マンションにかかる相続税について|手続きや計算方法とは?

マンションの相続税とは?

マンションの相続税とは?

身内が亡くなると、遺産相続が発生します。

遺産を故人から相続すると相続税が発生します。マンションもそのひとつです。分譲マンションを相続した場合は、相続税と残りの住宅ローンに注意しましょう。

ローン完済後のマンションは、相続税を支払いそのまま利用もできます。また相続人の判断で売却し、住宅ローンの残金に充てたり、売却額を相続人で分割したりすることもできます。

相続税を納付するにも、マンションを売却するにも、相続したら相続登記が必要なので早めに申請しましょう。

マンションを相続発生後の手続き流れ

マンションを相続発生後の手続き流れ

遺産相続の中でマンションを相続した場合、相続発生後にさまざまな申請手続きを行います。

まずマンションの相続登記を申請し名義を変更します。名義変更は自分で申請できますが、相続登記は必要書類が多く、手続きが煩雑になり、時間と労力がかかり、能力も必要になります。

スムーズに申請手続きを進めるのであれば、早めに専門家に相談し依頼することをおすすめします。

マンションの相続登記/所有権移転登記

故人が所有していたマンションを相続したときは、相続登記が必要です。

該当マンションの建物と土地の所有権移転登記を申請すると、マンションの名義が被相続人(故人)から相続人に名義が変更されます。

相続放棄や故人の確定申告、相続税の納付には期限があるので早めに相続登記は行いましょう。

1. 遺言書・遺産を確認→相続人を決定、遺産放棄(3か月以内)、準確定申告(4か月以内)
2. 相続財産の名義変更→申請に必要な書類を取集・申請準備
3. 法務局で申請
4. 相続税の申告・納付(10か月以内)

相続登記に必要な書類

相続登記には多くの書類が必要です。被相続人と相続人双方の書類が必要になります。

・登記申請書(法務局のホームページからもダウンロードできます)
【被相続人】
不動産の登記事項証明書、住民票の除票(本籍があるもの)、戸籍謄本(出生から死亡まで)
【相続人】
戸籍謄本・印鑑証明書:相続人全員
住民票:不動産を取得する相続人、固定資産評価証明書
遺産分割協議書または遺言・相続関係説明図:(申請者が作成)

登録免許税

マンションの相続登記(所有権移転登記)の手続きには「登録免許税」がかかります。

原則として現金納付になり、銀行などで支払います。相続登記申請を行った際、納付した領収書を申請書に貼り付け法務局に提出します。

「不動産価額(評価額)× 0.4%」※不動産価額は固定資産評価証明書に記載
例)不動産価額:15,048,480円(1,000円未満切り捨て)
登録免許税=15,048,000 × 0.4% ≒ 48,000円(100円未満切り捨て)
登録免許税が1,000円未満の場合はすべて1,000円となる

マンションにかかる相続税

マンションにかかる相続税

相続したマンションにかかる相続税は、財産としての資産価値に直接課税されるのではなく、「相続税評価額(建物と土地)」「控除額」「税率」をそれぞれ考慮して算出されます。

・相続税評価額:国税庁が定めるルールに従い相続する財産の価値を評価します。マンションの場合は、評価額を建物部分と土地部分に分け、最終的に合算して算出
・控除額:相続税が控除される額。控除額範囲であれば相続税が0円になる場合もある
・税率:相続税評価額に対し課税される割合

マンションの相続税評価額

「マンション相続税評価額=建物部分の相続税評価額+土地部分の相続税評価額」

・建物部分相続評価額=固定資産税の評価額、マンション購入価格の70%に相当 ※固定資産税納税通知書参照
・土地部分は「路線価」が定められているかどうかで異なる ※路線価は国税庁が定める公的な価格
1. 路線価:土地部分相続税評価額=路線価(1平方メートル当たり)×マンション全体(専有部+共有部)の面積(平方メートル)× 自分の持分割合(自分が専有している面積)
2. 路線価なし:土地部分相続税評価額=固定資産税の評価額 × 財産評価基準書に定められた税率 × 自分の持分割合

