「売りたくなかったんですよ、本当は。」
IT企業でプロダクトマネージャーとして働く小林様は、2019年に目黒区・下目黒の中古マンションを購入しました。
東急線沿線の雰囲気が好きで、立地も街も気に入って、自分好みにフルリノベーションまでした部屋。10年は住むつもりでいたと言います。
そんな部屋を、たった数年で売ることになったきっかけは、ライフスタイルの変化と「次の家」のこと、そしてマンション価格高騰というタイミングが重なったからでした。
「放っておくしかないリスク資産を、少し減らしたい」
「大事なお金が動くからこそ、誰に任せるかは妥協したくない」
AI査定で「今どれくらいの価値があるのか」を知り、一括査定で複数の不動産会社とやり取りを重ねながら、信頼できるパートナーを探した小林様。
電話ラッシュに疲れ、専任 vs 一般媒介で悩み、業者ごとのスタンスの違いに戸惑いながらも、自分なりに納得できる形で売却までたどり着いた、その率直なプロセスをインタビュー形式でお届けします。
- 1 売主様プロフィール
- 2 2019年、中古マンション購入。「東急線沿線」と「中規模マンション」が決め手
- 3 2021年にHowMaのAI査定を初めて利用。今の価値が知りたかったから
- 4 売却を意識したきっかけはライフスタイルの変化
- 5 ーー売却を真剣に考え始めたのはどのタイミングでしょうか。
- 6 売却のための「情報収集」と、不動産業界への違和感
- 7 一括査定&直接問い合わせで20社に連絡し、厳選3社が訪問査定するも、査定額の差に戸惑った
- 8 当初は一般媒介を希望。しかし悩んだ末に「手数料割引」の会社と専任媒介契約を結んだ
- 9 最初の1ヶ月は仕事のピークと内覧対応が重なり一時保留、2ヶ月後に空室&値上げで再挑戦した
- 10 HowMaのAI査定・コラボ査定が役立った4つのポイント
- 11 不動産会社選びに感じた課題は「担当者によって全然違うこと」、だからHowMaで会社単位・担当者単位の口コミが公開されることに期待
- 12 まとめ:不動産業界は不透明だからこそ、「自分の軸」と「情報」が必要
売主様プロフィール
| お名前 | 小林 真由美様 |
| ご年齢 | 40代前半 |
| 物件エリア | 東京都目黒区 |
| 物件種別 | 1LDKマンション |
| 成約までの期間 | 6ヶ月(2回目の売出し開始〜契約までは3ヶ月) |
| 売却価格 | 5,100万円 |
| 売却理由 | パートナーで同居するため |
2019年、中古マンション購入。「東急線沿線」と「中規模マンション」が決め手
ーーまず、ご職業と家族構成を教えてください。
小林様:シングルです。IT企業で働いていて、職種としてはソフトウェアのプロダクトマネージャーをしています。アメリカ本社のソフトウェア会社で、日本オフィス勤務ですね。
ーー今回売却された物件は、目黒区と中野区、どちらのマンションでしょうか?
小林様:目黒の方です。2019年に購入しました。中野区は今住んでいるマンションです。
ーー2019年当時、購入の際の条件や、比較検討のポイントとして重視していたのは何でしょうか?
小林様:3つ意識しました。
- リノベをして、一人暮らしで快適に暮らせること
- 将来的に売りたくなった時、資産性が見込めること(旧耐震は避ける)
- 100戸前後の中規模マンションが良い
当時はそこまで広い部屋は必要なくて、ローン返済も含めて無理のないサイズと価格帯で探していました。
ーーエリアは最初から目黒周辺に絞っていたんでしょうか。
小林様:東急線エリアにこだわっていました。2019年以前は中野に住んでいたんですが、一時期、東急の沿線に住んだことがあって、その時に「この沿線エリアは、すごく暮らしやすい」と感じたんです。
東横線や目黒線、大井町線でどこへも行きやすいですし、乗っている人の雰囲気も好きで。なので、最初から東側や北側はほとんど候補に入れていませんでしたね。
ーー規模が100戸前後という目安には、どのような理由があるのでしょうか?
