「AI査定はあくまで参考。本当に大事なのは、そこからどう判断し、どの不動産仲介と組むかです」
そう語るのは4件の投資用マンションを所有する70代の個人事業主、山崎様。お父様の遺産を相続したことがきっかけで、不動産投資に踏み込んだといいます。
今回は次の投資用マンション購入の資金調達のため、所有物件の1つを売却しました。しかし、実際にはHowMaのAI査定の1,000万円超と、現実の取引価格には、300万近くの隔たりがありました。
では、数多の査定サイトと不動産会社とのやりとりを経験した山崎様が、最終的に信頼できるパートナーをどのように見つけ出し、短期間でも納得の売却に至った理由はなんでしょうか。リアルな売却経験談を伺いました。
【この記事で見えた売却術の奥義3つ】
- AI査定はあくまで「きっかけ」、 AI査定額と現実の乖離を認識し、参考情報と割り切って冷静に活用する。
- 「営業電話」で会社を見極める。 営業電話の多さや質で、顧客視点のない会社を判断し、選択肢から外していく。
- 大手にこだわらない柔軟な会社選び。 最終的には、査定額の納得感と、誠実な対応をしてくれた中小の不動産会社をパートナーに選ぶ。
売主様プロフィールと売却の概要
| ご年齢 | 70代前半 |
| ご職業 | 不動産賃貸業(個人事業主) |
| 物件のエリア | 神奈川県横浜市 |
| 物件種別 | マンション |
| 成約価格 | 720万円 |
| 売却期間 | 約1ヶ月半(売り出しから購入申込まで) |
| 売却理由 | 新たな投資用物件の購入資金調達のため |
ーーはじめに、山崎様のご職業と家族構成、不動産投資を始められたきっかけについて教えてください。
山崎様:はい、職業は不動産賃貸業で、個人事業主です。母と二人で暮らしています。
長くは広告代理店にいまして、その関係で不動産の知識を得たんです。2023年に親父の遺産が入ったもんですから、それで自宅のマンションを買って住んでるんですけど、おふくろと。ちょっと余裕資金でね、投資もやってみようかなと思ったんですよ。
今は横浜と東京に、4軒の投資用マンションを所有しています。
ーー過去にも不動産の売買経験はあったのでしょうか?
山崎様:ええ、結婚した時に買ったマンションは、16年ほど賃貸に回してから、2022年に売りました。なので初めてではないです。
新規物件購入のため、所有物件の一室を売却
ーー今回ご売却されたのは、横浜の物件ですね。どういう経緯で購入したのですか?
山崎様:はい、横浜のマンションです。ポイントサイトでAmazonギフト券目当てで応募したら、仲介会社から連絡が来まして。690万円と安かったもんですから、紹介いただいて購入を決断したんですね。2023年の12月です。
ーー購入から1年少しでのご売却ですが、何か理由があったのでしょうか?
山崎様:ちょっとね、石垣のいいマンションが出ましたもんですからね。それを買うための資金繰りの関係で、まあ売り出さなきゃならないなと思いまして。ローンがちょっとギリギリだったもんですから。
ーーHowMaは、どのようにして見つけられましたか?
山崎様:Web広告がきっかけだったと思います。いろいろ物件を探してる時にAI査定を見つけて。それで査定依頼を試しにやってみたんですね。そうしたら、いろいろな会社から査定の連絡をもらったもんですから、利用しようと思いましたね。
ーーHowMaのAI査定をご覧になった第一印象はいかがでしたか?
山崎様:正直なところ、AI査定の価格と実際に売れた価格とは少し乖離があったかな。AI査定では1,000万円台という数字が出ていましたが、最終的に売れたのは720万円でしたから。
でも6社の中でも、1,000万以上の査定が2社ほど出たんですよ、どうしてか。
ーーAI査定と成約価格に300万円近い差があったのですね。その点についてはどうお考えになりましたか?
山崎様:まあ、AIというのはそういうものだろうと。参考にはしますが、それが全てではないと理解していました。
不動産投資サービスX社さん、マンション特化サイトのY社さんなど、色々なサイトを使いました。
他の多くのサイトは、具体的な査定額を出さずに、こちらの希望を聞くところが多かったですね。査定依頼してもね、査定ってのは出ないんですよ。
ーーそこが1番知りたいところなのに、ですね。
山崎様:そうです、そこが知りたいから査定依頼してるのに。だから、Z社さんとか、後にお願いしたA社さんみたいに、ちゃんと資料を出して、なんでこの金額かっていう説明がもっと欲しかったですね。
ーー1番参考になった査定はどちらでしたか?
山崎様:1番参考になったのは、鉄道系不動産会社Z社さんが出してくれた査定書ですね。チャレンジ価格が750万円という、三段階の価格提示があって、あの分厚い資料でね。紙媒体で来て、非常に詳細で納得感のあるものでした。
ーーHowMa経由で一括査定をされた6社は、どのような会社が多かったですか?
山崎様:中小企業が多かったですね。正直なところ、もっと大手の不動産会社さんを紹介してほしかった、という気持ちはありました。誰もが知っているような会社が入っていると、安心感が違いますから。
まあ、登録したのが3月の下旬だったんで、タイミングの問題もあったのかもしれないですけど。
ーーなるほど、中小規模の不動産会社が多かったのですね。最近HowMaでは大手不動産会社さんや、地域に根差した有力会社さん、地場の老舗会社さんなど、規模感のある会社さんの加盟も強化しているので、今後をご期待ください。
決め手は査定額の納得感と担当者の対応。専任媒介で1ヶ月のスピード売却を実現
ーー多くの会社からアプローチがあった中で、最終的にどちらと媒介契約を結ばれたのですか?
