現役不動産営業マン激白!仲介業者の「オモテとウラ」ぶっちゃけトーク【2024年最新版】

自宅を売却すると決まったら、売買契約を仲介してくれる不動産会社との契約は避けて通れません。
今回HowMaマガジン編集部より「現役不動産営業マン4名と飲み会セッティングしたから、業界の中の人ならではの本音トークを取材してきて!」との指令を授かり、関東某所の居酒屋にて覆面座談会に参加してまいりました。

本記事では、不動産会社の選定基準から営業マンの見極め方、高い査定、囲い込みなどについて伺った内容を紹介します!

  • ゲスト
    • A氏(元大手不動産会社の管理職、現在は独立)
    • B氏(現在大手不動産会社にて勤務)
    • C氏(元横浜エリアで実績のある仲介会社管理職、現在は独立して不動産業、建設業を営む)
    • D氏(元大手不動産会社勤務、現在ベンチャー企業にて活躍中)
  • 聞き手
    • HowMa編集部(以下「編集部」)
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不動産会社の選び方で大切なポイント!自分が不動産を売却するならどんな会社・営業マンに依頼する?

業界に長く身をおいて不動産仲介の酸いも甘いも熟知されてる皆様に、自分が所有する不動産を売却する立場になったらどのような会社、どのような営業マンに任せたいと感じるのか。

普段はなかなか言えない本音を語ってもらいました。

編集部:みなさん、もし自分が不動産を売る立場になったら不動産会社や営業の選び方ってどこを重視します?

A氏:不動産の仕事に携わっていれば、良い会社、良い営業マンか見抜けるから、その人に依頼するよ。プライドを持ってこの仕事をしている人は自分で自分を指名したいと思っている(笑)

B氏:そうはいっても、一般のお客様が良い担当者を選ぶ事は出来ない。だから複数社を呼んで会社や営業マンを比較した方が良いかな。

編集部:複数社呼んで、良い悪いの判断なんて出来るのでしょうか

B氏:皆、営業マンだからね(笑)見極めるのは難しいと思う。お客様の前では丁寧な営業マンも、実は裏ではガサツで行動が伴わないケースはあるからね。売却前まではよく顔を出してくれていたのに、いざ売却が始まって良い反応がないと報告さえ怠るとか。

あえていうなら売却を開始してからの営業マンの動きをよく見ることかな。良い営業マンは思うように売れない時であっても売主様を不安な気持ちにさせないからね。

編集部:売却を開始してダメな営業マンが分かっても遅くないですか?

A氏:売り出すってことは媒介契約(不動産会社に売却を依頼する契約の事。詳しくはこちら)を締結済みってことだから専任媒介・専属専任媒介だったら契約期間(一般的には3ヶ月)は我慢しなければいけないね。

D氏:複数社と媒介契約を締結できるのは一般媒介契約のみだから、複数社との媒介契約など手間が面倒でなければ、複数社を競合させたうえで実際の売却活動を見て判断するのも一つの方法ではありますね。不動産会社は当然、自社に有利な専任媒介で契約取りたいから絶対そんなこと勧めてこないですけどね。

★HowMaマガジン編集部の学び★
・営業マンの見極めは容易ではない。媒介契約を結んだ後とたんにガサツな対応になったりする
・媒介契約を途中で解約するのは難しいため、だめな営業マンを引いてしまった場合は契約期間を満了する必要あり。
・手間の面で問題ないなら複数社と一般媒介を締結し、実際の売り方を見た上で不動産会社を選定していくのもあり。
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やっぱり大手が安心?不動産会社の選び方

大きな駅なら必ず店舗があるような大手の仲介会社と、創業以来ずっと長く地域に根ざして活動している仲介会社。素人目線では大手のほうが安心する気もするが、地域密着型の中小企業だって長い期間営業しているからには何かしらの強みがあるはず。
業界の中の人に、どんな不動産会社を選ぶべきなのかを直球で聞いてみました!

編集部:大手の不動産会社のほうが知名度的に安心できる面ってあるのかなって思うんですけど、実際大手と中小ってどちらに依頼するのがいいんでしょうか?