小林様:理由は、大規模修繕の時のコストと合意形成ですね。小規模だと一戸あたりの負担が重くなるし、逆に何百戸もある大規模マンションだと、今度は合意形成が大変そうだなと。目黒のマンションは、たしか80戸前後の中規模で、その点も決め手になりました。
ーー目黒以外にも、過去にマンションを購入したご経験があるのでしょうか?
小林様:いいえ、目黒が初めてでした。不動産会社に勤めている知り合いがいて、何候補か共有しながらアドバイスをもらっていました。「ここは管理状態がいい」「ここは将来の修繕が重くなりそう」みたいな話ですね。
知り合いがオススメしてくれるマンションは、すぐに売れましたね。
ーーでは、今回売却した目黒の部屋は“第一希望”ではなかったということでしょうか?
小林様:そうなんです。
本当の第一希望は不動前駅が最寄の中古マンションで、申込も入れていたんですが、現金購入の業者に横から入られて、取られてしまいました。
当時はローンで買うつもりだったので、「現金の方が強い」という当たり前のルールをあまり理解していなくて。初めての経験だったこともあり、「なんでそんなことが起きるの?」と、正直かなり落ち込みました。
今なら「そういう世界なんだな」と納得できますが、当時はかなりショックでしたね。
ーー「将来的に売りたくなった時、資産性が見込めること」ということは、最初から数年後には売却するという視点があったのでしょうか?
小林様:そこまで具体的には考えていませんでしたが、売りたい時に残債より高く売れたらという感じです。
「古すぎると旧耐震になってしまう」「築30年くらいで価格が一度落ち着く」というのは事前に調べていて、築20〜30年ゾーンを狙いました。
築5〜10年のまだ新しい中古ではなく、「落ち着いた価格帯のものを自分好みにリノベする」というイメージでした。
ーー購入後、どのようなリノベーションをされたのでしょうか?
小林様:トイレ以外はほぼフルリノベしました。
- 床の張り替え
- クロス全面貼り替え
- キッチン・洗面・浴室の入れ替え
- 間取り変更(ワンルーム寄りの1DKを、可動仕切りで広くも仕切っても使える形に)
- 照明をダクトレールに変更
専有面積としてはそこまで広くなかったんですが、壁で区切ると余計に狭く感じるので、稼働式のドアにして、「2室にもワンルームにもできる」ようにしました。
キッチンも、元の位置だと動線的に邪魔に感じたので、位置を移動しています。

2021年にHowMaのAI査定を初めて利用。今の価値が知りたかったから
ーーHowMaに初めて登録していただいたのは2021年10月でした。きっかけは覚えていらっしゃいますか?
小林様:正直、細かいきっかけは覚えていないんです(笑)。
ただ、コロナ禍に入って、在宅時間も増え、「今、自分のマンションはいくらくらいの価値なんだろう?」という興味はありました。
売るつもりというよりは、
- なんとなく相場を知っておきたい
- 自分の資産が今どんなポジションにいるのかを把握したい
そんな感覚だったと思います。
売却を意識したきっかけはライフスタイルの変化
ーー売却を真剣に考え始めたのはどのタイミングでしょうか。
小林様:一番大きかったのはライフスタイルの変化です。
もともと一人暮らし前提で選んだマンションだったんですが、一緒に住む人数が増えて、「この1人用の空間に2人で暮らすのは厳しい」と感じるようになりました。
もうひとつは借入余力です。「まだ自分に与信枠があるうちに、もう少し広いところに住み替えたい」という思いもありました。
ーーなるほど。いつ頃、現在のご自宅にお引越しされたのですか?