山崎様:1社、投資不動産に強いA社さんと専任媒介を結びました。会社としては、全国に網を張ってるんで、その辺が良かったと思いますね。他の会社は地域が限られるんでね。
1番の決め手は査定額の納得感と、担当の方の対応ですね。担当の方が親切丁寧で、大手不動産会社出身なので、その方がいいかなと思いまして。
ーー売却活動はどのように進められましたか?
山崎様:利回りが8%になるっていうので、2025年の1月12日に777万円で売り出しを開始して。それで2月に750万に下げて、結局売れたのが2月15日ぐらいですかね。
オーナーチェンジ物件だったので、5件の申し込みがあり、比較的スムーズに進んだと思います。
ーー値下げ交渉で悩まれましたか?
山崎様:ええ。やっぱり720万じゃ、経費とかかけても、買った金額(690万円)から仲介手数料を引くとマイナスなんですよね。ちょっとそこで悩みましてね。
ーー担当の方にも相談されたのですか?
山崎様:ええ、担当の人に相談しまして、「売れる時に売った方がいいんじゃないか」って言われまして。
ちょっと損しましたけど、まあ売れる時に売った方がいいなと思いましてね。築33年経ってるんで、まあしょうがないかなって。他の物件もありますから、手を打ったわけです。
情報提供は満足、でもAI査定の精度向上には期待。
ーーHowMaのサービス全体を通しての満足度はいかがでしたか?
山崎様:まあ80点くらいでしょうか。
ーー高評価ありがとうございます。特に良かった点はどこでしたか?
山崎様:頻繁に情報を出してくれるってとこですよね。AI査定額は、なんか結構気になるんでね。自分の物件の価値がどう動いているのかを、常に把握できるのは良かったです。他の物件だと、関内のマンションが2,200万ぐらいとAI査定メールが来ていて、「これなら売れるのかな」と思ったりもしますしね。
ーーブログ記事や賃料相場もご覧いただいていますか?
山崎様:ああ、それは見てますね。
ブログ記事だと、「仲介と買取とはどう違うのか」とか、参考になりましたね。
あと、月に1回の周辺の販売物件数とか、賃貸相場も出るんですよね。今回売ったマンションは家賃が5万だったから、これを参考に上げようかと迷った矢先に売れました。まあそれは叶わなかったんですが。
でも賃料を上げれば売却するとき、ちょっと有利ですからね。蒲田のマンションはサブリースで、他に会社が入るんで、ちょっと値上げ交渉は難しいですが、一回ダメ元で交渉してもいいかもしれないですね。
ーー逆に、残りの20点、改善を期待する点はどこでしょうか?
山崎様:やはり査定の精度ですね。AIの精度がもっと上がって、実際の成約価格に近づいてくると、さらに信頼性が増すと思います。妥当な線が出ればね、もうちょっと早く決められたんですけどね。
あとは、やっぱり大手不動産会社さんとの提携を強化していただけると、ユーザーとしてはもっと安心して利用できるかな、と。
ーー他に、こんな機能が欲しい、といったご要望はありますか?
山崎様:そうですね、販売中の物件情報が欲しいですね。東京墨田区ですかね。錦糸町は再開発があるんで、その辺を狙ってますんでね。販売中の物件情報が欲しいです。
ーー販売中物件情報という点で申し上げますと、現在は対応エリアが限られるのですが、提携してる野村不動産さんの情報をご覧いただけます。
もし購入したいマンション候補が決まっていましたら、マンション名で相場を検索いただくことはできます。
また、購入したいマンション候補が決まっていない場合は、墨田区の相場のような、エリアごとの相場をご覧いただけるページもございます。他にも駅名から相場検索も可能ですよ。
山崎様:なるほど、いっぺん見てみます。
最新情報を頻繁に得られるので弟に勧めたい
ーー今後、ご友人やご親族にHowMaをおすすめできますか?
山崎様:勧めてみたいですね。弟が自宅を売却して移住したいって言うんでね。
1番のおすすめポイントは、やっぱり頻繁に情報を出してくれるってとこですよね。AIの査定価格とか。
ーー本日は、ご自身の体験に基づいた率直で貴重なご意見をありがとうございました。
まとめ:AI時代における、変わらない「人」と「情報」の価値
山崎様の売却体験は、現代の不動産取引における重要な示唆に富んでいます。
AIによる査定は、手軽に自分の資産価値を知るための強力な「きっかけ」となります。山崎様がそうであったように、複数のサービスを比較し、客観視することで、初めてその価値が生まれます。
HowMaが提供する頻繁な価格更新や市況レポートは、まさに客観データによる「情報武装」と言えるでしょう。
しかし、AIが提示する数字と、現実の取引の間には、まだ埋めがたい溝が存在するのも事実です。その溝を埋めるのは、やはり「人」でした。
6社の中から信頼できる1社を見つけ出し、次の投資への最善手として「720万円での売却」を決断する。その過程は、AIには決して真似のできない、不動産のプロとの経験と知見に裏打ちされた人間的なやりとりです。
「AI査定は参考、決めるのは自分」。この言葉に、山崎様の投資家としての覚悟が表れています。
HowMaのAI査定や客観データを賢く使いこなし、最後は信頼できる不動産会社の担当者と共に売却活動に取り組む。それこそが情報過多の時代でも、納得のいく不動産売却を成功させるための、確かな方法論なのかもしれません。