住宅の性能評価制度をご存知ですか?
住宅の品質向上を目的として国土交通省が定めているこの制度。
今回は、代表的な「住宅性能表示制度」と「長期優良住宅制度」について、それぞれの制度の概要やメリットを紹介したいと思います。
税金優遇や地震保険の割引きなどお得な特典もある制度なので、ぜひチェックしてみてください。
- 売れる価格を知ってから活動したい
- 不動産会社からの営業電話は受けたくない
- 相場を知らずに損したくない
- できる限り高く売りたい
住宅性能表示制度の概要とメリット
住宅性能表示制度とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(略して品確法とよばれれています)に基づき、 質の良い住宅を安心して取得できるようにすることを目的にスタートした制度のことをいいます。
〈主な評価基準〉
・耐震性を中心とした建物構造の強さ
・コンクリートや鉄骨などの劣化に対する耐性
・省エネルギー対策
・各設備の維持管理のしやすさ
など10分野を等級で評価。
〈主なメリット〉
・住宅資金を贈与される場合の非課税枠が500万円拡大
・地震保険料の割引き
・請負契約、売買契約に伴うトラブル時に1万円で紛争処理機関を利用可能
など
ここでは、上記メリットの中でも1番関心の高い地震保険料の割引きについて詳しく説明したいと思います。
地震保険料の割引き率は大きく3段階に分かれており、耐震等級によって違ってきます。
なお、地震保険は火災保険の付帯保険であって、単独で加入することはできないので注意が必要です!
〈耐震等級と地震保険料の割引率〉
耐震等級1 割引率10%
耐震等級2 割引率30%
耐震等級3 割引率50%
〈耐震等級の定義〉
耐震等級1 数百年に一度程度発生する大地震でも倒壊、崩壊しない
耐震等級2 等級1の1.25倍の地震でも倒壊、崩壊しない
耐震等級3 等級1の1.50倍の地震でも倒壊、崩壊しない
長期優良住宅制度の概要とメリット
長期優良住宅制度とは、住宅を長期使用することにより、住宅の解体に伴う余分な廃棄物の発生を抑制して、環境への負荷低減を目的とされた制度のことをいいます。
〈主な評価基準〉
・耐震性を中心とした建物構造の強さ
・コンクリートや鉄骨などの劣化に対する耐性
・省エネルギー対策
・各設備の維持管理のしやすさ
・住戸の広さ
・間取りの変更のしやすさ
など
〈主なメリット〉
・一般住宅より住宅ローンの控除対象枠が増加
・性能強化に伴う費用の10%を減税
・登録免許税、固定資産税の優遇
など
日本の新築重視による住宅の短いライフサイクルから、少しでも長く住宅を利用してもらうように政府も力を入れていますが、この長期優良住宅制度がその突破口となるか注目です。
費用対効果を見極めることが重要
ご紹介したように性能評価制度は、税金の優遇や保険料の割引きなどのメリットはあるものの、費用対効果を見極めることが大事です。
住宅性能表示にしても、長期優良住宅にしても、それぞれ条件を満たすためには相応の費用がかかります。
現在の分譲マンションは性能評価制度を満たしたものがほとんどで価格に織り込まれていますが、ハウスメーカーや工務店などに依頼して建物を建築する場合は、当初の予算を大幅に上回るケースもありますので、しっかりと熟慮した上で、この制度を利用するか検討する必要があります。