査定500万、でも解体費300万?断られ続けた徳島の実家が1300万で売れた理由

大阪に暮らす坂東様のご実家は、徳島にある戸建て。高齢のお母様と弟さんがお住まいでしたが、弟さんの長期入院がきっかけで、実家を手放すことを決意。しかし売却完了までの道のりは想像以上に険しいものでした。

解体費用が300万以上かかるにもかかわらず、銀行系の不動産会社からは500万という厳しい査定額を提示され、八方塞がりだったという坂東様。そんな状況から、いかにして活路を見出し、満足のいく売却を実現したのか。弊社サービス「HowMa」をどう活用したのかを含め、リアルな体験談を伺いました。

売主様プロフィールと売却の概要

お名前坂東 真由美 様
ご年齢50代後半
物件のエリア徳島県徳島市
物件種別古家付の土地
成約価格1,300万
売却期間9ヶ月
売却理由実家に住んでいた弟の入院し、実家に1人住む高齢の母が1人で心配なため

売却っのきっかけは実家で母と同居していた弟の入院

ーこの度は売却完了おめでとうございます。坂東さんのご職業とご家族構成を簡単に教えてください。

坂東様:

ありがとうございます。ようやく売却が決まりほっとしています。

貿易関係の会社の代表で、医療関係や食品をヨーロッパと流通させている仕事をしています。現在は大阪で3人の子どもと同居しています。

ーー売却された徳島のお家について教えてください。

坂東様:

母が所有する実家で、これまでは弟と母の2人で住んでいました。弟の長期入院が決まったことがきっかけで、母が手放すと言い出しました。

実は、過去に仕事関係の繋がりで、ビルや山林などの売買のお手伝いをした経験があるので、2024年の年明けごろに私が代理で不動産会社を探して売却の準備を始めました。

ーー不動産会社はどのようにして探したのですか?

坂東様:

「徳島市 土地売買」とか「徳島市 不動産売買」とかで検索しました。

うちの実家はもう築46年経っているのと、中古物件としてそのまま中古物件として住むのは難しい、多分解体せざるを得ないだろうっていうことでしたので。

写真:坂東さんが売却したご実家は、戸建てよりも広い日本庭園がある。立派な松や石組みが配置され、手入れが行き届いている。
庭園管理費だけで年間の数十万円、さらに建物の維持費用や固定資産税が必要なため、売却しか選択肢がなかった。

「解体前提の古家」「災害リスク」地方ならではの高い壁

ーー売却活動の第一歩として、弊社のHowMaをご利用いただいた際に、他にも一括査定サービスを併用されましたか?

坂東様:

HowMaさんの他に、一括査定サイトを2つ利用しました。うちのような地方の物件だと「取り扱いができません」「無理です」「もう査定依頼先はありません」とか、断られることが多い中で、対応エリアを広げてくださっているのは期待ができたので、私のモチベーションにはなったんです。

確か、HowMaさんからは5~6社ほどご紹介いただきましたね。積極的にマッチするところがありますと、色々と出してくださったことはすごくプラスでした。

実は売却を進める前に、土地活用も模索しました。知り合いの紹介で、大手デベロッパーの2社にも相談したのですが、断られました。ハザードマップ見直しで川は遠いのに災害リスクエリアに含まれてしまった影響や、調整区域の制約で、なかなか難しかったですね。

昔から仕事で取引があったインフラ会社の不動産部門にも相談をしましたが、仲介しかやっていないと。解体や買取ができないと断られることが続きました。

特にハザードマップの影響は大きかったようです。私がこの歳まで生きてても過去に一度も水害のない土地なのに、なんだか大げさにその災害エリアに含まれてしまったのです。

例えば本当に土砂崩れしやすいですとか、台風一つでもう道も畑もわからなくなるような土地が、田舎には結構あるんですけど、さすがにこの区域には無いなぁと思っていて。ちょっと納得いかないなと、毎回沈んでいるところがあるんです。本当に。

だからネックはもう本当に、市政というか政治でしたね。

モチベーションの源泉にもなった「AI査定」

ーーHowMaのAI査定がメールで届くサービスがありますが、ご覧になりましたか?

