はじめてマンションを買う前に知っておきたい知識② 〜新築?中古?〜

前回に引き続き、はじめてマンションを購入する際に知っておきたい知識やチェックすべきポイントを紹介していきます。

第2回目となる今回は、最近のマンション開発のトレンドや新築マンションと中古マンションの比較などを中心に取り上げていきます。

あなたのマンション選びに是非参考にしてみてください。

最近のマンショントレンドとは?

最近のマンション開発で特徴的な1つに都心回帰の流れがあります。

企業や自治体などが売却した都心部の土地にマンションが建つケースが増加しているのです。

他にも古くなったオフィスビルや店舗ビルを建て替える際に、新たに分譲マンションが建設される例も多く見受けられます。

実はマンション用地の約60%は企業が売りに出した土地です。

企業は不況時に多くの土地を処分すると思われがちですが、実態はそうではありません。

むしろ逆で、景気の良い時期に多く売っています。理由は単純で、高く売れて利益を得られるからです。

特に最近は、アベノミクス効果の影響で、土地の地価は上昇傾向にあります。

各企業は売却益を見込んで多く土地を市場に放出しているのです。これがマンション開発の都心回帰に拍車をかけています。

都心のマンションというと、利便性の面では非常に魅力的ですが、販売価格は高くなってしまいます。

昨今の地価回復により、一般会社員の給与では都心にあるマンションは手が出せない水準まで上昇してしまっています。

政府の金融緩和によって、このような弊害も起きてしまうのですね。

そして、もう1つ見逃せないマンショントレンドは、単身世帯やDINKS(夫婦のみの世帯)向けの間取りが増えていることです。

以前はファミリー向けの4LDKの間取りも多かったのですが、現在の新築マンションではあまり見受けられません。

単身世帯向けでは1LDK(最近は女性の購入が目立つようです)、DINKS向けでは1LDK〜2LDK、ファミリー向けでも3LDKが主流となっています。

1970年頃は4LDK向けのファミリー世帯が55%を占めていましたが、最近では単身世帯やDINKSの数がファミリー世帯を逆転してしまっています。

今後も日本は、少子高齢化や未婚率増加が予測されるので、コンパクトな間取りのマンションが増えていくと思われます。

新築・中古どちらを選ぶか?

マンションを購入する場合、新築と中古の選択肢があります。

よく、「新築と中古どっちがお得か?」というような議論がされますが、明確な正解は存在しないと思っています。

国土交通省が実施した調査によると、中古購入者は価格重視、新築購入者は品質重視という特徴があるようです。

では中古マンションは本当に品質が悪いのでしょうか?

確かに中古マンションを購入する時は、注意して確認しなければならない点があります。

まず、管理規約によってそのマンション独自のルール(リフォーム工事の制限など)が定められているケースがあります。

次に修繕積立金がしっかりと積み立てられているかどうかです。

実は修繕積立金は、新築時に設定された水準では足りなくなる場合もあり、築年数の経過とともに高くなる傾向があります。

入居直後に大規模修繕のために追加の修繕費を請求されたという事例もありますので注意が必要です。

また、マンションの欠陥である「瑕疵」にも気をつけなければなりません。

中古マンションは売主が個人といのも多いので、瑕疵を発見した際の対策を講じておく必要があります。

最近では大手不動産会社を中心にマンションの仲介会社が瑕疵保証サービスを提供しているので活用してみると良いでしょう。

中古マンションの購入に消極的な1番の理由は、中古マンションに対する不安やリスクだと思っています。

このような中古マンション特有のリスクを解消するには、良い不動産会社の良い担当者に仲介してもらうことに尽きると思います。

疑問や不安に思っていることは躊躇せず質問をして解決しましょう。

不動産会社の回答次第で、その不動産会社を信用できるかどうか見極める事もできます。

最後に資産価値の視点から新築と中古を比較したいと思います。

一般的に購入後のマンション価値の下落幅は中古より新築の方が大きいと言われています。

購入者が玄関ドアを開けた瞬間から中古と扱われ10%程度価値が目減りし、30年で半減すると言われています。

経験則から言っても資産価値の維持は中古マンションの方が有利なケースが多いと感じます。

基本的に新築・中古を問わず、立地環境や建物の価値が高いマンション価格は下落が遅いです。

しかし、前回の「はじめてマンションを買う前に知っておきたい知識①」でも紹介したように資産価値のみを重視して購入するのはあまりお勧めできません。

あくまでバランスを取ってマンションを選ぶべきだと思います。

次回は「マンション価格決定の仕組み」についてです。