「いつか家を売るかもしれない」
そう思いながら、今の家に住んでいる人は、きっと少なくないはず。でも、その「いつか」は、ある日突然やってきます。
今回お話を伺った幸田様も、そんな一人でした。
メーカーの営業マンとして働く30代。8年前に「半分は住むため、半分は投資のため」と戦略的に購入した東京・押上のマンション。
しかし、静岡への転勤辞令、コロナ前の売り逃し、そして日銀の利上げの気配。3つの要因が重なり、「今こそ売る」と決意しました。
そんな幸田さんが7年前から使い続けてきたのが、HowMa(ハウマ)のAI査定。
相場の波を見極める羅針盤として、幸田様はAI査定を軸に市場を観察してきました。
AIが示す客観的なデータを武器に、彼はどうやって不動産会社と渡り合い、強気な価格設定から、4,890万円の成約を実現したのか。
幸田さんの「感情に流されない冷静な売却術」は、初めて家を売る人にも多くの気づきを与えてくれます。
【この記事で見えたポイント3つ】
- AI査定で客観的に判断:7年前からAI査定で自宅の価値を定点観測。市場の波を読み、売却タイミングを判断する客観的な基準として活用した。
- 一般媒介で競争させる:1社に絞らず、あえて3社と一般媒介契約。各社の動きや提案力を比較検討し、最終的に最も信頼できるパートナーを見極める。
- 「5,000万円の壁」を意識した価格戦略:強気の価格でチャレンジした後、すぐに買い手の心理的節目である「5,000万円」を下回る価格へ戦略的に値下げ。その結果、即決に繋がった。
売主様プロフィールと売却の概要
| お名前 | 幸田 健太郎様 |
| ご年齢 | 30代後半 |
| ご職業 | 会社員(メーカー営業) |
| 物件のエリア | 東京都墨田区押上 |
| 物件種別 | マンション |
| 成約価格 | 4,890万円 |
| 売却期間 | 約3ヶ月(売り出しから契約まで) |
半分は住むため、半分は投資のため。僕が押上を選んだ理由
ーー本日はお時間いただきありがとうございます。まず、幸田さんのご職業や家族構成について教えていただけますか?
幸田様:会社員で、メーカーの営業をしています。結婚はしていません。
ーー今回ご売却されたのは、墨田区のマンションですね。こちらはどのような経緯で購入されたのでしょうか?
幸田様:買ったのは2016年です。半分は実需で、半分は投資、みたいな感じですね。もともとどこかのタイミングで売却するかもしれない、とは思っていました。
ーー「投資」という視点があったとのこと。この物件を選ばれた決め手は何だったのですか?
幸田様:墨田区というよりは、「押上」駅から徒歩5分以内、という立地です。買った当時は、スカイツリーができてまだ数年の段階だったので、周辺地域の開発とか、これからさらに発展するかな、と。
押上駅自体も、半蔵門線、浅草線、東武線、京成線と、何路線も通っているハブ駅なので、地価が上昇するだろうな、という読みもありました。
ーー将来の資産価値を見越して、戦略的に選ばれたのですね。
幸田様:はい。当時の職場への通勤に便利だった、というのもあります。水害のリスク以外は、かなりいいところなのかな、と思います。
AI査定は信頼できる?7年間の「定点観測」で見えたもの
ーー購入された翌年の2017年8月に、HowMaにご登録いただいています。これは、どういうきっかけだったのでしょうか?
幸田様:そもそもHowMaさんを知らなかったんですが、多分何かメディアの記事でサービスを知って。ある程度、どこかのタイミングで売却するかもしれないと思っていたので、定期的に物件価値をウォッチしようと思って登録した、という感じです。
ーーかなり早い段階から、売却を意識されていたのですね。
幸田様:そうですね。
ーーAI査定の精度については、どう感じていらっしゃいましたか?
