不動産投資において、適切な売却タイミングと価格設定は成功の鍵を握ります。
不動産ディベロッパーで10年以上のキャリアを積んだ浅井様は、マンション購入翌年からAI査定サービスHowMaを4年間にわたって活用。投資用マンションを当初購入価格を上回る4,600万円で売却した事例を詳しく紹介します。
商業ビル・高級レジデンスを扱う職業柄、相場感やAI査定を見る目は人一倍シビア。本当に売る決断に至るまでの心情と、HowMaのAI査定・一括査定サービスを利用し、取引完了までのリアル体験を語っていただきました。
不動産業界のプロがどのようにHowMaを活用し、賃貸経営をしたのか、出口戦略をたてたのか、購入〜売却完了までのノウハウが詰まった浅井さんの言葉は、これから売却・運用を考える全てのオーナーにヒントを与えてくれます。
【このインタビューで見えたポイント3つ】
- AI査定は参考値、セカンドオピニオンを持つことが大切
- 売り出し価格を決めるのは自分、豊富な情報収集がカギ
- 賃貸戦略・売却条件は、常に複数の選択肢を並行で検討
売主様プロフィールと売却の概要
| お名前 | 浅井 龍雅様 |
| ご年齢 | 30代前半 |
| 物件のエリア | 東京都新宿区 |
| 物件種別 | 1LDKマンション |
| 成約価格 | 4,600万 |
| 売却期間 | 4ヶ月 |
| 売却理由 | 購入から5年経過したこと、新居購入のローン枠確保のため |
購入の経緯は不動産所有への興味と知識獲得のため
ーー浅井様のご職業、家族構成について教えていただけますか?
浅井様:はい。不動産業界で現在は住宅営業をしています。家族は単身です。
ーー不動産業界は長いのでしょうか?
浅井様:はい、新卒から10年以上おります。元々は国内の開発チームにいて、海外開発を経て、大体2年半前から分譲マンションの営業、基本は物件の売買を担当しています。
ーー今回ご売却された新宿区の投資用マンションはいつ購入したのでしょうか?
浅井様:2019年5月に購入しました。僕自身が不動産業界にいるので、営業の仕事をする前から、個人的に家を見るのがすごく好きで。投資用マンションに限らず、同業他社さんのマンション、それぞれどんな特色があるのか、結構見ていたんです。
ただ、自分がいいなと思っても、都心の実需マンションは予算的に届かないこともあり、ずっと見るだけになっていました。
プライベートで、たまたま高校の先輩からマンションを買った話を聞き、自分も一回話を聞いてみようかと思ったのが始まりです。
いわゆる投資用マンションって、結構強めの営業をかけられるという話はあると思いますが、どちらかというと僕は自発的に聞きに行った側です。その人が信頼できる人というのもあり、購入した会社を紹介してもらいました。
今となっては大きな不動産会社の役員の方ですが、当時は創業期でまだ営業部長の方を紹介してもらえて、前向きに考えるようになった感じです。
最終的には、団信や節税などのメリットを踏まえて決めました。また、自分の仕事に馴染みがある商品なので、仕事をしている人間としても、資産運用の手段として、預金とか株より不動産投資を試したい、自分で所有することで経験を積みたいという意識でした。
ーー買った当初から、短期間で売却することを考えていたのでしょうか?
浅井様:いいえ。不動産投資って、僕個人の考え方としては、長期保有前提の商品だと思っています。新築タワマンだとキャピタル狙いで購入される方もいますが。
決めるのは自分だから「価格推移」と「売り時」を知りたくてHowMaのAI査定を利用
ーー2020年6月に初めてHowMaをご利用いただいていますが、見つけたきっかけは何ですか?
浅井様:コロナ禍で在宅時間が増え、「自分の買ったマンションが、どのように価格推移していくのだろう」と気になったんです。だから定期的にウォッチしたくて。さらに価格を見ながら、売り時を見定めたいなっていう考えがありました。
また、不動産業界で働く者として、AI査定のような新しい分野にも興味があり、それが実際どのくらい正確な査定ができるのか、その精度に対する興味もありました。
たまたまAI査定で定点観測できると、広告か記事で見て知り、HowMaとX社のAI査定を使ってみました。AIの推定額を100%信じるっていう感覚ではなく、あくまで参考値として、ここはこの価格なんだ、どのくらい2社の動きに差があるのか見ていました。
ーーマンション所有中はどのように価値を見ていましたか?