坂東様:

はい、見ました。普段他のメールは開かないのに、ついつい開いちゃうんですよね(笑)。いいメールなんですけど…ただ、金額が!

ーー金額、ですか。

坂東様:

はい、AI査定は結構高い金額が表示されますよね。うちの場合、弟が倒れる前にも一度見たことがあって、その時は4,600万円と出ていました。

ーーAI査定の金額と、実際の不動産会社からの提示額に大きな差があったかと思います。その点はどのように受け止められましたか?

坂東様:

そうですね、銀行系の不動産会社に相談したら、提示されたのが500万円とかだったので…内訳とかも何も聞かずにすぐ断ったんで詳細はわからないですが。もう「一体どうなってんねん!」みたいな(笑)。

4000万円以上で表示されてるのに、現実はこれかと。正直、そこから地獄を見ました。精神的にしんどかったです。

ーー期待した分、ギャップに苦しまれたのですね。

坂東様:

はい。ただ、あの金額があったからこそ「いや、さすがに500万はないやろ」と、次へ動くモチベーションになったのも事実です。

だから、御社のサービスが積極的にマッチする不動産会社を探してくださる姿勢は、すごくプラスでした。 

ただ、欲を言えば、もう少し現実に近い形にならないかな、とは思いました。例えば「坪単価〇円~〇円」みたいに幅を持たせるとか、「最近このエリアではこのくらいの価格で売れています」みたいな注釈を入れてもらえると、こっちも信用しやすくなるんじゃないかなって。

もともと不動産関係ってちょっと水物なとこがあるので、あまりホワイトなイメージは無いじゃないですか。それなのにここまで調べてくださってるという信頼感があるからこそ、金額が実態と違いすぎると、「やっぱりこんなものか」と印象が若干下がるかなって。売主の熱量が下がらないように色々と工夫してくださったらというのが正直な意見です。

ーーご意見ありがとうございます。幅を持たせるというご意見は他の方からもご要望いただいています。また、現状だとマンションの場合は周辺の販売状況を表示していますが、戸建てや土地についても事例を出せないか、社内で検討いたします。

「地獄で絶望的」だった日々。自ら動いて活路を見出す。

ーー査定サービスを利用された後、売却活動はどのように進みましたか?正直、かなり大変だったと伺っておりますが…。

坂東様:

本当に大変だったんですよ。去年の夏から秋ぐらいまでは地獄でしたね。なんかもう絶望的っていうか。複数の会社に問い合わせても、1ヶ月後に返事をいただいたり、「検討します」という返信ばかりで話が進まなかったり。

ーー不動産会社さんの連絡が遅かったり、やり取りに時間がかかることがストレスだったのですね。そこから、どのように状況を打開したのでしょうか?

坂東様:

もう、これは一軒ずつ地元の不動産屋さんを当たるしかないなと。そこからは足で稼ぎました。大阪から徳島まで何度も帰って、営業するしかなかったんです。片っ端から徳島の不動産屋さん、特にデベロッパーさんを調べて、メールで打診して、興味を持ってくれたところと直接会う、というのを繰り返しました。

最終的にコンタクトを取ったのは20社くらいになりますね。

ーー大阪から何度も…!それは凄まじいですね。

坂東様:

買っていただかなきゃいけない立場なので、「その日は無理」と言われたら「分かりました、合わせます」と。もう自分の仕事は後回しでした。本当にそのことだけに集中して、かかりっきりでしたね。

最終的な決め手は「解体・測量費用負担」「売主に寄り添う姿勢」

ーーそのご尽力の末、3社の候補に絞られたと。最終的に契約された不動産会社様の決め手は、何だったのでしょうか?

