いま融資を受けやすい物件の種類とは?

マイナス金利の影響もあり、地方を中心に賃貸用アパートの建築が進みました。同時に金融機関の融資金額も多くなり、賃貸用物件への融資金額が増えたことで、逆に日銀が金融機関に警鐘を鳴らしています。
その結果、2017年後半からは融資が受けにくくなっているとも言われています。そのような市況の中で、比較的金融機関から融資を受けやすくするにはどのような物件を購入すればよいでしょうか

一都三県内の物件であればまだ融資は受けやすい

まず、融資を受ける物件のエリアが東京、神奈川、埼玉、千葉といういわゆる一都三県であるかどうかという点が重視されています。日本は現在地方での人口減少が続き、地方都市はどんどん過疎化が進んでいます。地方で不動産物件を購入しても、初心者大家の場合は客付けに苦労して、物件を購入しても満足な収入を得られないことが多いでしょう。金融機関としてもそのような状態では、安定したローン返済が見込めないために、融資は渋る傾向にあるのです。
しかし東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県は、東京に近いエリアを中心にまだまだ人口が増加しています。特に非婚化の進行によって単身者世帯が増えているために、ワンルームマンションなどの需要はまだまだ見込めると言われています。そのようなエリアの物件であれば融資はかなり受けやすいでしょう。
また一都三県以外では、名古屋、大阪、福岡といった地方の中心都市も周辺から人口が流入してくる傾向にあるため、賃貸物件の需要があり、融資を受けやすい傾向にあります。

土地付き物件も有利

金融機関が融資の審査を下す際には、融資額よりもその物件を売却した時の評価額が高ければ融資は受けやすいと言われます。そのためワンルーム物件よりも、土地の所有権まで含まれる一棟物件の方が融資を受けやすいことが多いです。土地付き物件であれば土地全体の評価額が物件に加算されますが、区分物件は土地評価額は僅かなものしか加算されません。
売却したときに回収できる金額が高くなる一棟物件であれば、金融機関としても保全性が高いと評価して、融資の審査も通過しやすいのです。
ただし、やはりこの基準が通るのは、一都三県を中心とした、土地の価格が値上がりしているエリアになります。土地の価格が値下がりをしているエリアの場合、物件評価額もどんどん下がってしまうために金融機関としても担保としての評価額査定は慎重にならざるを得ません。
一都三県内で一棟アパートやマンションを購入するのであれば、融資を受ける際にそれほど苦労することはないでしょう。

築浅のRC物件も融資が付きやすい

建物における融資の条件としてはやはり築浅のRC物件が有利です。RC造物件は法令耐用年数が47年と非常に長く、長期間にわたって安心した賃料収入が見込めます。木造物件の場合は耐用年数が22年しかないので、耐用年数をすぎるとどんどん家賃が減額してしまう可能性が高いです。木造物件と比較すると、築浅のRC物件の場合は築20年くらいまではそれほど変わらない賃料を確保することができるでしょう。そのため金融機関としても返済能力がある物件として、審査が有利になるのです。

融資を行ってくれる金融機関を見つけるには

ここまで挙げてきた条件をまとめると、一都三県にある物件、そして一棟物件であること、さらにできれば築浅のRC物件であることが融資を受けるのに有利な条件ということになります

では一方で、こういった条件を満たさない物件の場合は、どのように金融機関から融資を受ければ良いでしょうか。
まずその物件が建つエリアの地方信用などの金融機関などに打診してみることです。メガバンクは全国に支店を持っていますが、最近ではローン利率の低下で、住宅ローンの取り扱いをやめるメガバンクも出てきています。アパートローンに関してもあまり積極的ではありません。さらにメガバンクは金利があまり安くないので、できればもっと良い条件の金融機関からの融資を考えたいところです。神奈川県ならば神奈川県内に地方銀行や地方信用金庫が複数あるので、メガバンク以外の選択肢が豊富にあります。

物件と同じエリアに支店を展開している金融機関ならば、担保の評価額を精密に出すことができるために、審査の申込みがあれば融資を検討してくれることでしょう。いくら金利が安いといっても、神奈川県の物件を購入する時に、四国の金融機関に融資を持ち込んでも正確な評価ができないので融資を受けられることはまずありません。
またもうひとつの対策として、政府系の金融機関である、政策金融公庫へ融資を申し込むことです。政策金融公庫の融資期間は基本的には20年ですが、投資用ローンでも金利は1%代と非常に低いのが特徴です。
また若年層、高齢者、女性はさらに有利な条件での融資を受けることもできます。政府系金融公庫だけに、これまでブラックリストに載るような信用情報の毀損があれば、融資を受けることは非常に難しくなってしまいますが、信用情報の毀損がないのであれば融資を申し込んでみる価値は十分にあります。
住宅ローンを利用している状態でさらに政策金融公庫に申し込むことも可能ですが、家賃収入に対するローンの返済比率や自分の現在の貯金額も審査の対象になるので、ローンの審査が通りやす状態になるように準備をすることも非常に大切になってきます。