は、入居者の審査や勤務先、年収などの情報をオーナー本人が確認してから入居を許可できます。しかしオーナーチェンジの場合は、どのような入居者が入っているのか賃貸契約の情報だけでしか判断できません。

オーナーチェンジしてから入居者同士のトラブルに気付いたり、家賃の支払いがよく遅れる貸借人がいることを知ったりする可能性もあるので、次の3点について管理報告書や賃貸契約書を必ず確認しましょう。

  • 滞納履歴
  • 近隣トラブルの履歴
  • 勤務先・年収などの属性情報

また、サクラ入居者ではないかもあわせて確認してください。

4. 修繕リスク(居住中は内見不可能のため室内状態が見れない)

オーナーチェンジでは入居中の部屋の内部を確認できないため、貸借人が退去するまで部屋がどうなっているか、どこまでの修繕が必要かわかりません。退去時の室内状態が悪いと、大掛かりなリフォームや修繕、設備交換が必要になり、想定外の修繕費用が発生する可能性があります。

また、不動産は築年数が経過するほど修繕費も増えていく傾向にあります。すでに入居者がいるということは新築ではないため、築年数が経っている物件はそれだけ修繕が必要な可能性が高まります。

特に注意すべき点は次の3つです。

  • 入居期間が長い部屋(10年・20年など)は原状回復費が高額化しやすい
  • 築年数が経っている物件ほど、設備交換や大規模修繕の頻度が増える
  • 大規模修繕履歴が不明な場合、将来の出費が読みづらい

長期保有を検討している場合は、管理会社から工事履歴を必ず取り寄せ、共用部の修繕計画も確認することが必須です。

5. 市場リスク(新築ボーナスで誤認する)

オーナーチェンジ物件の利回りを見るとき、最も注意すべきなのが「新築ボーナス」です。

なぜなら新築1〜3年は特に家賃が高く見えて、空室リスクが低いので「利回りが良く見える錯覚がある」からです。

より良い物件の見抜くための、詳しいチェック方法は後述の「5. 新築ボーナスが乗っていないかを必ず見極める」の段落をご覧ください。

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より良いオーナーチェンジ物件を見極める5つのポイント

よいオーナーチェンジ物件を見極めるために、チェックしておきたいポイントを5つ紹介します。

  1. サブリース契約か、管理会社について詳しく調べる
  2. 実際に現地へ物件を見に行く
  3. 売却する理由を聞く
  4. 入居者との契約内容を確認する
  5. 新築ボーナスが乗っていないかを必ず見極める

すでにオーナーチェンジ物件では入居している人がいるため、空き家物件の購入のようにすべてを購入前に把握するのは難しいです。しかし購入してから「こんなはずではなかった」と後悔するリスクを減らすためにも、ぜひ確認してください。

1. サブリース契約か、管理会社について詳しく調べる

オーナーチェンジをする場合、管理会社のことも調べましょう。先述した通り、管理会社との契約形態が、サブリース方式か管理委託方式(集金代行のみ含む)かは、とても重要です。

そして管理委託契約書に記載されている解約予告期間や違約金の有無、管理業務の範囲や、手数料(家賃の何%か)も必ず確認してください。物件や入居者への対応状況などを、管理報告書や会計報告で確認してください。最近では物件オーナーへの報告レポートをアプリで確認できるなど、IT化が進んでいる管理会社も増えています。

管理会社の会社の経営が不安定ではサービス提供に影響が出る可能性があるので、会社規模や管理戸数、経営状況、属人化されていないか(担当者が不在の場合でも、他のスタッフが対応できる体制か)も確認しておきましょう。

オーナーになってから空き室が出て、入居者の募集をかける必要が出てくる可能性もあるので、入居者募集(仲介業務)に慣れている管理会社なら、なお良いでしょう。もし今の管理会社に不安があるようなら、別の信頼できる管理会社を探す必要があります。

2. 実際に現地へ物件を見に行く

入居中のオーナーチェンジは室内を見られないため、外観・共用部・周辺環境のチェックが物件判断の命綱になります。なぜなら、これらが将来の資産価値に直結する要素だからです。

特に共用部の管理状態は、そのマンションの住民の質や管理組合のレベルがハッキリわかります。

確認すべきは以下です。

  • エントランスやゴミ捨て場は清潔か
  • エントランスの掲示板にどういう注意書きが掲示されているのか
  • ポスト周辺のゴミ箱が溢れかえっていないか
  • 駐輪場整頓されているか、放置自転車の有無
  • 近隣住民のペット飼育状況・マナー
  • 植栽の手入れの様子

