2025年12月更新|不動産一括査定で査定額がバラバラの時はどうする?高額査定にだまされないための目安と注意点

  1. 査定報告で必ず確認したい「根拠」と「提案力」
  2. 古い物件・特殊物件の査定で注意すべきこと

家(マンションや戸建)を売ろうと思って不動産会社に一括査定を依頼したら、A社は4,800万円、B社は5,300万円、C社は4,600万円。「不動産会社によって査定額が違うけど、いったいどれが正しいの?」とお悩みではないですか。

一括査定で複数社に査定を依頼すると、査定額のバラつきは必ずと言っていいほど発生します。
なぜなら不動産売却では、「査定価格=その金額で買い取ってもらえる価格」ではなく、あくまで将来の成約予想価格にすぎないからです。

この前提を理解していないと、

  • 「一番高く査定してくれた会社が一番良い会社」だと勘違いしてしまう
  • おとりの高額査定に釣られて、売却期間だけムダに延びてしまう

という落とし穴にはまりがちです。

そこで本記事では、

  • 不動産会社が行う査定の種類と流れ
  • 不動産会社に騙されないために、査定額がバラバラなときに見るべきポイント(外れ値を見抜く目安)
  • 一括査定を利用した時の注意点や、古い物件・特殊物件での見極め方

を整理して説明します。

これから査定を依頼する方も、すでに査定結果が手元にある方も、ぜひ参考にしてみてください。

査定額がバラバラになるのはなぜ?外れ値の目安は?

一括査定サイトに限らず、複数の不動産会社に査定をしてもらうと必ずと言っていいほど各社の査定価格に差が生じます。

このような場合、一体何を基準にすれば良いのでしょうか?

「査定価格」はあくまで「成約価格の予想」にすぎない

不動産の価格査定は「成約価格の予想」です。


車や貴金属の買取査定とは違います。提示された価格で家を買ってもらえる訳ではありません。不動産売買では、多くの場合は不動産会社に買い取ってもらうわけではなく、買主との仲介に入ってもらうだけだからです。

分かっているようで、この点をしっかり理解している方は少ないです。そのため「査定価格が高かったから」を理由に不動産会社を選ぶという勘違いが多く発生しています。


極端な例ですが、3,000万円程度が妥当な家に対して「まずは4,500万円で様子を見ましょう」とだけ言って媒介契約を取り、2週間〜1カ月売れなかったら「3,000万円近くまで下げましょう」と後から言うことも理論上は可能です。査定価格は予想なので、特に責任は発生しません。

複数社で査定額が違うときの考え方

基本的に大きく外れない理由は、査定システムがあるから

不動産会社は具体的にどうやって査定価格を出しているのでしょうか?

実は、ほとんどの不動産会社では必要事項を入力するだけで査定価格を自動計算するシステムを導入しています。このシステムがあるおかげで、不動産業界未経験の入社したての新人でも査定ができてしまうのです。不動産の有名な国家資格として、「宅地建物取引士」や「不動産鑑定士」などがありますが、不動産の査定にこれらの国家資格は必要ありません

不動産会社ごとに導入している不動産査定システムは違いますが、査定価格を求めるプロセスや計算式はほとんど類似しています。これは裏を返すと、どの不動産会社に査定を依頼しても、本来は査定価格の大幅なバラつきは発生しにくいということになります。

平均査定額から10%以上ズレる場合は要注意

これまでお話した通り、複数の不動産会社に査定依頼をすれば査定価格にバラつきが生じます。

例えば、不動産会社5社に査定の依頼をして、5社とも全て同じ査定価格が出るというのはまず無いでしょう。相場価格が5,000万円のマンションであれば、通常4,800万円~5,200万円程度のレンジで査定価格が出てくることになります。

しかし、ある不動産会社の査定価格が、他社が出した査定価格の平均値より10%以上の乖離がある場合は注意する必要があります

先ほどの例で言うと、査定をした5社の不動産会社の平均値が5,000万円だとした場合、高値では5,500万円以上、安値では4,500万円以下の価格を出した不動産会社に対しては、しっかりと価格の妥当性を確認する必要があります。

なぜなら、このような平均査定価格と乖離した査定価格は往々にして、「おとり査定(虚偽の高額査定)」か「調査ミス」の可能性があるからです。

おとり査定と調査ミスを見抜くチェックポイント

おとり査定が疑わしいケース

  • 1社だけ極端に高い
    • 外れ値を除いた、複数社の平均値より10%以上の乖離がある
  • 根拠が数字ではなく、精神論になっている
    • 「うちは販促が強いから高く売れますよ」「うちは顧客が多いので大丈夫です」などの抽象的な説明だけで、具体的な成約事例や査定ロジックを出さない
  • まずは高く出して様子を見ましょうとしか言わない、売れなかった場合の「次の一手」を聞いても答えがあいまい
    • 「どのタイミングで」「どのくらい下げていくのか」を数字で示さないのは、具体的な販売戦略が無い

