登記簿謄本の読み方は?初心者にもわかりやすく解説

不動産に必要な登記簿謄本とは?

不動産に必要な登記簿謄本とは?

登記簿謄本は、不動産の建物・土地の概要や権利的関係を記録した謄本のことです。不動産の売買を円滑に進めるためにも必要な書類です。登記情報は法務局で管理され、これまでペーパー保管されてきましたが、閲覧・取得しやすいように、最近ではデータ化されるようになりました。ペーパー保管されていたときは、登記された情報を取得するのに、原本をコピーしていたため「謄本」呼ばれていましたが、2005年の法改正から、登記簿謄本を「登記事項証明書」とも呼ばれるようになりました。登記記録をすべて記載されている登記簿謄本(登記事項証明書)に対し、登記記録の一部が抜粋されている登記簿抄本(一部事項証明書)があります。

登記とは

登記は、不動産などにおける一定事項を一般公開できるよう帳簿に記録することをいいます。概要や権利を明確にし、売買などの際に不法行為を防ぐため申請します。手続きは主に司法書士によって行われ、法務局で申請受理されます。登記の種類は、不動産登記・商業登記・法人登記・船舶登記・成年後見登記など、さまざまな種類の登記があります。最も申請件数が多いのが不動産登記です。不動産に関わる事項を登記記録された書類が、不動産登記簿謄本です。

主な登記について

不動産の主な登記は、建物や土地の状態や権利が移る際に登記に関する名目が変わってきます。
・所有権の移転・保存:不動産の売買・贈与・相続など建物や土地の名義(所有者)が変わる場合や新築物件を購入した場合
・抵当権の設定・抹消:住宅ローンで融資を受けたり、住宅ローンを完済した場合
・住所・氏名の変更:不動産の所有者が結婚や離婚で住所や姓が変わった場合
・建物表題:未登記の建物に表題部をつける場合
・建物滅失:建物を取り壊し土地を更地にした場合
・土地分筆・合筆・地目変更:土地を分割したり、複数の土地をまとめたり、土地の目的用途を変更する場合

登記簿の種類

登記簿謄本には使用用途により4種類あります。
1)全部事項証明書(登記簿謄本):登記記録のすべての情報が記載されている証明書
2)現在事項証明書:現在の権利状況のみが記載された証明書。所有者についての過去の履歴や抵当権が記載されていない
3)一部事項証明書(登記簿抄本):登記記録の一部の情報が記載されている証明書。複数の住戸数をもつマンションは敷地の権利者が多く、全部事項証明書には敷地の権利分も含まれるので膨大な量になる。自分の住居部分だけの登記を取得するときに便利
4)閉鎖事項証明書:建物の滅失や土地の合筆など、閉鎖された登記記録の証明書。また、登記記録がデータ化される前の、手書きされていた登記簿謄本
ほかに、過去の権利関係を除き、現在有効な登記情報のみが抜粋されている「登記事項要約書」があります。法的な効力はありませんが、最新の登記情報を閲覧する簡易的な書類です。

不動産登記簿謄本の内容や読み方とは?

不動産登記簿謄本の内容や読み方とは?

登記簿謄本の読み方で重要なことは、構成です。登記簿謄本の構成を理解すれば、内容も把握できます。登記簿謄本は「表題部」「権利部(甲部・乙部)」「共同担保目録」という4構成になっています。この4つの項目の意味合いを知ることが、読み方の基本です。登記簿謄本によっては登記されている情報が4構成すべてそろっているもの、表題部だけ、表題部と権利部だけ、などさまざまあります。

表題部

表題部には、建物や土地の概要が記載されています。建物と土地の表題部は、記載する項目が違ってきます。
■建物
・所在:市町村字と番地、建物がある場所を特定
・家屋番号:建物ひとつひとつの区別になるよう法務局が建物につける番号
・種類:店舗や事務所、居宅、共同住宅、倉庫のように建物の用途を分ける
・構造:建物の階数や屋根形状、建築材料(コンクリート・木造・鉄骨など)を記載
・床面積:建物の柱の中心や壁から計算した面積。居住用の部屋の広さとは異なる
・登記の日付:登記した日付。新築されたことも記載
・付属建物:駐車場や物置など、主となる建物に付属するものを記載
■土地
・所在:土地の場所、市町村字まで
・地番:土地につけられた番号。所在+地番が土地の所在地になる
・地目:土地の種類や用途(田・畑・山林・宅地など)
・地積:土地の面積。売買のためにも土地家屋調査士などに依頼し測量、境界線などを明確にする
・登記の日付:登記した日付や理由を記載