幸田様:実は一度、北千住の新築マンションに住み替えようかと考えた時があったんです。その時に、不動産会社に査定を出してもらったら、その時のHowMaの査定額と、ほぼ一致したんですよ。
ーーそうだったのですね。
幸田様:はい。それで、結構HowMaさんの査定額の信頼性は高いな、という印象を持っていました。だから今回、売却するタイミングでも、HowMaの価格を一つの基準として、不動産会社さんの査定額が乖離していないか、という見方をしていましたね。
転勤、金利上昇、そしてコロナ前の“売り逃し”。僕が売却を決めた「3つの理由」
ーーそして今回、本格的に売却へと動き出すわけですが、きっかけは何ですか?
幸田様:2024年の2月に静岡への転勤が決まって、3月末にはもう住まなくなったので。それが直接的なきっかけです。
ーー売却ではなく、賃貸に出すという選択肢は考えましたか?
幸田様:考えました。ただ、人に貸してしまうと、なかなか退去してもらうのが難しくなるかな、と。それと、築年数が14年ぐらいになっていたので、人に貸すなら、エアコンや浴室乾燥機みたいな設備を新しくしたり、壁紙をきれいにしたり、初期費用がかかるな、と。それも面倒でしたし。
ーーなるほど。それ以外にも、売却をしようと思った理由はありますか?
幸田様:日銀の利上げですね。その影響で不動産相場自体が崩れる可能性もあったので。
実は一度、コロナの前にもう結構高騰していて「売ろうかな」と思ったタイミングがあったんですけど、逃しちゃったんです。だから、また今回このタイミングを逃すと、ちょっとどうなるか分からないな、と思って。
ーー複数の要因を総合的に判断して、「今だ」と決断されたわけですね。
幸田様:そうですね。半分投資、半分実需だったのが、もう住まなくなったので、いいタイミングかな、と。
地震や水害のリスクも考えました。あの辺一帯は0メートル地帯なので。賃貸でインカムゲインをちまちま稼ぐよりも、一括で売ってキャピタルゲインを得て、そのお金を新NISAとか株式に変えた方が、同じインフレヘッジだし、絶対いいよな、と。シミュレーションして、そう判断しました。
一般媒介で3社を比較。僕が不動産会社を選んだ基準
ーー売却を決意し、HowMa経由で一括査定を申し込まれた。
幸田様:はい。10社以上からアプローチをいただきました。その中から、3社に絞って一般媒介契約を結びました。
ーー最初から専任媒介ではなく一般媒介にしようと考えていたのですか?
幸田様:そうですね。囲い込みとかされたくなかったので。
編集者注:囲い込みについては次の記事も併せてご覧ください。
改正宅建業法で変わる囲い込み防止策とは?売却成功率を上げる2つの方法
ーー数ある会社の中から3社に絞った決め手は、何だったのでしょうか?
幸田様:まずは、押上という地域に強い不動産屋さんかどうか。そして1番は、担当者の方と直接メールなり電話なりをして、信頼できそうかどうか、という観点ですね。
ーー担当者の対応ですか?
幸田様:はい。例えば、私も売却経験がなかったので、「家具とかある程度ある段階で写真を撮って売り出した方がいいのか、空っぽにしてからの方がいいのか」とか、色々質問をしたんです。
その時の答えに、ちゃんと根拠を持って「こういう理由で、私はこう思います」と、説得力のある回答をくれるかどうか。そういうところで、ちゃんと考えを持ってやっているな、というのを見ていました。あまり営業バリバリ、みたいな感じの人は、ちょっと嫌だな、と。
ーー押しが強いタイプは苦手だった、と。
幸田様:そうですね。思った通りの値段で売れなかったら、別に売らなくてもいいな、と思っていたので。賃貸という選択肢もあるし、もう少し待つ、という手もある。切迫感はなかったので、強気な価格で出して、引っかからなかったらまた考えよう、ぐらいの気持ちでしたから。
内覧10組でも決まらない…。勝負をかけた「5,000万円の壁」
ーーそして売り出しが始まったわけですが、当初の価格はいくらに設定しましたか?