相続税に適用される控除

【基礎控除】基礎控除金額=3,000万円+(相続人数×600万円)
基礎控除は相続対象者全員が対象となり、相続人数が多いほど基礎控除額が大きくなります。

「基礎控除額 ≧ 相続評価額」基礎控除額が相続評価額を超える場合は、相続税は発生せず申告する必要がありません。
※基礎控除は、ほかの控除とも併用できます。
【配偶者控除】配偶者の法定相続相当額 = (相続評価総額 – 基礎控除額)×相続人の割合
配偶者控除額は、「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のどちらか大きい額を選べます。
「配偶者控除額>相続税評価額:課税されない」
※配偶者控除は基礎控除と併用できますが、配偶者のみ適用されます。
例)1億円のマンションを配偶者と子ども2人で相続
・基礎控除額=3,000万円+(3人×600万円)=4,800万円
・配偶者の法定相続相当額=(1億円 – 4,800万円)×1/2=2,600万円<1億6,000万円
・控除額=4,800万円+1億6,000万円=2億800万円

税率について

マンションの相続税率は、相続税評価額の金額により異なります。相続税評価額の金額が高くなると、税率も比例して高くなりますが、控除額も大きくなります。

相続税評価額 税率  控除額
1,000万円以下  10%  -
3,000万円以下  15%  50万円
5,000万円以下   20%  200万円
1億円以下    30%  700万円
2億円以下    40%  1,700万円
3億円以下    45%  2,700万円
6億円以下    50%  4,200万円
6億円超     55%  7,200万円

マンションの相続税対策

マンションの相続税対策

相続税に適用される控除を使用しても、相続の内容によっては課税対象になるものがあります。

このように控除額を上回った場合でも相続税を節税・軽減できる制度があります。土地評価額の減額、生前贈与など特例を利用することにより、相続税の負担が軽減されます。

課税対象になったとしても節税方法はあるので、特例や制度の内容を理解し対策に努めましょう。

小規模宅地等の特例

「小規模宅地等の特例」は、相続する土地が300平方メートル以下のとき、土地の評価額を80%減額できる制度です。

被相続人と相続人が、居住用として相続した土地に同居していたこと、継続して住むことが条件となり、配偶者は無条件で適応されますが、土地の相続のみに使用できる制度です。

しかし、マンションの場合、土地と建物の評価額は分けて算出されるため、マンションを相続したときにも適用できる可能性があります。

例)相続したマンションの土地全体が1,000平方メートルの内、持分の割合が100分の1であると、相続した土地は10平方メートルになります。小規模宅地等の特例が適用でき、土地の評価額を80%減額できます。

マンション売却

相続したマンションを売却する場合、売却価格が評価額を下回ると課税対象が縮小され相続税が安くなります。

しかし、売却価格が評価額を上回ると課税対象が拡大され相続税が高くなるので、売却のタイミングを注意してください。「売却価格<現在の評価額」が前提条件になりますから、評価額を確認してから売却時期を検討しましょう。

「相続税を取得費に加算する特例」は、相続税の一部をマンション取得費に加算し、譲渡所得を減らし所得税の負担を抑える制度です。手続きは確定申告で行います。

おしどり贈与

「おしどり贈与」は、夫婦間における生前贈与の特例で、贈与税に適応される配偶者控除のことです。

婚姻の期間が20年以上の夫婦が、マンションも含む居住用不動産や住宅を取得するための資金を生前贈与した場合、2,000万円まで控除を受けられる制度です。将来の相続分の内、先に2,000万円贈与しておくことで将来の相続税を減額できます。

ただし、おしどり贈与は、同一の相手には1回しか使用できません。再婚相手には使用できますが、20年以上の婚姻期間が条件になるので注意しましょう。

マンションの相続税は専門家への相談から始めましょう

マンションの相続税は専門家への相談から始めましょう

マンションを相続する場合、さまざまな手続きが必要なり税金も発生します。

自分で手続きを進めることもできますが、相続登記の申請は司法書士、相続税の対策は弁護士や税理士、必要に応じ専門家に相談しましょう。

マンションは簡単に分割して相続できるものではないので、遺産として相続する場合は、さまざまな申請や手続きが必要になります。

相続人が複数存在する場合は、手続きも煩雑で必要書類の収穫も多くなります。

第三者として客観視できる専門家に依頼し、公正な判断を仰ぎ、対策に努めることをおすすめします。

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