マンション表題部

一戸建ての登記簿謄本は建物と土地を別々にしていますが、マンションは共同住宅となり、建物情報(各専有部分)に土地情報がセットになっています。マンションの土地だけ、専有部分だけ個別売買ができないようにするためです。マンションの登記簿謄本は、マンションの全体情報、建物と土地がセットになっている情報、各専有部分の情報が記載されています。表題部は、土地の敷地権・建物に対する専有部分・建物全体と土地に分かれています。

権利部(甲区・乙区)

権利部は、不動産の所有権・抵当権などの権利について登記されていることをいいます。所有権部分を「甲区」、所有権以外を「乙区」に分かれています。
■甲区
・順位番号:登記された順番、番号が大きいほど新しい
・登記目的:移転や変更など、登記された目的を記載
・受付年月日・受付番号:所有権に関する登記が受け付けられた年月日と受付番号
・権利者その他の事項:所有者の氏名や住所、売買などにより所有者が変わったことの理由を記載
■乙区
・順位番号:登記された順番、番号が大きいほど新しい
・登記目的:移転など、登記された目的を記載
・受付年月日・受付番号:所有権以外に関する権利について登記が受け付けられた日付、受付番号
・権利者その他の事項:所有権以外の権利に関する内容、かかわる人の氏名などを記載
・原因:ローンの担保のため抵当権を設定するなど、登記された理由(原因)を記載。
・債権額・利息:債権者が貸した金額や利息を記載
・損害金:債務者(借金をした人)に支払いなどの問題が起こったときの損害に対する内容を記載
・抵当権者:マイホームを住宅ローンで購入したときは金融機関名などを記載。または金銭を貸した人の氏名や住所
・共同担保:抵当権設定の際、担保になる不動産(建物・土地)になる場合目録を記載

共同担保目録

権利部(乙区)の項目にある「共同担保」で、住宅ローンなどを組み抵当権を設定し、担保になる不動産(建物・土地)が複数になる場合は共同担保目録に記載されます。新築は建物と土地を担保にするのが一般的です。中古物件を購入する際には、建物・土地の権利部(乙区)で共同担保目録と抵当権の内容が一致しているか確認しましょう。

登記簿謄本の請求方法は?

登記簿謄本の請求方法は?

登記簿謄本の交付請求には、3タイプあります。
1)登記事務を取り扱う法務局や地方法務局に直接出向いて請求
2)最寄りの登記所へ、郵送で交付請求を依頼
3)インターネットを利用しオンラインで請求
請求の際には、土地ならば「地番」・建物ならば「家屋番号」が必要になります。取得したい不動産に関わる番号を、事前に調べておきましょう。

窓口交付や郵送

登記簿謄本を請求する手段は、登記所窓口交付や郵送があります。
【登記所窓口受付】
登記所窓口受付ー600円、法務局、地方法務局、出張所、各支局の窓口に直接出向き、交付申請を提出し、登記簿謄本を受け取ります。登記記録がデータ化されたことにより、該当の不動産が遠方にあった場合でも、最寄りの登記所で受け取ることが可能になりました。
【郵送】
最寄りの登記所に出向けない場合や、郵送手配にする際のオンライン請求ができない環境(インターネット接続ができない)場合は、郵送での交付請求になります。

オンラインを利用するメリット・デメリット

登記簿謄本をオンラインで交付請求する際のメリット・デメリットを紹介します。
オンライン請求ー登記所窓口受取480円、郵送受取500円
【メリット】
法務局に出かけなくても、インターネットに接続さえできていれば、自宅にいながら交付請求ができます。手数料も登記所窓口請求や郵送に比べ費用が安く済みます。オンライン請求で郵送にすれば、完全に自宅で完結できます。
【デメリット】
便利で手軽な登記簿謄本のオンライン請求ですが、手数料の支払いに条件があります。インターネットバンキングまたはATMで支払います。ATMの場合、「Pay-easy(ペイジー)」マークがある国庫金電子納付ができる金融機関に限られます。

登記簿謄本の読み方を理解すれば不動産売買にも役立つ!

登記簿謄本の読み方を理解すれば不動産売買にも役立つ!

登記簿謄本は、不動産の売買に必要な書類ですが、形式的な専門用語も多く、日常生活で目にすることは滅多にありません。マイホームやマンションを購入する際に初めて見る方がほとんどでしょう。登記簿謄本の読み方や内容を理解すれば、建物や土地を確認でき、不動産の売買に役立ちます。登記手続きは不動産売買の必須手続きであり、重要な過程なので、登記関連に関する手続きは司法書士代行してもらうのが一般的です。最近では登記関連の情報がデータ化され、請求や閲覧も容易になりました。不動産売買を円滑に進めるためにも、この機会に登記簿謄本の読み方をマスターしましょう。

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