幸田様:5,180万円です。HowMaのチャレンジ価格とかも参考に、ちょっと値引き分も考えて、高めに出しました。
ーー反響はいかがでしたか?
幸田様:内覧は結構来ましたね。私が立ち会ったものと、静岡に越してから業者さんだけでやってもらったのと合わせると、内覧は10件以上はあったと思います。でも、内覧のオファーが来る割には、具体的に「買いたいです」という人は、なかなかいなくて。
ーー10組以上見に来ても、決まらない。
幸田様:はい。「もうちょっと他の物件も見てます」とか、色々理由はあったんでしょうけど。2回目に見に来たり、修繕積立金の残高を詳しく聞いてきたり、本気度が高そうな方もいたんですが…。3ヶ月ぐらい経って、これはやっぱり値段が高いのかな、と。
ーーそこで、値下げを決断されたのですね。
角.様:はい、5,000万未満を意識して値下げしました。今から考えれば、もう少し小刻みに値下げしてもよかったのかもしれないですけど、一気に4,890万円まで下げました。
ーーその効果はいかがでしたか?
幸田様:値下げの情報をネットに出したら、すぐに問い合わせがあって、「その価格だったら買います」と。やっぱり、5,000万円を割った、というのが大きかったんじゃないかな、と思います。検索をかける時も、500万円単位のレンジでかける人が多いでしょうから。
まさかの4社目。僕が最後に契約を決めた理由
ーー値下げのタイミングからはとんとん拍子で進んだのでしょうか?
幸田様:実は、媒介契約をしている1社が値下げ情報を早く出したことで、すぐ買い手がついたんですが、別の1社からは「実は台湾の方で、元の値段のまま現金で買いたいと検討している確度の高いお客様がいたので、あえて下げなかったんです」と言われてしまいまして。
もう少し、直近の内覧者の引き合い具合をチェックすればよかったな、と。
でも、もう片方で売買契約書にハンコも押しちゃっていたので、もう後には引けなくて。キャンセルすると手付金の倍を払わないといけないですからね。
しかも、最終的に成約に至ったのは、3社とは別の会社なんです。売り出し期間中に、電話がかかってきて。「会いたいと言ってる人がいるんで」と。それが4社目で、結局その会社と契約することになったんです。
ーーそれはまた、どうしてですか?
幸田様:その4社目の方が、仲介手数料を「1.5%でいいです」と言ってくれたんです。おそらく、買い手側からも手数料をもらえる「両手取引」になるからだと思うんですけど。
確実な購入希望者がいて、手数料も安いなら、と。会ったこともない、電話だけのやり取りだったので、最初は少し訝しんでいましたけど、結果的には無事に売れたので、良かったですね。
AI査定があれば、不動産売却で迷わず決断できる
幸田様の体験は、「不動産を高く売るコツ」よりも、「どうすれば迷わず判断できるか」を教えてくれました。
7年前からAI査定で市場を定点観測し、売却では複数の会社を冷静に比較。
- 不動産会社の言うことを、鵜呑みにしない
- 客観的なAI査定を、判断・交渉の軸にする
- 1社だけでなく、複数の選択肢の可能性を常に想定する
これは、不動産売却という大きな買い物で「損をしたくない」と願うすべての人にとって、非常に重要な心構えではないでしょうか。
幸田様は感情ではなく、情報とロジックで動いたからこそ、納得の価格で自宅売却を実現しました。
HowMaのAI査定は、最初の心強い味方になり、判断を支えるツールです。
誰にも知られず、スマホひとつで相場を確かめるだけで、「今が売り時か?」「この価格がベストか?」という迷いに答えが見えてきます。
もし今、転勤・住み替え・売り時で迷っているなら、まずはHowMaで「あなたの家の今の価格」を知るところから始めてみませんか?
幸田様のように、客観的な判断軸になるAI査定があれば、あなたの売却も迷いなく決断でき、後悔のない不動産取引ができるお手伝いができるはずです。