区分所有建物はどういう物件?管理から売買まで解説!

区分所有建物とは

区分所有建物とは

区分所有建物は内部に独立した複数の区画を持つ建物を指します。区分所有建物の代表例として分譲マンションが挙げられますが、オフィス専用の区分所有建物も存在します。

各区画に所有権があり、所有者は専有部分を自由に使用できますがペットの飼育や楽器の使用など、ほかの区分所有者に影響がおよぶ行為については管理規約で制限されています。

階段やエレベーターなど、区分所有者が共同で使用する部分が存在することも区分所有建物の特徴です。

専有部分と共用部分の違い

区分所有建物は専有部分と共用部分に分かれています。専有部分とは区画を分けて分譲された部分を指し、管理規約に違反しない範囲で自由に使用できます。床の張替え工事や間仕切りの撤去工事なども自由に行えますが事前に管理組合への届出が必要です。

共用部分とはエレベーター、階段、廊下、エントランスなどの区分所有者が共同で使用する部分を指します。建物によっては会議室や宅配ボックスなども共用部分として設置されています。共用部分の使用についても管理規約で定められており、エレベーターの独占使用や会議室の無断使用などほかの区分所有者の使用を妨げる行為は禁止されています。

ペット飼育は規約次第

ペットの飼育は管理規約で制限されます。ペット禁止の建物もあれば、小型犬と猫のみ飼育可能としている建物もあり、どのような飼育が許可されるかは管理規約次第です。

ペットを飼育する場合は管理組合へ届出が必要です。区分所有建物の購入前に管理規約の確認が可能ですので、ペットとともに入居を予定している方は不動産会社を介して確認しましょう。ペットの飼育に関する管理規約にはペットの種類制限や頭数制限のほか、バルコニーに出してはいけない、共用部分では飼い主が抱きかかえて移動するなどの細則が設定されている場合もあります。

管理規約は総会での決議によって変更や廃止が行われますので、ペットの制限についても強化もしくは緩和される可能性があります。

専有部分の火災保険は個別加入

共用部分にかけられる火災保険は管理組合によって加入手続きが行われますが、専有部分は所有者が個別に加入する必要があります。火災保険加入は任意であり、法律上の義務はありませんがもらい火の場合は失火責任法により、故意や重過失が証明されないと損害賠償請求ができません。

鉄筋コンクリート造のマンションは耐火性が高いため、延焼は最小限に抑えられますが煙害や消火活動による放水の被害もあるので火災保険は必要です。また、火災保険料については鉄筋コンクリート造の耐火性が考慮されるため、木造に比べると安くなります。保険会社は自由に選べますがどこの保険に入ればいいかわからない場合は入居の際に仲介に入った不動産会社や管理組合に相談しましょう。

区分所有建物の管理方法

区分所有建物の管理方法

区分所有建物は壁や柱などの構造体、階段やエレベーターなどの共用部分を管理するために入居者による管理組合が結成されます。

管理組合は建物の修繕や保守についての管理、共同生活のためのルール作りなどを行いますが、長期修繕計画や工事業者の手配など専門知識が必要な部分は管理会社に委託されます。管理組合は区分所有法により入居者全員が加入すると決まっているため、加入拒否はできません。

植栽やフェンスなど、敷地内の設置物の破損についても管理組合の総会により修繕の決議が行われるため、管理組合に無断で修繕を行うことはできません。

管理費と修繕積立金

区分所有者には毎月、管理費および修繕積立金が請求されます。徴収した管理費は共用部分の電球交換や電気代、定期清掃の費用などの維持管理に使われます。ほかにも共用部分にかける火災保険や植栽の剪定、警備員やコンシェルジュの設置費用、管理会社への委託費用などが管理費から捻出されます。

修繕積立金は外壁や屋根、駐車場の補修など長期修繕計画に沿って大規模な修繕を行うために使われます。建物の劣化を考慮した長期的な修繕計画には専門知識が必要になるため、委託した管理会社によって計画されます。管理費と修繕積立金は建物の状況によって必要な金額が変化するため、当初の修繕計画では維持管理が難しくなった場合は徴収額が上がります。

修繕にかかる費用を減らすために機械式駐車場を撤去して平面駐車場にする、定期清掃業者への依頼をやめて区分所有者で清掃を分担するなどの経費節約が行われる場合もあります。