坂東様:

1番大きかったのは「解体費や測量費をどちらが持つか」ですね。うちの庭は、石材や植栽を撤去するためには重機が必要らしく、解体費だけでも300万円はかかりそうだったので。

ーー費用負担は大きな問題ですね。

坂東様:

はい。3社のうち、1社は「費用は全部実費でこちら(売主)持ち」、もう1社は「売買代金から費用を相殺します」という条件でした。でも、買取でただでさえ価格が安くなるのに、そこから数百万引かれたら、もう手元に残りませんよね。 

そんな中、最終的に契約したC社さんだけが、「もしうちで買うとなったら、解体や測量の費用は全部弊社で持ちます。提示した金額が、そのまま手取りになりますから」と言ってくださったんです。その潔さが本当にありがたくて。「もう、この会社に買ってもらいたい!」と手を合わせてましたね(笑)。

ーーなるほど、費用面だけでなく、その誠実な姿勢が心に響いたのですね。

坂東様:

はい。それに、その会社の社長さんは、元々大手ハウスメーカーにいらっしゃった方でした。最初は土地活用のご提案もしてくださるなど、こちらの状況を深く理解しようとしてくれました。最終的にはこちらから「買取りでお願いします」と切り出したのですが、そういったコミュニケーションが取れたことも大きかったです。

ーー周辺でも販売中の物件があると、葛藤はありますよね。

坂東様:

周りの金額を見てたんですけど、もちろん仲介が入ってると坪単価10万とか、結構上がるみたいで。最低でも5~6万/坪くらいで、高いと10~17万/坪とか。うちの隣が、17万/坪で売りに出ていました。

私も商売してると思うんですけど、仕入れは大体3割ぐらいじゃないですか。

だから、そんなものかなと思って。ここでね、欲をかかないで、見えない数字に対してだけ気をつけてました。なので、提示いただいた1,300万ジャストで、もうお願いします!みたいな感じでした。

ーー解体費は買取業社さん持ちで、成約1千万超えは本当に良い条件かと思います。一般の方に売るのと違い、売却後のトラブルがないのも安心ですよね。

まず一括査定サイトで情報収集、地元の不動産会社のトップと話すことが1番の近道

ーー5月の活動開始から、翌年2月にようやく買主が見つかるまで、本当に長い道のりでしたね。

坂東様:

めちゃくちゃ待ちましたね。年越すのもしんどかったです(笑)。

普通の買い物とは違うなっていうのがもう身に染みましたね。ものすごく大変。私も家と使ったことあるのでわかるんですけど、買うときはすぐ買えたから。売る時の、待っている時間が非常に長く、そこだけはストレスでしたね。

でも、銀行に提示された500万円と比べると、最終的に1300万円で売却できたので、本当にありがたい結果でした。頑張りが報われたな、と。

ーー今回、HowMaのサービス全体を振り返って、満足度は100点満点で何点くらいでしょうか?

坂東様:

うーん、改善してほしい点はありますけど、85点以上はあると思っています。やっぱり、こういうサービスって踏み込みにくいところなので。

他業種でも結構多いんですよ。オンラインクリニックとか、アパレル系とか、いろいろ偽サイト多くて。 それに引っかかってる人結構いるんです。だからちょっと怖いんですよね、正直。怖いから慎重になってるんですけど、実際HowMaさん経由で紹介された会社は実在していて、ご提案をいただけたので安心しました。

ーー最後に、坂東様と同じように、地方の不動産売却やHowMaの利用を検討されている方へ、アドバイスをお願いします。

坂東様:

もし去年の5月に戻れるなら…まず、HowMaさんのようなサイトで情報を集めるところから始めるのは、同じです。本当は眉唾もので、最初はちょっとどうなのかなって思ったんですけど。

地方だけじゃなくて、今住んでいる場所と実家が離れているなど、私たち世代もみんな同じような悩みをやっぱり抱えているので。運営会社さんが、こうやって対面でもきちっと話ができ、本当に真摯に向き合ってくれる会社かどうか見極めるのが大事だと思います。

ただ、人からの紹介はもう頼らないですね。自分で動くのが正解だったな、と。

 

そして1番お伝えしたいのは「地元の不動産会社のトップに直接話を聞きに行く」ということです。セミナーに行くよりも、それが一番の勉強になります。その土地のリアルな事情や、売却のノウハウまで、本当に色々なことを正直に教えてくれます。

 私もそうやって社長さんたちと話す中で、信頼関係を築くことができました。言葉一つ、駆け引き一つですけど、そこはもう普段のビジネスの能力を使うしかない、という感じで頑張りました。大変ですけど、一番の近道だと思います。

ーー大変貴重なお話をありがとうございました。