A氏:大手で働いていたけど、決して大手だけが良いわけではないかな。売却不動産の特徴、エリア、相性など各社によって得意不得意があるのは事実。

D氏:一社に絞って売却依頼するのではなく、複数社と一般媒介契約で売り出すっていう選択肢はありだと思いますよ。

A氏:そうだね。大手社員ならば大手であることのメリットは大々的にアピールするよね。でも独立してから特に今思う事は、小さい会社=badではないことだけは世の売主様にわかっていただきたいな。
人間的なつながりを特に求めないお客様が増えている最近の傾向から見ると、お客様が一般媒介契約で複数社に依頼するのはこれから増えていくと思う。実際、都内の不動産オーナーは複数社に依頼しているケースが多いしね。
一般媒介契約の時に複数社に依頼したお客様が気をつけなければならないことは、良い話(購入希望者が現れた時)があった時、一般媒介契約を交わしている他の不動産業者からチャチャが入ることかな。
多少の条件交渉が入っても良い話であれば前向きに進めた方が良いのに、他の営業マンからは「その条件ならば断ってもっと良い条件のお客様を探しましょう」とか無責任なこと言うからね。
その場合の最終的な判断は自分でするしかなく、当の不動産会社からは「売買契約締結まで他社には連絡を入れないで」と言われるケースは多いね。

C氏:大手ではない側からの意見をいうと、僕らは大手と同じ土俵では戦いたくないっていう意識がある。どうしても知名度や資本力では勝てないから、別の側面でアピールしていかないとやっていけない。

D氏:実際、地域に根ざしている老舗の中小企業さんとかって独特な強みがあったりしますよね。結局はお客様と営業マンとの相性の話に帰結する部分も多いから、できる限りいろんな営業を見ておくといいと思いますよ。

不動産を売るとなった時にどんな会社・営業マンに任せるべきかというのは、業界ど真ん中の当事者としても判断基準は難しいようで、あえていうと以下の点に留意するといいのではとのことでした。

・営業マンは媒介契約を取ってから反響が思わしくないと豹変してガサツな対応になることも多く、一般の人がそこを見抜いて営業マンを選ぶのは正直難しい。
・不動産会社は大手だから安心できて優れているというわけではなく、その地域に根ざした中小企業も独特の強みを持っていることが多い。

売れる価格ではないのに不動産会社はなぜ高い査定を行うのか?

編集部:少し突っ込んでお話を伺いたいのですが、不動産会社に物件の査定を依頼すると必ずと言っていいほど高い金額の査定をしてくるじゃないですか?しかも、実際にその金額で売れることって非常に稀ですよね。自分たちでも高いって絶対わかっているはずなのに高めの査定報告をする理由ってなんですか?

D氏:突っ込んできましたね〜。当然、媒介契約を締結してもらうためですよ。もちろん専任媒介契約。

そもそも査定金額というものは不動産会社が判断する3ヶ月程度で売却できるであろう金額の提示なんだけど、多くの不動産会社は競合他社を意識して高い査定価格の提示を行う。売主様も悪い気はしないから高い査定金額を提示した会社と専任媒介契約を締結してしまう。自分達が正直な提示をしても査定負けしてしまうから高い査定をせざるを得ないんだよね。

B氏:自分の営業時代はストレートな査定価格の提示を行なった上で、売出価格を売主様に決めていただくようにしていたよ。査定価格を大きく逸脱して売出を始めても結局は売れない。そんな時は改めて査定書の価格を振り返っていただいて価格の見直しの提案をさせてもらっていました。

C氏:それが真っ当な査定ですよ。査定価格を上げてしまうのは間違いだとは分かっていても、専任媒介契約を締結するためにやらざるを得ない状況の会社は多いね。

A氏:高い査定価格で専任媒介契約を締結してしまうことで大きく売却スケジュールが変わる、手元に残せるお金の想定を大きく狂わすことになるから一般個人のお客様の方には惑わされないで注意してほしい。
売却開始前は調子よく良い話をしていた営業マンが、ある日を境に「価格を下げてください!」と言い始めますから。

B氏:そのやり方に疑問を持って、媒介契約更新のタイミングで他社へ移るお客様は賢明ですよね。

編集部:でも、多くの売主様にとって他社へ移るという行為はハードル高いですね。やっぱり不動産会社の営業の人が高い金額で査定してくる背景にはどす黒い思惑が隠れていたんですね…。

各社は自社のみが窓口になる専任媒介契約を勧めてくるが、実際に専任媒介と一般媒介で具体的にどういった対応の違いがある?

編集部:正直、不動産会社はほぼ皆さん口を揃えて「一般媒介より専任媒介のほうがいい!」て言ってきますし、ネットやなんかで調べてもいろんな意見が混在していて、結局なにを信用すればいいやらよく分かんないんです……。

A氏:専任媒介契約にした方が良いお客様はいるけど、販売開始までの作業や手続きは大きく変わらないからそういった意味だけで考えるのならば一般媒介契約でも良いんじゃないかな。
本当に良い物件を一般媒介で預かるのならば、他社よりも早くHPやレインズに登録、チラシの段取りを行う。
良い物件を専任媒介で預かればまずはネット登録、宅配チラシを行う。レインズ登録期限の5日〜1週間の間は他社には情報が流れないケースはあるね。その間に集客したり既存のお客様に紹介したりするよね。