入居者全員加入の管理組合

管理組合は区分所有建物の入居者全員が参加する組織であるため、強制加入となっています。

管理組合は共用部分の保守や建物の修繕、区分所有者への連絡など建物運営に関するあらゆる業務を行いますが、難しい業務は管理会社に委託されます。管理組合は毎年1回、区分所有者を招集して総会を行います。

総会では議題が話し合われ、議決権を持つ区分所有者によって決議されます。区分所有者から区分を借りている借家人は議決権を持ちませんが、区分所有者と同様に管理組合が決定したルールを守る義務を負うことから、総会に出席して意見を述べることは可能とされています。

理事長などの役員は立候補や推薦のほか、当番制によって任命されます。

維持管理業務を行うのは管理会社

区分所有建物の維持管理は専門的な知識が必要になるため管理会社に委託されます。

委託方法には全部委託と一部委託があり、どの業務を委託するか管理組合により決定されます。全部委託では建物の運営業務を一括して管理会社が行います。一部委託では給排水設備などの重要な部分のみ管理会社が行い、全部委託と比較すると費用を節約できます。

しかし委託外の業務は管理組合が行うため、区分所有者の負担が大きくなります。どのような委託方法が採用されているか入居前に確認が必要です。

区分所有建物の売買

区分所有建物の売買

区分所有建物は区分ごとに所有権が存在するため、通常の不動産と同じように売買が可能です。

売主は管理組合から脱退し、買主が新たに加入することになるため、売買の際には管理組合に区分所有者を変更する旨の連絡が必要です。組合員の管理を管理会社に委託している場合は管理会社に連絡します。

管理費と修繕積立金の徴収を新しい買主の口座から引き落とす手続きも必要になります。また、売買前に管理費と修繕積立金の未払いがないか確認することも重要です。

未払いがあれば事前に購入希望者に通達しなければならないため、売却金額や取引の成否に影響します。

不動産会社に仲介を依頼

売買を行う場合は不動産会社に仲介を依頼しましょう。不動産会社には賃貸管理専門や戸建てをメインに扱っているなど各社に得意分野が存在します。

区分所有建物の売買には管理組合とのやり取りや敷地内駐車場の確保など、戸建ての売買にはない業務が発生しますので、不動産会社のホームページで取引実績を閲覧して区分所有建物の扱いに慣れているか調査が重要です。

不動産会社から提案された物件を気に入ったら内見を行い、契約締結に至ります。不動産会社からは契約書の準備から所有権登記変更手続き、物件引き渡しまで多くのサポートを受けられます。

売主と買主で直接売買を行うことも可能ですが、契約書に記載されている取り決めや取引金額が適正かどうかを依頼主に代わってプロの目線でチェックしてくれることも不動産会社に仲介を依頼する利点です。

居住中でも売買可能!

区分所有建物に居住中でも売却は可能です。その場合は購入希望の連絡があった際にスムーズに内見ができるように準備することが重要です。

購入希望者にとっては壁や床の状態も気になるポイントですので家具の移動などを行い、きれいな状態を見せて物件価値をアピールしましょう。購入希望者は内見の際に共用部分の管理が行き届いているかチェックしましょう。植栽やロビーの様子を見ることで定期的な手入れが行われているか確認できます。

管理を重視する場合は事前に管理会社を調べることも重要です。建物の管理人室や不動産情報サイトの物件ページに委任している管理会社が掲示されていますので確認しましょう。

賃貸物件としても運用可能!

区分所有建物も賃貸物件として運用できます。自己所有物件を貸す行為は宅建業の許可がなくとも行えるため、個人で借主の募集を行えます。

不動産会社に賃貸管理を委託する場合は管理料がかかりますが、借主の入退去手続きや火災保険の加入手続き、内装工事の業者手配などを代行してもらえますので貸主の負担が軽減されます。

また、借主の契約違反に対する注意や家賃の増額交渉など、直接伝えにくいことも管理会社に任せられます。

区分所有建物の特徴を知って不動産売買の選択肢に!

区分所有建物の特徴を知って不動産売買の選択肢に!

区分所有建物は戸建てと違い、管理組合や管理会社などのさまざまな要素が絡みますが、区分所有者と管理会社でしっかりと計画を立てて建物管理を行う強みがあります。

購入の際もどのような長期修繕計画が用意されているか確認することで安心して取引を行えます。区分所有建物の特徴を知ることによって不動産売買の選択肢を増やし、後悔のない取引につなげましょう。

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