小林様:今住んでいる中野のマンションは、2024年12月に契約しました。実際の引っ越しは仕事の都合などもあって少し伸ばしてもらい、2025年春頃に入居しました。
売却のための「情報収集」と、不動産業界への違和感
ーー売却を考える中で、どのように情報収集されましたか?
小林様:
- 不動産業界に勤める知人からのアドバイス
- ウェブサイトやコラム記事
などですね。
特に、
- 専任媒介と一般媒介の違い
- 3,000万円控除の条件
- 売却にかかる税金や諸費用
といったテーマは、HowMaのマガジン記事もかなり参考にしました。
ただ、売却の情報を集めれば集めるほど、
- 情報の不透明さ
- 担当者による対応差の大きさ
- 両手取引の問題
などを強く感じるようになりました。
「査定価格」はあくまで「このくらいで売り出してみましょう」という目安であって、「その金額で必ず売ります」というコミットではない。
にも関わらず、やたら高い金額を提示して「この値段で売れます」と断言する会社もあって、正直かなり疑心暗鬼になりました。
一括査定&直接問い合わせで20社に連絡し、厳選3社が訪問査定するも、査定額の差に戸惑った
ーーHowMaの一括査定(コラボ査定)では9社に査定依頼をしていますが、他の一括査定サイトを使ったり、直接問い合わせた不動産会社はありますか?
小林様:はい。HowMaと、もうひとつ一括査定サイトを使い、さらに自分でもウェブサイトで調べて直接問い合わせた不動産会社もいるので、トータルで20社以上とは連絡を取りました。
ーー実際に室内を見に来た会社は何社でしたか?
小林様:購入時にお世話になった会社を含め、3社です。
3社が室内を見て、具体的な金額を提示してくれました。
ーーその3社の査定価格はどうでしたか?
小林様:
- 2社は、自分が事前にHowMaのAI査定で見ていた相場感とほぼ同じくらい
- 購入時の会社は、かなり低めの査定
という結果でした。
購入時の会社で、担当者になった方は「日本橋や銀座エリアが担当で、このエリアは得意じゃない」と言っていたんですが、ネットの公開事例と照らし合わせても「さすがに低すぎる」と感じました。
そこから、「この会社には任せられないな」と思い、候補から外しました。
当初は一般媒介を希望。しかし悩んだ末に「手数料割引」の会社と専任媒介契約を結んだ
ーーそれでは2社で一般媒介契約を結んだのでしょうか?
小林様:いいえ。最初は、
- 複数社に競争させたい
- 1社に情報を独占されたくない(囲い込みを避けたい)
という思いが強かったので、本音としては一般媒介でやりたいと思っていました。
でも、「手数料を1%くらいまで下げるから専任媒介で」という条件提示があり、査定額は納得していたので、その会社と専任媒介契約を結びました。
最初の1ヶ月は仕事のピークと内覧対応が重なり一時保留、2ヶ月後に空室&値上げで再挑戦した
ーー中野の新居購入から、目黒のマンション売却までの流れを教えてください。
小林様:
- 2024年12月:中野の新居を契約、引き渡しは春で合意
- 2025年1月:目黒の部屋の売却活動をスタート(居住中)
- 2025年2月:仕事のピークと内見対応が重なり、売却活動をストップ
- 2025年4月:引っ越して目黒の部屋を空室にし、改めて売却活動を再開
- 2025年6月:目黒の部屋の売買契約
- 2025年6月:目黒の部屋の引き渡し
という流れです。
ーー1回目の売却活動は、どのような形だったのでしょうか。
小林様:居住中の状態で、AI査定価格よりも少し高めの4,990万円で売り出しました。
すぐに数件の内見が入り、仕事のピークと重なってしまって、対応がかなり大変でした。
不動産会社さんとのやりとりや、片付けや清掃がしんどくなってしまって、「仕事が落ち着くまで、数ヶ月やめます。」と伝えました。
ーー4月に中野へお引越しされて、空室になったら、すぐに売却活動を再開したのでしょうか?
