不動産の名義変更について|知っておくべきこととやるべきこと

不動産の名義変更とは?

不動産の名義変更とは?

不動産の名義変更は、登記簿上の不動産の所有者の名義を変更することをいいます。

マンションや戸建て、土地など不動産についての所有権利は、法務局にある登記簿で管理されています。

不動産の所有権は、先に登記申請を行った人が所有者として主張できます。

相続・贈与や売買により不動産の所有者が変わった場合、法務局で所有権移転の登記を申請し名義を変更します。

不動産名義変更の必要性

不動産名義変更の必要性

不動産の名義変更に義務はありません。

しかし所有者移転を申請し名義変更をしないかぎり、売買や相続・贈与において、不動産の所有権が明確になりません。

そのため、不動産を担保にしたローンや不動産を前提とした取引ができないなど、さまざまなトラブルが生じる可能性があります。

不動産の名義変更は、義務化されておらず期間制限ありませんが、所有権を証明するためにも申請する必要性があります。
※不動産登記法と民法の改正により、所有者不明の土地をなくすため、土地の相続登記が2024年~義務化される予定

1)不動産売買

マンションや戸建て・土地などの不動産を売買した場合、所有者を明確にするために名義変更が必要になります。売買契約成立後、買主が不動産購入にあたり住宅ローンを組む場合、銀行などが抵当権を得るために該当不動産の所有者を確認します。売主も該当不動産に住宅ローンを残っている場合、抵当権抹消するため買主の決済と共同で手続きを行います。

2)遺産相続

不動産の所有者が亡くなると、遺言状や法定相続人同士での協議により相続が発生した場合、故人の不動産を相続人に名義変更します。相続によって発生した名義変更を相続登記といいます。不動産の相続登記も義務化も期間制限もされていませんでしたが、長期間申請されないと相続間でのトラブルの原因になる可能性が大きくなります。

【法改正による相続登記の義務化:2024年施行予定】
1. 相続登記申請の義務付け:相続や遺書により不動産を取得したと知った日から3年以内に不動産登記(所有権移転登記)を行わなければならない。申請を怠った場合は、10万円以下の過料が発生
2. 氏名・住所の変更の登記申請の義務付け:不動産登記の名義人が、氏名・住所などの変更があった場合、当該登記の名義人は、変更があった2年以内に変更登記を行わなければならない。申請を怠った場合は、5万円以下の過料が発生
3. 土地所有権を国庫に帰属:相続や贈与対象の土地も相続登記が義務付けられるが、対象土地の取得を望まない場合は、土地の所有権を国庫に帰属する承認を法務大臣に求める
4. 法定相続分で相続登記の簡略化:遺産相続で持分を取得できる相続人が単独で申請できる

3)生前贈与

不動産の所有者が生存しているときに、財産のひとつである不動産を相続人に贈与する場合、不動産を贈る人と受け取る人が共同で該当不動産の名義変更申請を行います。不動産を贈与する人が生存しているときに名義を変更するため、贈与人の意思決定が明確なのでトラブルが回避しやすいメリットがあります。遺産相続との大きな違いは税金です。相続税よりも贈与税の税率の方が高く設定されています。

4)財産分与

離婚などの事情により、不動産を共有財産の対象として分与する場合、名義変更申請が発生します。分与する人とされる人が共同で登記申請を行います。不動産そのものを売却し、現金を分配する手段もありますが、子どもの養育が必要な場合は、マンションなど住居としている不動産の名義を養育者に変更し、慰謝料として渡すケースが多くあります。

不動産名義変更の手続き

不動産名義変更の手続き

不動産の所有者に関する登記簿は、法務局に管理されています。不動産名義変更の申請は、法務局(登記所)で手続きを行います。

法務局は、マンションや戸建て・土地の所在地により管轄が決まっています。申請手続きは管轄区域で行いましょう。

不動産の名義変更は主に「売買」「相続」「贈与」「財産分与」などの4ケースに必要です。ケースにより必要書類やかかる時間も違ってくるので、専門家への依頼も検討しましょう。