B氏:専任媒介契約を交わせば、ほぼ売主様から頂戴する仲介手数料を少なくともその契約期間の間は確約されたようなものだからね。売主様にとってはここからがスタートなのに媒介契約を交わした段階で一息ついてしまう営業マンもいるくらいだからね。

C氏:自社売り上げに確実にできるかどうか分からない一般媒介契約を、率先して勧める会社は非常に少ないよね。最近は、エージェント制などと謳って両手取引(注4)を排除する動きを大々的に打ち出す仲介会社もいるよね。(詳しくは「なぜ不動産売却では一般媒介契約が一般的でないのか?」参照)

★HowMaマガジン編集部の学び★
・専任媒介契約と一般媒介契約で大きく販売力に差が出ることはない
・媒介契約は売主様にとってのスタートなのに、媒介契約をゴールだと勘違いしている営業マンも多く存在することに注意。

不動産を高く売る方法は?売れるケースはあるのか?

編集部:ストレートに聞いてしまいますが、不動産を高く売る方法なんて存在するんですか。

C氏:まずは売りに出してみること!かな。
査定価格を逸脱して売れるレアなケース(エリアやマンション限定客、実家が近くて両親の側に住むケースなど)はあるからね。まずは挑戦してみたいって思う売主様には良いけれど、通常はなかなか売れないから売却開始の1ヶ月前後で査定価格付近に落ち着かせることをお話ししています。高い価格でチャレンジし続けることで不動産の価値を下げかねないからね。

編集部:皆さんのストレートな査定価格も100%ではないんですね。そう遠くない未来に今話題のAIによる査定が不動産営業マンに勝てる日がやってくるかもしれませんね。

B氏:営業マンの主観的判断が査定価格を狂わすこともあるから、AIの方が精度が高くなるケースは増えてくるだろうね。

今現在も囲い込みは実在するのか。

編集部:最後の質問なんですけど、ぶっちゃけ今でも「囲い込み」って存在するんですか?

A氏:絶対にないといえば嘘になるのではないかな。会社や店舗による差はあることは在籍時代から感じていたしね。
自社で預かった物件を、他社にも顔を出している同じお客さんに買われたりしないように、他社に優先できる1週間の間にどれくらいお客さんに紹介ができるかということは力を注いでいたし。しかし、自分が外に出て、とある大手不動産会社は特に露骨にやっているなと感じることは少なくないよ。自社両手で決められる案件であれば確実に自社で決める慣習はある。

その囲い込みを回避する方法はあるのか。

B氏:数社と一般媒介契約を交わせば囲い込みしている場合じゃなくなるよね。他社よりも早く販売の段取りをしてレインズ(注1・前編参照)にもすぐに登録するよ。

★HowMaマガジン編集部の学び★
・今も囲い込みは存在する。
・囲い込みは複数社との一般媒介契約で回避できる

まとめ

最初にHowMaマガジン編集部から「現役不動産営業マン」との座談会に参加してこいと言われたときは正直(悪い意味で)ハートが震えましたが、実際会ってみると皆様非常にナイスガイ&配慮の塊のような人柄でした!

しかし、媒介契約を取るために査定額をわざと高く見積もって徐々に売値を下げさせる(業界では「値ごなし」というらしいです)させていくという手法が蔓延っているという話は非常に根深く、由々しき問題だなと感じました。

単にそういったやり方をする業者を批判することは簡単ですが、売主となる人も高査定を真に受けないように客観的な相場価格を把握したうえで不動産会社とやり取りをしていく必要があるんではないでしょうか。
高査定からの値ごなしが横行するということは、それが媒介契約を取るうえで有効である(≒自分の物件を高く見積もられていい気分になってしまい、そのまま契約してしまう人が多い)からということですしね。

騙されたりカモにされることがないように、自身でも最低限の売却知識を得た上で、必要なところは専門家としての不動産会社の力・知識を借りるというのがよいのではと感じました。

一方で、囲い込みなど古い悪しき慣習はまだ残っているもののお会いしたみなさんは本当に誠実にお客様目線での営業を心がけているんだろうなぁということがよく分かる方たちでした。体育会系でゴリゴリの不動産営業マンというのは、皆様が仰る通りステレオタイプなイメージなのかもしれないですね。

この座談会の内容が皆様の不動産売却に少しでも参考になれば幸いです!では、HowMaマガジン編集部でした!

不動産を売るとなった時にどんな会社・営業マンに任せるべきかというのは、業界ど真ん中の当事者としても判断基準は難しいようで、あえていうと以下の点に留意するといいのではとのことでした。

・営業マンは媒介契約を取ってから反響が思わしくないと豹変してガサツな対応になることも多く、一般の人がそこを見抜いて営業マンを選ぶのは正直難しい。
・不動産会社は大手だから安心できて優れているというわけではなく、その地域に根ざした中小企業も独特の強みを持っていることが多い。