小林様:実は、居住中に壊れていたトイレのウォシュレットを修理しました。そしてハウスクリーニングを入れて、水回り含めて徹底的にきれいにしました。
リノベして4年しか経っていないので、内装自体はまだ綺麗でしたし、「トイレ以外はリノベ済+トイレも修繕済」という状態に整えてから再スタートしました。
ーー売出価格は、2回目も4,990万円にしたのでしょうか?
小林様:5,150万円に変更しました。
自分の相場感としては「5,000万円を超えると、買い手の層が一気に絞られるのでは」と思っていたのですが、不動産会社側から「上昇相場なので、5,000万円台前半なら十分狙える」という提案がありました。
あとは、自分も購入時に少し値下げ交渉をしたので、値下げがあることを加味して、5,150万円のチャレンジ価格に決めました。HowMaのチャレンジ価格も参考になりましたね。
5,150万円に値上げして売却活動を再開すると、意外にも内見が入った
ーー5150万円で売り出して、反応はいかがでしたか?
小林様:想像していたよりも反応は良かったです。内見対応は不動産会社にお任せしていたのですが、
- 不動産デベロッパー勤務の20代の方
- 社宅・法人利用を検討する企業
- 現金決済を検討する投資家
など、いろいろな問い合わせがあったと聞いています。
「20代でこの価格帯を現実的に検討する人もいるんだな」と、ちょっと驚きました。
活動報告は週に1度などではなく、問い合わせがあった時や内見後などに、逐次メールで状況を共有してもらっていました。
HowMaのAI査定・コラボ査定が役立った4つのポイント
ーーHowMaのサービスの中で、特に役立ったものは何でしょうか。
小林様:
- AI査定の価格推移グラフ
- AI査定更新のメール
- 不動産会社ごとの査定結果や、複数の不動産を一元管理できるマイページ
- 売却・税金・契約形態などの解説記事の紹介メール
この4つですね。
HowMaは「この価格帯ならチャレンジ」「この辺が現実的」というラインを把握するのにすごく役立ちました。
ーーマガジン記事はどのような記事が印象に残っていますか?
小林様:
などのテーマです。購入のときよりも、売却の方が「自分で情報を探すのが難しい」と感じたので、かなり読み込みました。
3,000万円控除はHowMaで初めて知りました。かなり細かく書かれているので助かりましたね。
不動産会社選びに感じた課題は「担当者によって全然違うこと」、だからHowMaで会社単位・担当者単位の口コミが公開されることに期待
ーー最後に、HowMaを実際に使って、改善点や今後期待していることがあれば教えてください。
小林様:今回売却をしてみて、不動産会社というより担当者によって全然違うなと思いました。良い担当者さんもたくさんいますが、
- 顧客を「何も知らない人」と決めつけて、上から目線で話す会社
- 両手取引ありきで動いていそうな会社
- 連絡が遅くて、担当者が休むと取引が止まってしまう会社
も実際にありました。
「会社単位」「担当者単位」で、
- 連絡が丁寧
- 説明がわかりやすい
- 契約条件が透明
といった情報がユーザー側からも見えるようになると、かなり安心感があると思います。
まとめ:不動産業界は不透明だからこそ、「自分の軸」と「情報」が必要
小林様の経験から見えてくるのは、不動産売却が「価格の話」だけでは終わらないということです。
- 自分のライフスタイルが変わったとき、どのような流れで住み替えるか
- どの担当者に任せるのがベストか
- 売り手・買い手の思惑が交差する中で、納得の条件に持込めるか
情報が不透明な部分が多いからこそ、
- 相場感を常につかむためのAI査定
- 複数社の査定を比較する一括査定
- 税金や契約形態を理解するためのコンテンツ
が「自分の軸」を持つための支えになります。
これから売却や住み替えを考えている方は、まずはHowMaのAI査定を使って「今の価格」を試算してみませんか?