浅井様:「最低でも5年は保有する」「原価割れなら売らない」という自分なりの基準は持っていました。
投資用マンションには自宅住所を登記しており、買取業社から「いくらで買いたい人がいます」みたいなハガキが届くので、買い叩かれる業社価格がこれくらいで、実需ではAI査定の価格でも勝負できるのかなと、それらの数字を比べて、淡々と感覚を養っていました。
利回りも別に悪くない状態なので、AI査定の価格に一喜一憂することは特になく、むしろ賃料アップもできていたので、「焦って売る必要はない」と腹を括っていました。
ーーなるほど、長期譲渡所得の税制優遇を受けられる5年は所有しようと最初から考えていたのですね。X社のAI査定とHowMaを比較して、どう感じましたか?
浅井様:X社のAI査定は推定価格帯のみを提供するシンプルな作りなのでパッと見て終わりです。居住用なら十分かもしれません。
しかし貸したい人や貸している人の場合は、HowMaの方が結構情報量が多くて良かったです。賃料相場や近隣売買など、実用的な数字も見えるのは便利でした。
実際、新しい賃借人を募集のタイミングでは、HowMaの「今貸したらいくら」を参考にして、月額1.2万円の賃料アップを実現でき、利回りを改善しました。テクノロジーを活用した不動産運用の有効性を本当に実感しました。
売却を決めたきっかけは新居購入、多くの選択肢を並行して検討
ーー購入から5年経過したタイミングでは売却一択でしたか?それとも持ち続ける選択肢もあったのでしょうか?
浅井様:2024年に入り、5月には購入から5年経つので、 税金メリットも出てきたから、売り出すことも考え始めていましたが、売らない選択肢もありました。
しかし売却より先に実需で新築マンションを買ったんです。過去にいい物件があっても与信が届かなかった経験があった中で、勤続年数ものびて、ローンが組めるようになり、この与信を使わないのはもったいないと考えていた時に、いい物件に巡り合ったのです。
新居の住宅ローンを組むにあたり、投資ローンの残債解消、すなわち投資マンション売却が必須になりました。
ちょうど入居者から退去の連絡が来て、家賃をさらに上げて募集してオーナーチェンジで売るか、空室のまま実需として売るか、両方試しました。
試しに賃料を月額3,000円アップして募集をかけたところ、わずか1週間で新たな入居者が決まりました。4%の利回りで逆算した売却価格が、購入価格を上回ることを確認したので、最終的にオーナーチェンジでの売却を選択しました。
ーー売却時の不動産会社はどのようにして選びましたか?
浅井様:HowMaのサービスを利用していたご縁もあり、このインタビュー記事やQ&Aをメールでよく見ていたので、まずコラボ査定を使いました。1〜2社だと査定にちょっと偏りがあるかなと思ったので、少し多めに6社くらいは選ぼうと考えていて、会社の規模などいくつかの観点で選びました。
そこでいろんなお話を聞き、最初はいい関係ができた会社さんにお願いしようかと考えていました。
他にも、購入した会社からも買い戻しの話をいただきました。手数料がかからないのでメリットはありましたが、相場が上がっているのに購入金額と同額くらいと聞き、流石に断りましたが。
ただ、新築で買ったマンションの分譲会社が「仲介も依頼するなら、新築を先着で購入できる」という条件だったので、選択肢が必然的になくなってしまって、専任1社でお願いしました。
正直、決まらない時は結構怖いなと思いましたが、丁寧に進めてもらい感謝しています。
強気の価格でスタートした理由と、4ヶ月で売却が決まった二段階の作戦
ーー最初はいくらで売り出したのでしょうか?
浅井様:新居契約が2024年夏で、ローンを組むのが2025年春頃と、半年以上も余裕があり、売り急ぐ必要がないので、8月の売り出し時点では強気の4,780万円からスタートしました。釣れたらラッキー、ダメだったら徐々におろしていく戦略にしたんです。
コラボ査定で繋がった会社からは、4,100万なら買取できると連絡いただいていて、購入金額より多少上だったので、もしローンが組めないくらいまで追い込まれたらそこで決着しよう、最後の覚悟ラインだと考えていました。
2週間ごとに反応状況の報告を受けて、この問い合わせ数だと厳しいかもと判断し、10月末に4,650万円へ値下げしました。もし年内決まらなければ、年明けから50万ずつ徐々に値下げする二段階の作戦を考えていました。
11月中旬に申込があり、決まりました。50万円の指値交渉があり、12月頭に売買契約を結びました。この機会を逃がしたくなかったので、早く契約済ませましょうと言って急いで進めてもらいましたね。
不動産業界人でも「数字と肌感覚のズレ」は必ずある
ーーAI査定の金額と、実際に売れた価格の差についてどう考えましたか?
浅井様:AI査定や仲介査定は4,000万〜4,100万円台でした。
しかし僕も仕事してる中でこのエリアは坪単価がどれぐらいのエリアだと相場観を持っていたのですが、その価格は正直僕の考えた価格より低かったんです。
安心材料が欲しくてHowMaのチャレンジ価格も見た上で、「自分の考えで突き進もう」と考え、最初の値付けはチャレンジしました。
直近でもAI査定は4,400万円台で通知がきていますが、不動産会社との実際のやりとりや、市況を見極めて納得感ある出口を選べたと思っています。
ーー不動産営業のプロから見て、AI査定による相場価格をどのように活用しましたか?
