売買契約のここを押さえよう~境界について~【2024年最新版】

本コラムでは、不動産にあまり詳しくない一般の方向けに最低限ここだけは押さえておきたい売買契約のポイントを紹介していきます。

売却前に境界確定をすることで、次のようなメリットがあります。

  • 正確な面積での売買取引が可能
  • 隣人との境界を了承されている安心・安全な土地になる

土地売買の手続きはどのように進むのかの記事でも説明したとおり、境界が確定していると買主側の懸念もなくなるため、契約が決まりやすくなります。

本記事では、自宅(ここでは土地付き戸建)を売却する際の隣地との境界確定について取り上げます。

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境界の確定は売主の義務

売主が自宅を売却する際に必要な行為の1つとして、その物件に隣接する土地との境界を確定させ、買主に明示することが挙げられます。

不動産仲介会社が作成する不動産売買契約書においても、下記と同じ、または近しい内容の条文が記載されています。

〈境界の明示および測量図の作成〉
売主は、買主に対象となる物件の引き渡しの時までに、現地において隣地との境界を明示する。

売主は、その責任と負担において、隣地所有者等の立会いを得て、測量士または土地家屋調査士に対象となる物件について測量図を作成させ、引き渡しの時までに買主に交付する。

売却する自宅が比較的新しく建てられたものであれば、すでに境界確定されている測量図がある場合が多いです。

しかし相続した物件や相応の築年数が経過した自宅などは、隣地との境界が確定されず、あいまいになったままというのも多く見受けられます。そのようなケースでは、隣地との境界の線引き場所を示す「境界標」が現地に設置されていないことがほとんどです。

隣地との境界が確定しないまま買主に物件を引き渡すことは、買主にとって後から隣地とトラブルになる可能性もあり、非常にリスクが大きいことから、契約書できっちりと定められているのです。

上記の売買契約書の条文だけを読むと、売主にとっては非常に面倒なように感じられますが、実際は不動産会社の担当者がアテンドして、測量士や土地家屋調査士を紹介してくれます。また、隣人との境界確認の時にも担当者が立会いに同行することがほとんどですので、そんなに不安に思う必要はありません。

境界確定の費用

実務上、隣地との境界が確定されていない場合は、「境界確認書」とよばれる書面を取り交わす必要があります。

境界の確定に関わる費用は基本的に売主負担となりますので、必要に応じて不動産会社にどれくらいの金額がかかるか確認しておきましょう。費用は大きく分けて以下の5つの項目で決まります。

  • 土地の面積
  • 隣接地の数
  • 境界(筆界)点数
  • 隣接道路の種別(公道 or 私道)
  • 隣接道路の確定の有無

あくまで目安としてですが、30坪~50坪程度の土地の場合、30万円前後ぐらいと認識しておけば大きな誤差はないと思います。

不動産会社によっては、提携している測量士事務所なども紹介してくれますので、若干の割引が効く場合もあるかもしれません。

境界確定に必要な期間

境界を確定する期間は隣接地が4箇所ある場合、3ヶ月ほどです。そのため、売買契約締結後、引渡し前の1ヶ月~3ヶ月の間で行うケースがほとんどです。

隣地にお住まいの方にとっても、無料で境界の確定をしてもらえるので、何か特別な理由がない限りは基本的に協力してくれます。

確定測量図と現況測量図の違い

測量図の種類について説明します。測量図には、大きく分けて「確定測量図」と「現況測量図」があります。

確定測量図:隣接するすべての土地との境界を確認

自宅と隣接するすべての土地について、境界確認を行い、それに基づいて作成された図面のことをいいます。隣接するすべての土地とは、私有地に限らず道路・河川・公園などの公共用地も含まれます。

現況測量図:隣接する私有地のみを対象に境界を確認

現況測量図とは、公共用地を除いた隣接する私有地のみを対象として境界確認を行い、作成された図面です。

確定測量図の方が現況測量図より境界確認の範囲が広いため、買主にとって理想的ではありますが、公共用地との境界確認は役所に協力してもらう必要があり、確定まで長い期間を要してしまいます。

したがって、一般の個人間での不動産売買のケースでは、現況測量図を利用することが多いです。

境界確定は、隣人の協力が必要不可欠です。いざ自宅を売却する際に弊害とならないよう、日頃からご近所付き合いには注意しましょう。