もう一方の「調査ミス」とは、営業担当者の査定能力不足や調査不足によるものです。残念ながらプロである不動産会社でも、見落としは起こり得ます。具体的には、次のようなケースは調査ミスの可能性が高いと言えます。

「調査ミス」の可能性が高いケース

  • 直近1〜3年以内の成約事例ではなく、古い事例だけを根拠にしている
  • 同じマンション内・近隣の、競合物件の売出状況を把握していない
    • 間取りがいい・上層階・駅近の物件が安く売出していないかは、必須チェック項目
  • マイナス要因に全く触れない(プラス要因だけを並べている)
    • 境界・騒音・管理状態などの懸念点は本当に無いのか、マイナス要因をどう価格に反映したのか説明できない
  • 戸建て・土地なのに、現地確認・役所調査の話が一切出ない
    • 接道状況や用途地域・建ぺい率・容積率、再建築の可否について触れず、「住所と面積」だけで価格を決めている

ただし、マンションであれば、土地や戸建てのような調査ミスは起こりにくいので、平均査定価格より乖離した査定を受けたときは、媒介契約を取るための「おとり査定」の可能性が高いと言えます。

いずれにしろ、平均査定価格より高額な査定があったときは、簡単に鵜呑みにせず査定の信憑性を確かめることが大切です。

面談時に聞いておきたい質問例

  • この査定価格の根拠になっている近隣の成約事例を教えてください。
  • 売り出しから3カ月間の販売計画(価格・広告の出し方)を教えてください。
  • もしこの価格で3カ月売れなかった場合の次の一手はどう考えていますか?
  • 買取の場合はいくらですか?(売り急いでいる場合は、必ず確認する)

こうした質問に対して、数字や事例を出しながら具体的に答えてもらえる場合は、きちんと調査した上での提案だと判断できます。

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不動産会社の査定依頼とは?流れを3ステップで解説

どのように不動産会社へ査定を依頼するのか、査定の流れ査定価格の算出方法について見ていきたいと思います。

①査定依頼する不動産会社を選ぶ

まずは不動産会社へ査定依頼します。最近では店舗に直接出向くよりも、一括査定サイトや不動産会社の問い合わせフォームなどのネット経由で依頼する方法をよく使われています。

事前に「査定価格はあくまで成約予想価格」という前提だけは押さえておきましょう。(詳しくは前章「査定額がバラバラになるのはなぜ?外れ値の目安は?」を参照)

査定依頼をするときのポイントは、「1社だけでなく複数の不動産会社に査定依頼をする」ということです。

複数社への査定依頼すべきの理由は、

  • 不動産会社によって査定価格(成約予想価格)は必ずバラつきが発生するので、複数社を比較し外れ値を排除することで、売却相場が分かる
  • 不動産会社によって得意な客層(富裕層・若年層など)や、得意な不動産(投資用物件or実需物件、マンションor土地・戸建てなど)が違う。査定書や提案内容を比べることでより良い売却戦略を取れる。
  • 複数の不動産会社に査定してもらうことによって、査定ミスのリスクを回避することができる。

といった点が挙げられます。

②机上査定・訪問査定を使い分ける

査定を依頼する不動産会社が決まったら、査定方法として「机上査定」か「訪問査定」かのどちらかを選びます。

  • 机上査定:不動産会社が室内の状況を見ずに査定価格を算出する査定方法。「4,300万~4,700万」のような幅で提示される。
  • 訪問査定:不動産会社が室内の状態を見た上で査定価格を算出する査定方法。机上査定の幅の中でも、「4,300万~4,500万」なのか、「4,500万~4,700万」なのか、査定の幅を縮めるために行う。

訪問査定は机上査定と比べて、現地で土地や建物の状態を詳しく見るため、査定価格の精度が高まるので、結果的に査定価格の幅が縮まります。


しかしマンション査定に関しては、現地でよっぽど大きな問題が見つからなければ、机上査定も訪問査定も査定価格に大した差は出ません

そのため、マンションの査定で「とにかく一度お伺いさせてください」と、理由をきちんと説明せずに訪問査定を強く迫ってくる会社には注意が必要です。訪問の目的とメリットを具体的に説明してくれる会社の方が安心です。

逆に、戸建てや土地の査定では、境界など見ないと分からない情報が多いため、机上査定と訪問査定では査定価格に差が出やすいです。できるだけ2社以上に訪問査定してもらいましょう。