浅井様:数字だけでなく「単価(坪単価・平米単価)」や周辺の事例も組み合わせて判断するのが大事。グロス金額だけだと、現場では「今いくらで売れるか・貸せるか」の判断を外す危険も。
AI査定は実家の将来を考える上でも参考にしている
ーー今後の不動産運用でAI査定は使えそうですか?
浅井様:実家が田舎にあるのですが、僕が生まれ育った実家は今貸していて、今後どうするのかを帰省した際に家族と話しています。もう、貸している人に売るのがいいのか、土地だけで売った時にどうなるのかとか。都心の物件とは、個別性もあり違うと思うので、参考になるかなと思い、見ています。
まだ具体的に動いていないですが、本当に進めるなら、1社の数字を信じるのではなく、セカンドオピニオンが欲しいと思います。
また、新居ももちろんAI査定を見ますよ。僕が買ったのは単身用の45平米くらいの部屋なのですが、もし家族ができた場合は、正直狭いと思うので、そのタイミングで貸すか売るかっていう選択肢は持っておきたい。定点観測することで、準備をしておきたいと考えています。
HowMaの評価は75点、不動産会社の査定とAI査定は近かったが売却価格との差が大きい
ーーHowMaのサービス満足度を教えてください。
浅井様:総合的には75点です。
AI査定や賃貸査定、相場感の取得には十分役立ちましたが、実際の取引価格とAI査定価格の開きが、450万円と、まだ大きいところで減点があったかなと。まあ、強気に攻めすぎて、売れないとなったら本末転倒なので難しいと思いますが。
他の不動産会社からの査定も、AI査定と近かったので、腹を括るにはオーナー自身の決断力が必要だと感じました。
あと、これは仕方がないんですが、最終的にそこの会社さんにお願いしなかったこともあります。
ーーサービスを使ってみて改善してほしい個所や、不動産業界人ならではの目線でこんな機能が欲しいなどの要望はございますか?
浅井様:職業病かもしれないですけど、
- 相場価格だけでなく、坪単価と平米単価を表示
- 物件エリアの再開発情報
- 売る・貸す2つのシミュレーション
など、数字を見る力を誰でも養える仕組みがあれば、初心者からプロまで、役立つはずです。今は、住み替えで2〜3回買う人が結構たくさんいる世の中になってきているので。
実需の人は、単価をあまり見てないと思うんです、例えばペアローンでこの金額までならいけると判断してる場合もあります。ただ、適正価格で売買するに越したことはないと思うので、周辺相場がいくらで今売り出されていて、あなたの物件単価がこれぐらいっていうのを、本来見るべきだと思うんです。
だからHowMaマイページだけでなく、メールやLINEの変動履歴通知にも書いて欲しいと思いました。
ーーご実家や新居でご利用いただくというお話がありましたが、ご友人へおすすめできそうでしょうか?
浅井様:すでに何人かから「どういうの使っている?」「買ったマンションって今いくらぐらいになってんの?」って聞かれた時に、「僕は今これを使ってるよ」と話しました。参考値を見たり、いろんな業者に査定を出せるのでお勧めしやすいです。
ーー本日は貴重なご意見をいただきありがとうございました。伺ったご意見は、今後のサービス改善に役立ててまいります。最後に、この記事を読む読者へメッセージをお願いします。
浅井様:不動産の売買は、情報戦だと思います。特に一般の方は、不動産会社から提示された価格が全てだと思いがちですが、それは違います。
大切なのは、AI査定や周辺相場情報のような客観的なデータを収集すること。その上で、プロの意見を聞き、最終的に自分で判断することが大切だと思います。HowMaは、そのためのセカンドオピニオンとして有用です。
不動産業界のプロが実践したHowMa活用術の3ステップ
Step1:定点観測で相場感を養い、売り時を見極める
購入翌年からAI査定を継続的にチェック。ハガキで届く業者からの買取価格とも比較し、「今の価格」を常に把握。価格の変動に一喜一憂せず、冷静な判断指標を得る。
Step2:賃料査定で利回りを改善する
HowMaの「今貸したらいくら」機能を参考に、退去のタイミングで賃料を月額1.2万円アップ。データに基づいた賃料改定で、物件の利回りを着実に改善する。
Step3:強気価格+二段階値下げの作戦で高額売却へ
売却価格を最後に決めるのは結局自分なので、6社の査定とチャレンジ価格も参考に。売却期間が半年と余裕があったので、かなり強気価格で勝負に出て、高額売却ができた。