必要な書類

不動産名義変更に必要な書類は、申請手続きの内容により異なります。

1)「売買」:売主・買主に関する名義変更なので、双方の書類が必要
  (売主)登記済権利証(対象不動産)、印鑑証明書(3か月以内に取得したもの)
  (買主)住民票
  ※固定資産評価証明書(当年度)、売買契約書
2)「相続」:故人に関する名義変更なので、相続人全ての書類が必要
  (被相続人)戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍(出生~死亡までのもの)、住民票の除票
  (相続人)戸籍謄本(法定相続人全員)、住民票(新名義人)
  ※固定資産評価証明書(当年度)、相続関係説明図、遺産分割協議書、印鑑証明書、
  (必要書類が揃わない場合):不在籍証明書、不在住証明書、登記済権利証、上申書
3)「贈与」:不動産を贈る人・贈られる人、双方の書類
  (贈与者)登記済権利証(対象不動産)、印鑑証明書(3か月以内に取得したもの)
  (受贈者)住民票
  ※固定資産評価証明書(当年度)、贈与契約書、贈与証書
4)「財産分与」:離婚などで財産分与、元夫婦双方の書類が必要
  (現在の名義人)登記済権利証(対象不動産)、印鑑証明書(3か月以内に取得したもの)
  (新名義人)住民票
  ※固定資産評価証明書(当年度)、離婚協議書、財産分与契約書、戸籍謄本

名義変更にかかる期間

名義変更には、書類の準備・申請手続き・法務局の審査(1~2週間程度)をスムーズに経ても、最低1か月の期間が必要です。

法務局の審査も繁忙期などに左右され、かかる時間が異なります。手続きのケースによっては必要書類が多く、準備期間にかなりの時間が必要です。

特に「相続」の場合は必要書類が多く、収集だけでも1か月ほどになるときもあります。また、申請書類に不備を指摘された場合は、修正・補正する時間も必要になります。

必要書類を取集する時間がキーポイントになるので、事前にチェックリストなどを作成すると便利です

手続きにかかる費用

不動産名義変更に必ずかかる主な費用は以下になります。

1.「登録免許税」:登録免許税=不動産の固定資産評価額 × 税率
税率は名義変更する内容に異なります。「売買」「贈与」「財産分与」:2%、「相続」:0.4%
2.「各種課税」:申請内容により、手続き後発生する税金
3.「各種手数料」:必要書類の中で証明書などを取得する際の手数料・費用
4.「司法書士への報酬費用」:申請手続きを司法書士などに依頼した際の手数料

手続き手段

手続き手段は、「自分で申請する」「専門家:司法書士などに依頼する」の2通りあります。自分で申請すると必要最低限の費用でできますが、時間と労力がかかります。依頼すれば楽に進めてもらえますが、その分の報酬費用が発生します。

「自分で申請する」:不動産の名義変更は、自分で申請することも可能です。必要書類をすべて自分で収集し、法務局に出向き申請手続きを行います。証明書発行の実費、時間、労力、そして能力が必要です。

1.法務局で相談、2.書類収集・申請書作成、3.完成後提出、4.不備は修正・補正

「司法書士に依頼する」:不動産の名義変更の手続きを依頼する専門家は司法書士です。名義変更の内容や司法書士により発生する費用が異なります。名義変更する該当不動産が遠方にある場合もあるので、不動産の所在地付近でなくても、通いやすく相談しやすい司法書士を選びましょう。

名義変更の注意点

不動産の名義変更で注意する点は、申請手続き完了後に発生する税金です。名義変更の内容により課せられる税金が異なります。

・不動産売買:譲渡所得税(売主)
・不動産相続:相続税(相続した人)
・不動産生前贈与:贈与税・不動産取得税(贈与された人)

また、不動産を売買し、売主に利益が発生した場合は確定申告が必要になり、翌年の住民税に影響します。買主は購入した不動産の固定資産税を毎年支払わなくてはなりません。
※「登録免許税」は申請ときに必要です

不動産の名義変更手続きは司法書士へ相談・依頼がおすすめ!

不動産の名義変更手続きは司法書士へ相談・依頼がおすすめ!

不動産の名義変更の基本は「登記の権利者」と「登記の義務者」の双方の協力が必要になります。

当事者間にトラブルが発生したり、内容が複雑なものは自力で申請できなかったりする可能性もあります。

名義変更の申請をスムーズに完了するにためには、司法書士への依頼がおすすめです。

もしも、費用でためらっているようであれば、まず相談することから始めましょう。

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