さらに、現地では次のような周辺の環境も把握できます。

  • 夜間の騒音や治安(幹線道路や高速道路など)
  • 近隣の開発予定(商業ビル・高層建物など日当たりに影響しないか)
  • 近隣の飲食店や、工場・農場、下水、ペットの臭い
  • 駅からの徒歩分数や坂道・階段の多さ
  • 通勤時間帯の交通量や渋滞状況
  • 建物の上を高圧電線が通っている・鉄塔が近い(賃料には影響ないが、売買で嫌煙される場合もある)

できれば昼間と夜、そして天気のいい日だけではなく雨の日などの様子も見ると、さらに騒音・治安・人通り・匂いなどがよく分かるでしょう。現地での確認は、購入後のトラブル回避につながります。

3. 売却する理由を聞く

オーナーチェンジ物件では、「売主がなぜ今売るのか」が物件の良し悪しを判断する最大のヒントになります。

好材料のケース:

  • 老後資金のため売却したい
  • 遠方に引っ越して管理が難しくなった
  • 価格が上がったから利益確定したい

要注意のケース:

  • サブリース契約の更新時に契約条件が悪化した
  • 家賃が下がり続け収支が悪化し、持ち続けると負担が大きい
  • 管理費・修繕積立金が値上がりした
  • 入居者トラブルを抱えている
  • 将来の大規模修繕が近く、修繕積立金不足が発覚した

売却理由に曖昧な点がある場合は、必ず管理会社や仲介会社にも状況を確認しましょう。

4. 入居者との契約内容を確認する

オーナーチェンジした場合、すでに入居している人の契約内容は変更できません。しかし以前交わした契約内容を必ず確認して、問題はないかチェックしてください。

敷金や保証人に関することや、契約更新料について、退去するときの修繕費用、賃料についてなどはしっかり把握しておきましょう。どこか不明な点があれば、現在のオーナーに確認してください。

また、サクラの入居者がいるかどうか見極めるためにも、入居者が現在何人いるかを確認しましょう。

前のオーナーまたは管理会社に依頼して、入居者や世帯の数を聞いて、貸借人との賃貸契約書も見せてもらいます。敷金や礼金の有無や何年居住しているのかなどを把握できれば、サクラではない本当の入居者がどのくらいいるのかがわかります。

契約年数や契約日を確認すれば、退去する可能性のある入居者がどのくらいいるのかも検討がつきます。さらに入居期間が長い貸借人が多ければ、トラブルの少ない優良な物件だと判断できます。

5. 新築ボーナスが乗っていないかを必ず見極める

オーナーチェンジ物件の利回りを見るとき、最も注意すべきなのが「新築ボーナス」の存在です。新築〜築3年ほどの物件は、

  • 家賃が周辺相場より高く設定されやすい
  • 入居付けがしやすく空室が出にくい

ため、利回りが一時的に高く見えるという特徴があります。

特にワンルームは入居期間の平均が約4年と言われており、「最初の入居者が退去するタイミング」=「本来の市場家賃に戻るタイミング」です。今の家賃が新築プレミアムで上乗せされていると、次の賃料更新や再募集時に1割以上下がることも珍しくありません。

つまり、見極める際には次の3点を必ず確認しましょう。

  • 収支の軸:家賃1割減後のキャッシュフローは赤字にならないか?
  • 利回りの軸:家賃1割減後の実質利回りは周辺と比べて見劣りしないか?
  • 賃料相場の軸:家賃1割減後の賃料は、築5〜10年の相場と比べて妥当か?

オーナーチェンジ物件は「今のキャッシュフロー」だけを信じると失敗します。新築ボーナスを剥がした後の家賃で計算できるかどうかが、良い物件を見抜く最大のポイントです。

オーナーチェンジ物件はリスクを知ったうえで検討を

オーナーチェンジ物件は、入居してもらうまでの手間・費用が不要で、すでに入居している人がいるためオーナーになった時点で家賃収入が見込めます。

しかし、空き室が出るリスクが減るわけではなく、オーナーになってすぐに退去する人が出る可能性もあります。入居している部屋の内見ができないデメリットがあり、何かのトラブルがあって現オーナーが売却を急いでいるなどリスクも考えられます。

必ず購入する前には、本記事で紹介した次の5つのポイントを確認しましょう。

  1. サブリース契約か、管理会社について詳しく調べる
  2. 実際に物件を見に行く
  3. 売却する理由を聞く
  4. 入居者との契約内容を確認する
  5. 新築ボーナスが乗っていないかを必ず見極める

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