今後中古不動産の相場はどうなっていくのか|コロナウィルス以降

新型コロナウィルスが世界的に流行し、日本においてもすっかり生活様式が変わってしまいました。

リモートワークを導入する企業が増え、子供においてもオンラインでの学習機会が増えたり様々な面に影響が出ています。

東京オリンピックも2021年に延期となり、経済の先行きにネガティブな面が多く今後の生活に不安が大きい中で、やはり不動産オーナーにとっては今後の不動産相場がどのようになっていくのか気になるところです。

今回は都内の不動産仲介会社で取締役を務めるA氏に最近の不動産売買における状況などを語ってもらいました。

現場感としてはそれほど大きな需要減は感じられない?

横井:
2020年4月のレインズによるレポートでは、首都圏における中古マンションの売買件数(成約件数)は昨年比マイナス52.6%(1,629件)と大幅な減少になっています。昨今の状況を踏まえるとやはり、という印象なのですが、不動産仲介の現場としてはどのような所感なのでしょうか。

A氏:
うちは従業員3名の小規模な会社なので世の中全体の状況と必ずしもリンクしないのですが、まだそれほど大きく需要が下がっているという実感はありません。
実需に関しては必要に迫られていれば買う人は買うし売る人は売るんだろうな、と。これはコロナに限らずリーマンショックのときも同様でした。

横井:
営業の現場としてなにか変化を感じる部分はありましたか?

A氏:
やはり対面することに関して気にするお客様が多くなった印象はあります。
特にうちの顧客は地域の地主、高齢のお客様が多いため、今までは気軽に店舗へお越しいただいたり訪問していたところを電話やメール、ネットに抵抗がないお客様についてはテレビ会議ツールを使ってお話する機会が増えています。

高まる「非対面」のニーズ

横井:
やはり非対面での需要が上がっているんですね。とはいえ不動産の売買だとお客様と対面せざるをえないケースもあるのでは?

A氏:
そうですね。実際に話が進んでいく中で査定のために訪問したり、書類のやり取りなどで対面する必要性が出てきます。
そういう場合、こちらはマスクなどはもちろん消毒用のジェルをお客様の目の前で手に散布するなどできる限りご安心していただけるよう配慮しています。
個人的な伝手でマスクや消毒用のジェルなどを安定して入手できていたのは幸いでした。

横井:
知人の不動産会社では広告用の室内写真撮影の際などにお客様と同じ居室内にいないようにするために、トランシーバーなどを駆使しているとの話もありました。

A氏:
どこの会社でも各社やれる範囲でこの状況に対応しているんだな、という印象ですね。
うちも応接室などはビニールのシートでお客様との間に仕切りを設けて、窓も開けるなどして対応しています。
今の時期は気候的に問題ないですが、これから暑くなってきたり寒い時期になっても事態が収束しなかった場合などを想定するとなにか他の対策も考えていかなければと思います。

横井:
売り主様や買い主様の状況についてなにか変化を感じるところはありますか?

A氏:
やはりこういった状況なので今後の資産価値がどうなるのかといった不安は当然多くなっています。
こればっかりはポジティブに語れる時期ではないし、かといってお客様との信頼関係のところで楽観的なことをべらべら語るわけにもいかないのでコミュニケーションに苦労するところではありますね。

横井:Aさんはそのような相談に対してどのように答えているのでしょうか?

A氏:心掛けとしては不確実なことは断定的に語らない、ということですかね。コロナに関わらず当然のことですが。事実は事実として語って、夢をもたせることのないように期待値調整しながら話すようにしています。そういった意味では普段と同じですね。

中古不動産の相場はそれほど大きく下がらない?

横井:
世の中の状況によって営業の根本的な姿勢が変わることはないということですね。
冒頭の通り4月のレインズ公表データでは首都圏のマンション売買件数は半減と、全体的には中古不動産の流通が減少しています。Aさんは今後不動産の価格はどうなっていくと思いますか?

A氏:
あくまで個人的な主観ですが、実需に関してはそれほど大きく下がらないのではと思っています。
首都圏の取引件数が半減したというのは一時的に様子を見たいという心理が働いてのことで、今後戻ってくると思います。
世の中がどうなっていっても住む家が必要ということには変わりがないわけで、賃貸に住み続けるよりも買ったほうが得と考える人はいつの時代も多いですから。
全くロジカルな根拠ではありませんが。

横井:
不動産の需要は底堅いということですね。本日はお忙しい中ありがとうございました。

まとめ

テクノロジーの導入が遅れていると語られることが多い不動産業界においても、コロナの影響からお客様の非対面に対するニーズが増えており企業側も対応に迫られているという状況でした。

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