③査定報告では必ず「査定額の根拠」と「提案力」を確認する

最後は不動産会社から査定報告を受けます。多くの場合「査定報告書」といった書面について、対面で説明を受けます。なぜ対面かと言うと、きちんと説明した方がいいという理由もありますが、「売却依頼を獲得するための営業をしたいから」というのが1番大きな理由です。

また、査定報告書は査定価格がいくらかという所に意識が集中しがちですが、価格の高い低いよりも「査定価格の根拠に妥当性があるのか」ということが一番重要です。いくら高額な査定価格でも、価格の根拠があいまいであれば、その査定に意味はありません。

なぜその価格が出るのか、次のような具体的な根拠を必ず確認しましょう。

  • 近隣の成約事例
  • 販売中の競合物件との比較
  • 想定している販売戦略(どんな買主を想定しているか など)


残念ながら不動産会社の中には、媒介契約(不動産会社に売却活動を依頼するときに締結する契約)を取るためだけに、意図的に高額査定を提示してくる会社も未だにあります。高額査定に騙されて、売却期間が無駄に延びないためにも、査定価格の根拠は必ずチェックするようにしましょう。

不動産会社の中には、まれに査定価格を提示せず、売却希望価格を聞いてくるだけの会社もいますが、不動産会社が査定に自信がないと言う可能性が高いです。

まずはAI査定を利用したり、1社だけでも査定書をもらいましょう。なぜなら希望価格が相場より低めの場合は、損するからです。例えば、希望価格が相場より500万安いと、最初から買取業社に繋げられるケースもあるので、推奨しません。

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古い物件や特殊物件で注意すべきこと

古い物件は「業者買取」と「リフォーム提案」の違いを見る

古い物件の場合、一般の買主への売却ではなく、業者買取を提案されるケースも少なくありません。しかし、中には売るためのリフォームを提案してくれる会社もいます。物件価値が上がる耐震性向上・断熱性向上などのリフォームや、「買ってすぐに住める状態」にするために和式便所を洋式にするリフォームなどで、高く売ろうという提案はアリです。

しかし、分譲マンションなのに賃貸マンション向けの安いトイレにするなど、物件価値が上がらないリフォームはお勧めしません

また、リフォームにかかった費用を、売却価格に全て乗せられるとは限らないので注意が必要です。例えば、あなたの不動産が築30年で全くリフォームしていない状態、周辺の築30年くらいの売り出し中の物件がどこも水回りをリフォーム済みの場合、リフォームしてようやく競合物件と戦える状況だからです。

特殊な間取り・面積の物件、再建築不可の可能性がある物件

例えば100㎡の家ばかりの地域で300㎡の家を査定するなど、特殊な物件の査定は非常に難しいです。まずは幅があってもいいので金額を出してもらえないか、出せない場合は理由を聞いてみてください。

また、戸建てや土地で価格に大きく影響するのは再建築不可です。

例えば、建築基準法には建物を建築できる条件として「幅4m以上の道路に土地が2m以上接していなければならない」という条項があります。もし、この条件を満たしていなければ、その不動産は「再建築不可物件」となってしまい、相場価格より大幅に価格がダウンしてしまいます。(今建っている建物を老朽化のために取壊したり、火災で消失した際などに、再度建物を建てることができないから)

幅4m以上の道路に面している場合は、間口を広くすれば、解決できます。方法としては2つあります。

  • 旗竿値の場合は、隣の所有者と交渉して間口を2mにする(不足分を購入する)
  • 隣の土地と一緒に売却する

HowMaを使って売却成功した方の中にも、「隣地と一緒に売却することで1,300万円が1,800万円になった」事例があります。ぜひ合わせてご覧ください。

1,300万円が1,800万円に。「隣地との一体開発」という魔法

このような物件はそもそも査定が難しいため、1社だけの査定額を鵜呑みにせず、複数社の意見やAI査定で相場感を重ねて確認することが大切です。

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まとめ:査定は大きくブレないので、外れ値は半分疑ってかかるくらいでちょうどいい

大切なポイントは不動産会社の査定結果を過信しないことです。媒介契約を取るためだけの「おとり査定(虚偽の高額査定)」に引っかからないように、必ず3社以上の査定を比較しましょう

不動産売却でうまくいっている方の多くは、いきなり不動産会社に相談するのではなく、
① AI査定でおおよその相場を掴む
② 3〜6社に机上査定・訪問査定を依頼する
③ 平均値から大きく外れる高額査定・低額査定の理由を必ず確認する
というステップを踏んでいます。

まずはAI査定で「自分の家は今いくらか」という目安を AI査定で押さえたうえで、3〜6社に査定を依頼し、今日ご紹介したチェックポイントで比較してみてください。それだけで、おとり査定に振り回されず、自分にとって納得感のある売却活動をスタートできます。

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